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<アマチュア無線の社会貢献活動での活用、小中学生の体験機会の拡大>総務省の意見募集、締め切りは11月17日(火)必着 (2020/11/13 12:25:34)
総務省は「アマチュア無線を社会貢献活動で活用できるようにする」「小中学生のアマチュア無線の体験機会を拡大する」という2点を骨子としたアマチュア無線に係る制度整備を行うとして、電波法関係省令および告示等の改正案を作成、10月16日(金)から意見(パブリックコメント)募集を行っている。この締め切りが11月17日(火)必着と目前に迫ってきた。この機会に総務省に賛否の意見を提出してはいかがだろうか。
こちらの記事を参考に(2020年10月15日掲載)↓
<アマチュア無線の社会貢献活動での活用、小中学生の体験機会の拡大>総務省がアマチュア無線の制度整備を行うため、関係省令等の改正案を作成し意見募集を実施
総務省はJARLとJARDの要望を受け、アマチュア無線が「有資格者が一定条件下で災害ボランティア、地域ボランティア活動などの通信にも利用できる」ようにするとともに、「無資格者の小中学生が、家族が開設する自宅のアマチュア局や在籍する学校のクラブ局、学校教職員のアマチュア局などから交信体験ができる」ようにするための電波法関係省令および告示等の改正案を作成した。
背景には、アマチュア無線局数の減少に歯止めが掛からず、ついに40万局を割るという状況や、小中学生など次代を担うアマチュア無線資格者数が非常に少ないという危機的な現状がある。アマチュア無線を社会貢献活動にも利用できるようにすることでハムの地位向上を図り、局数増加に繋げるとともに、小中学生がアマチュア無線の体験運用を通じて電波の活用や楽しさを知り、将来の日本のワイヤレスIoT人材の裾野を広げたいという考えだ。
今回の電波法関係省令と告示等の改正案が公表されてから、アマチュア無線家の間には賛否さまざまな意見が出ている。「子供たちがアマチュア無線を手軽に体験できるのは良いこと」「アマチュア無線の地位向上は将来のために重要」「社会貢献で使えることが明確になるのは賛成」「災害時など活用機会が増える」といった意見がある一方で、「お祭りや体育大会の連絡なら特小やデジ簡を使えば済む。なぜアマチュア無線なのか」「消防団や自治体は専用の無線を使うべき」「アマチュアバンド内の不法局対策が十分と言えない中、さらに不法局が増加することにならないか」「米国とは社会の成り立ちが違う」といった疑問や懸念も多く見られた。
総務省に連名で要望書を提出したJARLとJARDは、改正案を強く推進する立場だ。JARDは「アマチュア無線による社会貢献が明確に制度化されれば、アマチュア無線家の社会的地位の向上、ひいては低迷するアマチュア無線の利用の拡大に大きく繋がります」と支援を呼び掛け、JARLはメールマガジンで「おひとりでも多くの皆さまのご賛同をいただきますようお願いします」「意見募集は今月17日までおこなわれますので、お知り合いのアマチュア局の皆さまにもQSPをお願いします」と呼び掛けるとともに「今回の制度見直しについて引き続き早期実現を総務省にお願いしてまいります」と表明している。
そして11月10日にはJARL髙尾会長と九州地方本部長の中村理事が総務省の大臣室を訪問、武田総務大臣(衆議院議員、福岡11区)と面談し要望書への迅速な対応に対して謝意を述べ、改正案の早期実現を依頼したという。JARL会長らが総務大臣と面談したのは一般社団法人化以降では極めて珍しい。
今回の改正案に対する意見募集は11月17日(火)必着で締め切られる。意見提出は無線従事者資格の有無にかかわらず個人でも可能だ。賛成意見、反対意見、疑問や懸念点などがあるアマチュア無線家は、この機会に提出してはいかがだろうか。提出された意見は締め切り後に取りまとめられ、総務省の考え方とともに公表されるが、提出者の個人情報(氏名、コールサイン等)は公開されない。
●関連リンク:
・電波法施行規則の一部を改正する省令案等に係る意見募集-アマチュア無線の社会貢献活動での活用、小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大-(総務省
報道資料)
・PDF
アマチュア無線の社会貢献活動での活用及び小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大(案)-アマチュア無線を身近な活動へ-(総務省)
・意見公募要領(総務省)
・総務省・武田総務大臣とJARL会長が面談(JARL Web)