無線ブログ集
メイン | 簡易ヘッドライン |
IC-705の外部バッテリー (2020/12/5 17:11:47)
IC705の付属バッテリーは2000mAhと容量が小さく、大容量のBP-307に換えたとしても最大5Wで少し長く使えるというだけで10W可能になるわけではありません。これまでFT817やFTM10Sで使ってきた18650リチウム電池の3本および4本直列を使えばいいかな、と楽観していたのですが、IC-705の場合、どちらも少し問題なところがあります。
<18650の3本直列の場合>
数年使っていることもあり充電直後の電圧が12.3V、少し使うと12V以下に低下します。IC-705につなぐと10W設定は可能ですが、実際のパワーは5Wとなります。FTM10Sの場合は、10Wは出ないにしても7~8W出るのですが、IC-705はそうなりません。電圧が10.5Vあたりに低下すると受信はできても送信不可となります。つまり3本直列の場合はマックス5Wということです。付属バッテリーに充電しながら運用時間を延ばす、そんな使い方がベストのようです。
<18650の4本直列の場合>
やはり劣化が進んでいるので充電直後の電圧が16.1Vです(本来は16.8V)。この状態で705につなぐと「HI Voltage」の表示が出てしまいます。これでも送受信は可能で、ダミーロードを付けて計ったところ145MHzで10W弱、430MHzで8W程のパワーとなりました。ただ、この状態で使い続けるのは精神的によろしくありません。13.8Vプラスマイナス15%の定格範囲で使ってください、ということだろうと思います。
ということで最近見かけるUSB-Cタイプのモバイルバッテリーを購入することにしました。ノートパソコン用のRP-PB201という型番で15V3Aを出力できるそうです。重さ約370g。これで容量20000mAhとか。リチウム3.7V換算と思われるので、15V換算にすると5000mAh程度ではと推測しています。重量からみてもそんなものでしょう。別売の急速充電器、15Vを取り出すためのトリガーケーブルも購入しました。トリガーケーブルは共立エレショップで外径5.5mm、内径2.1/2.5mm両用タイプを購入。China製で不安がありましたが、装着してみるとIC705にぴったりで、問題なく15Vを出力してくれました。ただ、定格内とはいえ電圧高めとなります。発熱やノイズはどうなんでしょう。
145MHzFM10W設定で送信時(上下)
本日、大年寺山にてJP7IEL局にお相手いただき、モバイルバッテリーで運用してみました。主に430MHzFMおよびDVシンプレックスにてマックスパワーで交信。前回同様1時間ほど経過した際に付属バッテリーを外してアルミシャーシを触ってみたところ、5Wの際よりは熱いものの、触れないほどではありませんでした。USB電流計は430MHzで3.0A、145MHzで2.5A前後を示していました。430MHz約8W、145MHz10Wの実パワーでこの数値はけっこうな省エネでは?とあらためて思いました。2時間30分ほどの交信中、モバイルバッテリーの電圧は15V前後を維持し、低下する気配はありませんでした。終了後に残量を確認したところ4個の残量表示の内、2個消灯。消費電力が最も大きい430FMおよびDVのマックスパワーで4~5時間持ちそうな感じです。
ノイズについては過去の経験から不安があり、トリガーケーブルにコアを3個付けた状態で使いました。430MHzでまったくと言ってよいほどありません。145MHzでSを振るほどではないものの若干あるような無いような、といったところで耳では確認しきれませんでした。バッテリー自体に電圧変更スイッチはなく、ケーブル側で指定した電圧を取り出す方式なので、従来のようなコンバータノイズが載りにくいのでしょうか。何度も悩まされたモバイルバッテリーですが、今のところこの機種は悪くないとの感触です。
execution time : 0.019 sec