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link フリラjp フリラjp (2023/11/14 16:35:25)

feed この無線機を買ってはいけない (2020/11/21 11:49:17)

ネットショップや、オークションサイトで、何やら怪しい無線機が販売されているようです。
しかも運用できる周波数も怪しいです。
編集部の独自調査網を駆使して、謎の無線機に迫ってみました。

オーストラリア現地調査用?

いきなり「なんのこっちゃ?」という言葉で、無線機が紹介されていました。
その紹介文を見てみましょう・・・

『UHF FM MOBILE TRANSCEIVERアルインコDR-108U5改逆輸入

(特定小電力トランシーバー面白受信機(マイクを接続できない状態)

※ローバンド(410-430MHz)

【商品説明】
「アルインコ社製」海外仕様の逆輸入小型軽量トランシーバーです。

【製品仕様】
★UHFアマチュアバンド以外410-430MHz
 (VCOロック内)
●出力:最大約5-10W
●20チャンネルメモリー
●MC-44アップ/ダウンマイクロホン付
●サイズ140×40×165mm
●重さ 約890g

★付属品
●本体 ●マイク(MC-44) ●電源コード 
●モービルブラケット
●モービルブラケット取付ネジセット
(六角ねじ用スパナを含む) 
●予備ヒューズ  ●日本簡単語取扱説明書
現在の周波数は、オーストラリア現地調査用に特別に設定されています。
( 必ず使用国の事前許可を受けた上での持ち込みとなります。 )
※オーストラリア向けハンディー周波数互換票※

  1ch 422.0500MHz
  2ch 422.0625MHz
  3ch 422.0750MHz
  4ch 422.0875MHz
  5ch 422.1000MHz
  6ch 422.1125MHz
  7ch 422.1250MHz
  8ch 422.1375MHz
  9ch 422.1500MHz
10ch 422.1625MHz
11ch 422.1750MHz
12ch 422.2000MHz
13ch 422.2125MHz
14ch 422.2250MHz
15ch 422.2375MHz
16ch 422.2500MHz
17ch 422.2625MHz
18ch 422.2750MHz
19ch 422.2875MHz
20ch 422.3000MHz
【注意事項】 本機は,海外専用モデルですので本来日本国内で使用することは,出来ません。
但し、アマチュア無線局として開局するには,電波法に適合するように改造後、 自作無線機として送信系統図を添えて開局申請をすることが出来る場合があります。
また、アマチュア無線局として開局できてもアマチュア無線以外の通信には,使用できません
注意・・自作無線機としての申請は,自らの責任でお願いします。
サポートや資料提供等のお手伝いは致していません。

運用できる周波数の一覧を見ると特小の単信チャンネルと一完全に致します。
これは悪意を感じるとしか表現できないですね。

▲マイクが付属していないので、すぐに電波が発射出来る状態ではないと言い訳しているような希ガスのは勘違いだろうか?

DR-108U5の独自調査結果

今回販売されていたアルインコ製「DR-108U5」ですが、編集部で調べたところ以下のようなことがわかってきました。

●発売時期 1990年代中頃
●仕向地  アジア・アフリカ・南米
●出力   約10W
●周波数  プリセット可能 複数の周波数別バリエーションあり
●TSQ   プリセット可能

スペックは上記のような感じです。
わかってきたのは、製造からかなりの年月が経過した「長期在庫品」だということです。
最近製造された無線機ではないので、経年変化で無線機に不具合がる可能性があります。
販売しているところでは、不良品が発生したときの対応は難しいと思います。

また輸出用の無線機のため、輸出先がある程度想定されているのですが、仕向地としては「アジア・アフリカ・南米」を対象と考えているので、説明にあるようなオーストラリアは含まれていません。

更に周波数やトーンスケルチなどは設定よって、変更できるようになっていますが、専用のソフトが必要で、Windowsでは動作しない(DOSプロンプトで動作)古いタイプの設定ソフトです。
オリジナルの取扱説明書については、簡単な注意書きと電源のオン・オフ、送受信のしかた程度と行った簡素な物です。

基本的に当時の業務用、ランドモービル用として安価に販売できるように開発された製品だと言うことがわかってきました。
1990年代中頃は、現在のように中国製の安価な無線機もなく、世界的に見てもDR-108U5は価格面で優位性を持った無線機だったようです。

業務用で開発されていたの、FCCやCE認証も取得しておらず、アメリカやヨーロッパ向けには製造されておらず、純粋に業務用として、それらの地域以外に向けて企画され、販売されていたようです。


▲ヒートシンクは、かなりやる気を感じる大型のタイプが装備されていますが、最大出力は10Wです。他のモデルから筐体を流用することによって、製造コストを下げているのかもしれません。

ここからは推測ですが、海外で長期在庫品の販売先を探して業者が日本国内の販売業者と組み、特小バンドで電波を出せる無線機としてネット販売していると想像しました。
万が一の初期不良時や、故障時など、販売店のサポートも望めませんし、長期在庫の輸出用無線機なので、アルインコのサポートも受けられません。
販売ページでも「サポートは出来ない」と明記されています。
そのような無線機ですが、購入されますか?

購入してご使用になるときは必ず総務大臣から無線局の免許を受けてください。
輸出用無線機のため、メーカーへの問い合わせを行わないでください。

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