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「社会貢献活動・体験機会拡大」改正案パブコメへの意見提出 (2020/11/17 8:23:33)
下記パブコメに対し、昨晩、意見を提出しました。
電波法施行規則の一部を改正する省令案等に係る意見募集-アマチュア無線の社会貢献活動での活用、小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大
ところで、先日(2020年11月17日(日))、 JARL徳島県支部による「ハムの集い2020とくしま」 がオンラインで開催されました。とても安定した進行で、先進的な試みを成功された徳島県支部の皆様に敬意を表します。ありがとうございました。(私の視聴中のTweetは こちら 。)
JARL会長のJG1KTC髙尾義則氏もオンライン登壇され、「おもしろ無線運用」というタイトルながら、後半は「JARLの現状と取り組み」と題するいつもの話をされました。社会貢献活動での活用については、電波部長に要望書を「直接」提出したとか、総務大臣と面会して早期の実現を要請したとのご発言はありましたが、JARL名義で提出した要望書や今回のパブコメの中身について、ご自身の言葉で語ることはありませんでした。
視聴者の中には、今回のパブコメに対する心配・懸念・反対意見について、JARL会長として、あるいは髙尾氏個人として、どう考えるのかを質問したかった方、会長の口から、「JARLとしてきちんと対応します」との頼もしい言葉を聞きたかった方も多かったと思われます。しかし、 髙尾氏は、なんと、質問を一切受け付けず、一方的に講演を終了してしまったのです 。
結局のところ、高尾氏は、総務省への要望書の提出、総務大臣との面会を自分のパフォーマンスとして利用するだけで、自分が提出した要望書に関するアマチュア無線家の理解を得ようともしないのです。あまりにも無責任ではないでしょうか。パブコメの結果が出た後、JARL高尾執行部が、われわれアマチュア無線家のために真剣に行動してくれるのか、とても心配です。
それはともかく、記録のため、私の意見の最終提出版を載せておきます( 以前に公表した私の意見案(11月14日付け案) から修正していません)。 もし私の意見にご賛同いただける方がいらっしゃいましたら、以下の文章 をご参考に(長いので、前半部分のみ = 「また、以下の点に関する総務省の考えを確認したいので、・・・」 の前まで ・・ ) 、ご意見を 総務省にどんどん 提出されてください。「mobile_atmark_soumu.go.jp(_atmark_を@に直す)」宛てに、住所・氏名・電話番号を添えてメールで提出するだけです。数は力、どうぞよろしくお願い申し上げます。
(意見ここから)
一 アマチュア無線の社会貢献活動での活用について
今回提案されている改正のうち、アマチュア無線(家)による社会貢献活動を推進するという趣旨そのものは、アマチュア無線家として歓迎する。しかし、本来業務用無線により行われるべき通信を、アマチュア無線により安易に代替することを認めかねない部分については、「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う」という、国際的にも歴史的にも確立したアマチュア無線の本質を損ない兼ねないものであり、反対である。
一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)及び一般財団法人日本アマチュア無線振興財団(JARD)が令和2年10月5日付けで行った要望も、「ボランティア通信」に限ったものであり、本来業務用無線により行われるべき通信をアマチュア無線により代替することを要請したものではない。
総務省におかれては、アマチュア無線の本質を損なうことのないよう、下記1~3を遂行されたい。
1 総務省が、下記(1)ないし(3)を、関係者(国、地方公共団体その他の公共団体、JARL及びJARD、アマチュア局を開設または運用しようとする者を含むがこの限りではない。以下同じ。)に対し、通達等により周知徹底すること。
(1) 電波法施行規則第3条第1項第15条の「アマチュア業務」の定義は、ITU Radio Regulations
の1.56条を受けたものである。条約は法令に優先するから、上記条約に反する電波法施行規則を総務省が制定することはできない(日本国憲法第98条第2項、第99条)。従って、今回の改正は、上記条約における「アマチュア無線」の定義から外れる業務を、我が国の「アマチュア業務」の定義に持ち込むものではないこと。
(2) 別添3の総務省告示案の柱書に、「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う」と定められているから、同告示で告示される業務は、第1号、第2号ともに、「金銭上の利益のため」であってはならず、かつ「もっぱら個人的な無線技術の興味によって」行われるものでなければならないこと。
(3) アマチュア無線業務は、「もっぱら個人的な無線技術の興味」によって行われなければならないから、「個人的な無線技術の興味がない」場合は、この要件を満たさず、アマチュア無線を用いることはできないこと。
(4) 以上要するに、本来業務用無線により行われるべき通信を、アマチュア無線により安易に代替することは許されないこと。
2 以上の点を関係者に対し周知徹底するために、総務省が、JARL及びJARDに対し、以下を実施するよう指導すること。
(1) アマチュア無線により許される運用と許されない運用の区別を具体的に示し、後者については他の業務無線(消防無線、一般業務無線、簡易無線、特定小電力無線、IP無線など)を用いるべきことを説明したガイドラインを作成し、関係者に対し周知徹底すること。
(2) 当該ガイドラインの作成に当たっては、アマチュア無線家に対するパブリックコメント(アンケート)を実施し、アマチュア無線家の声を広く聞くこと。
(3) アマチュア無線を活用した社会貢献活動の受け皿になる組織をJARL内に設置すること。
3 総務省及び各総合通信局にあっては、アマチュアバンド内(特にV/UHF帯)に蔓延する不適切な運用(アマチュア無線の免許を持たない者による運用、コールサインを送出しない運用、アマチュア業務に該当しない通話等を含むがこれらに限られない。)を排除するため、より一層徹底した電波監視を行うこと。また、JARLに対しては、がいだんす局の頻繁な運用、パンフレット等による啓蒙活動等、不適切な運用を排除するための活動をより一層徹底して行うよう指導すること。
また、以下の点に関する総務省の考えを確認したいので、回答されたい。
4-1 別添1の3頁上段に、「災害ボランティアでの活用」例があげられている。また、別添1の3頁左下に、「ボランティア活動での活用」例として、「マラソン大会・体育大会」、「祭り・地域行事」、「地域の清掃活動」、「地域の観光案内」があげられている。地域のアマチュア無線家がこれらの活動に自ら従事し、またはこれらの活動を支援する場合は、報酬を受けない限り「金銭上の利益のためでなく」の要件を満たすし、かつ「もっぱら個人的な無線技術の興味によって」の要件も満たすので、アマチュア無線を活用することができると考えるが、正しいか。
4-2 前項の活動に、国や公共団体の公務員が従事する場合は、給与(時間外手当等)の支払いを受けるから、「金銭上の利益のためでなく」の要件を満たさず、アマチュア無線を活用することはできないと考えるが、正しいか。
5-1 アマチュア業務は、別添3の総務省告示案が仮に施行されたとしても、「金銭上の利益のため」に行われるものであってはならない点が変更されるわけではない。同告示案第2号の「金銭上の利益を目的とする活動以外の活動のために行う」との要件は、「金銭上の利益のためでなく」の要件を具体化したものと理解するが、正しいか。
5-2 別添1の3頁上段の「災害ボランティア」及び左下の「ボランティア活動」は、別添3の総務省告示案の第1号に該当すると理解される。ところで、「特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)」にいう「非営利」とは、団体(NPO法人)の財産や活動によって得た利益を団体の構成員に配分してはならないという意味であって、同法「第二条第一項に定める特定非営利活動に該当する活動」について、NPO法人が対価を得てはならないことを意味するものではない。したがって、同法「第二条第一項に定める特定非営利活動に該当する活動」の中には、「金銭上の利益を目的とする活動」と「それ以外の活動」が含まれることになる。同様に、「その他の社会貢献活動」にも、「金銭上の利益を目的とする活動」と「それ以外の活動」が含まれる。しかし、アマチュア業務は、「金銭上の利益のため」に行われるものであってはならないから、その点を具体化するために、同告示案の第2号と同様に、「金銭上の利益を目的とする活動以外の活動のために行う」との要件を第1号にも明示的に追加し、第1号は、以下の文言に改めるべきと考えるが、いかがか。
「1 特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第一項に定める特定非営利活動に該当する活動その他の社会貢献活動であって、金銭上の利益を目的とする活動以外の活動のために行う業務」
6-1 別添3の総務省告示案第2号の「国又は地方公共団体その他の公共団体が実施する事業に係る活動(これらに協力するものを含む。)であって、地域における活動又は当該活動を支援するために行うもの」との文言は理解が困難である。
①「国又は地方公共団体その他の公共団体が実施する事業に係る活動であって地域におけるもの」
を中心として、
② ①に協力する活動
③ ①を支援する活動
④ ①に協力する活動を支援する活動
が含まれると理解してよいか。
6-2 「協力」と「支援」はいかなる関係に立つのか。
6-3 上記文言は、シンプルに、以下のとおりとした方が、国民に理解されやすいと考えるが、いかがか。
「国又は地方公共団体その他の公共団体が実施する事業に係る活動であって地域におけるもの、又は当該活動に協力し若しくはこれを支援するために行うもの」
7 別添3の総務省告示案第2号に関し、国や公共団体の公務員がこれらの活動に従事する場合は、給与(時間外手当等)の支払いを受けるから、「金銭上の利益のためでなく」の要件を満たさず、アマチュア無線を活用することはできないと考えるが、正しいか。
8-1 別添1の3頁左上に「消防団活動の連絡補助」が、別添1の3頁左下に「消防団活動」と「有害鳥獣対策」がそれぞれ例示されている。消防団員は非常勤特別職の地方公務員であり、実費の補填程度の金銭しか支払われないケースから、実費の補填を超える報酬が支払われるケースまでさまざまである。有害鳥獣対策に従事する猟友会の会員に対する報酬の支払いについても同様である。実費の補填程度の金銭しか支払われないケースであると実費の補填を超える報酬が支払われるケースとを問わず(つまり、金額の多少に関わらず)、これらの者に対し金銭が支払われる場合は、「金銭上の利益のためでなく」の要件を満たさないので、アマチュア無線を活用することはできないと考えるが、正しいか。
8-2 前項の例で、消防団員や猟友会会員に対し一切金銭が支払われない場合であって、かつ、地域のアマチュア無線家が消防団活動や有害鳥獣対策に従事するときは、「もっぱら個人的な無線技術の興味によって」の要件を満たすのでアマチュア無線を活用することができると考えるが、正しいか。
8-3 前項の例で、元々アマチュア無線の免許を保有しない消防団員や猟友会会員が、単に消防団活動や有害鳥獣対策に用いることのみを目的としてアマチュア局を開設し運用することは、「もっぱら個人的な無線技術の興味によって」の要件を満たさないので、許されないと考えるが、正しいか。
9 ダンプやトラック、排雪車両等のいわゆる業務用車両にアマチュア無線機が設置され、工事現場の資材搬入・搬出や除雪作業のための業務連絡(配車連絡等)に用いられている例が後を絶たない。アマチュア無線免許を持たずに運用されている例が違法であることは明らかであるが、従事者免許と無線局免許を有している例もある。しかし、これらの作業は「特定非営利活動に該当する活動その他の社会貢献活動」ではないから、別添3の告示案第1号には該当しないし、「地域における活動」ではなく、かつ「金銭上の利益を目的とする活動以外の活動」にも該当しないから、同告示案第2号にも該当しない。そもそも、これらの車両の運転手は工事業者から給与の支払いを受けている以上、「金銭上の利益のためでなく」の要件を満たさない。したがって、上記の例は、今回の法改正後も、アマチュア業務に該当することはないと考えるが、正しいか。
二 小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大
賛成する。なお、以下をご検討いただきたい。
1 別添4の告示案第二項第2号は、「立ち会う無線従事者が開設するもの(社団を除く。(略))」というように、アマチュア局そのものが「社団」であるかのような書きぶりになっているが、正しくは、アマチュア局の「開設主体」が「社団」である(電波法関係審査基準でも、「個人が開設するアマチュア局」及び「社団が開設するアマチュア局」との文言が用いられている。)。また、「立ち会う無線従事者」は「個人」以外にありえないから、「立ち会う無線従事者が開設するもの」は、必然的に「個人が開設するアマチュア局」(いわゆる「個人局」)である。以上を踏まえ、シンプルに、以下の文言に改められることをご検討いただきたい。
「2 当該アマチュア局は、立ち会う無線従事者が開設するもの、または、同一の学校(4(三)
に規定するものをいう。)に属する学齢児童生徒及び4(三)
に掲げる者を構成員とする社団が開設するものであること。」
2 告示案第二項において、2号と4号各号は紐付けがされていない。したがって、(a)学校の教職員が、当該教職員が開設する個人局の無線設備を、学校の児童生徒に操作させること、(b)学校に開設された社団局の無線設備を学校の児童生徒に操作させる際に、教職員ではなく、当該児童生徒の保護者や三親等内の親族が立ち会うことは、他の要件を充足する限り、いずれも許されると考えるが、正しいか。
(意見ここまで)
(2020-11-17 08:22 記)