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MMSSTVの設定(IC-7300, FT-857D) (2020/12/6 23:05:19)
先日の8J17CALL集中運用 の際に、 SSTVを運用 しました。忘れる前に、MMSSTVの設定をメモしておきます。
SSTVの運用では、音声でやりとりしたあとに画像を送信したり、画像送信後に音声でQSOしたりするので、 画像を送信する前後はマイクからの音声を変調に乗せ、画像送信中はDATA入力端子からの音声信号を変調に乗せるようにしたい 、という点がポイントです。
参考とさせていただいたサイト
MMSSTVの設定(JI3URS)
http://www.eonet.ne.jp/~ji3urs/mmssop1.html
IC-7300M + MMSSTVでSSTV運用開始(向島ポンポコ日記)
https://tanukijima.at.webry.info/201708/article_10.html
設定ファイル
最初に、作った設定ファイルを置いておきます(自己責任でどうぞ)。
- 上のzipファイルをダウンロードし、適当な場所(MMSSTVのインストールフォルダ等)にに解凍する。
- IC-7300を使うときは、MMSSTVのメニューのオプション→MMSSTV設定画面→送信→Radio Commandと進み、下の「Load」ボタンを押して、「IC-7300.rcm」を読み込ませる。PortとBaudレートを適切に設定する。「その他」のタブの「サウンドカード」も適切に変更する。
- FT-857DMを使うときは、「Load」ボタンを押し、7MHz帯以下(PhoneでLSBを使う周波数帯)のときは「FT-857D_40m and Down.rcm」を、14MHz帯以上(PhoneでUSBを使う周波数帯)のときは「FT-857D_20m and UP.rcm」を読み込ませる。PortとBaudレートを適切に設定する。「その他」のタブの「サウンドカード」も適切に変更する。リグ本体の「DIG」の設定を「USER-L」または「USER-U」に変更することを忘れずに。
以上で、SSTV送信中のみ、MMSSTVからのSSTV信号が変調に乗り、その前後はマイクの音声が変調に乗るようになります。
なお、MMSSTVからモードと周波数もコントロールしたい場合は、「Mmsstv.ini」内の [RadioMenu] に「Mmsstv.ini_RadioMenu_Replace.txt」の中身を上書きします。「Mmsstv.ini」内の [RadioMenu] を書き換えることにより、MMSSTVの「リグコントロール」メニューが以下のように変わります。FT-857の「DIG USER-L」等は、「リグ本体のメニューからDIGモードを設定し直す」ことを忘れないように書きました。
以下、設定ファイルの解説です。
IC-7300の設定(解説)
オプション→MMSSTV設定画面→送信→Radio commandは、先人のお知恵を参考に、以下のように設定しました。
画面下の「Save」ボタンを押すと、Commandsの設定を拡張子「.rcm」のファイルに保存することができます。IC-7300の.rcmファイル「IC-7300.rcm」の中身はこのようになりました。
[RADIO] CmdInit= CmdRx=\$FEFExxE01C0000FDFEFExxE01A060000FDFEFExxE014150000FD CmdTx=\$FEFExxE01A060101FDFEFExxE014150013FDFEFExxE01C0001FD\w10 Cmdxx=94 PollType=3 PollInterval=5
(ウェブサイト上で「\」(バックスラッシュ)に見える文字は、ファイル等にコピペすると半角の「¥」になります。)
IC-7300の「補足説明書」2ページによれば、CATコマンドのフォーマットは以下のとおり。
「コマンド」「サブコマンド」「データエリア」の意味を、「補足説明書」を見ながら解読します:
RX:
FEFExxE0 1C00 00 FD: 送受信の切り替え 受信に
FEFExxE0 1A06 0000
FD: DATAモードOFF、フィルタはデフォルト設定に戻す
FEFExxE0 1415 0000
FD: モニターゲインの設定 0%
TX:
FEFExxE0 1A06 0101 FD: DATAモードON、フィルタ1に
FEFExxE0 1415 0013
FD: モニターゲインの設定 13/256=約5%(?)
FEFExxE0 1C00 01
FD: 送受信の切り替え 送信に
(参考サイトと異なり、モードを切り替えてから送信するように順番を変更しました。)
次に、MMSSTVのメニューから周波数やモードを切り替えられるようにします。MMSSTVの「リグコントロール」をクリックすると周波数切り替えのプルダウンメニューが出てきますが、「Mmsstv.ini」ファイルの末尾 [RadioMenu] の記述に対応しています。その部分に以下の記述を追記してみました。「Cap」「Cmd」の後の数字を変更するとメニューに出てくる順番を変更できるようです。最初の行の「Menus=5」を「Menus=メニューの合計数」に増やすことも忘れずに。
Cap1=7.180 LSB (IC-7300) Cmd1=\$FEFE94E0000000180700FDFEFE94E0010002FD\w10 Cap2=14.230 USB (IC-7300) Cmd2=\$FEFE94E0000000231400FDFEFE94E0010102FD\w10 Cap3=21.340 USB (IC-7300) Cmd3=\$FEFE94E0000000342100FDFEFE94E0010102FD\w10 Cap4=28.680 USB (IC-7300) Cmd4=\$FEFE94E0000000682800FDFEFE94E0010102FD\w10
各コマンドの構成部分を解読:
FEFE94E0 0000 00180700 FD: 周波数を「07.18MHz」に変更
FEFE94E0 0000 00231400
FD: 周波数を「14.23MHz」に変更
FEFE94E0 0000 00342100 FD: 周波数を「21.34MHz」に変更
FEFE94E0 0000 00682800 FD: 周波数を「28.68MHz」に変更
FEFE94E0 0100 02
FD: 運用モードを「LSB」に、フィルタを「FIL2」に変更
FEFE94E0 0101 02
FD: 運用モードを「USB」に、フィルタを「FIL2」に変更
周波数は2桁ごとに、下の桁から逆順に10桁の数列で指定します(ややこしい)。
FT-857DMの設定(解説)
取扱説明書によれば、FT-857DのCATコマンドは以下のとおり。
モード設定コマンドの最初の2桁が、LSBは「00」、USBは「01」、DIGは「0A」であることに留意。周波数の指定は素直に桁の順番通りです。
FT-857Dのモード切り替えで「DIG」を選択すると、マイクからの音声入力が切れ、リアパネルの「DATAコネクター」からの入力が変調に乗るのですが、USB側を使うかLSB側を使うかは、リグ本体の設定メニューNo.38で設定します。残念ながらCATではコントロールできないようです。
(余談ですが、FT-857Dの取説には、DIGモード時の「RTTY」「PSK-31」「USER」それぞれ何が違うのかが書いてないのですが、 このサイト によれば、フィルタの効き方が違うようです。)
以上を踏まえ、面倒ではありますが、PhoneでLSBを使う7MHz帯以下と、USBを使う14MHz帯以上で、設定を分けることにします(なお、10MHz帯ではSSTVの電波型式「F3F」はJAでは許可されていません。)。
7MHz帯以下の場合(LSB)
14MHz帯以上の場合(USB)
RXの真ん中あたりが、「00」か「01」かの違いです。
FT-857DMの.rcmファイルの中身はこのようになりました。
7MHz帯以下の場合(LSB) 「FT-857D_40m and Down.rcm」
[RADIO] CmdInit=\$0000000000 CmdRx=\$0000000088\$0000000007 CmdTx=\$0A00000007\$0000000008\w10 Cmdxx=94 PollType=2 PollInterval=5
14MHz帯以上(USB) 「FT-857D_20m and UP.rcm」
[RADIO] CmdInit=\$0000000000 CmdRx=\$0000000088\$0100000007 CmdTx=\$0A00000007\$0000000008\w10 Cmdxx=94 PollType=2 PollInterval=5
(「Cmdxx=94」の行は、IC-7300の設定が残ってしまったのかな?)
各構成部分を解読します。
Init:
00000000 00:周波数LOCK ON
RX:
00000000 88: PTT OFF
00000000 07: モードをLSBに変更
01000000 07: モードをUSBに変更
TX:
0A000000 07: モードをDIGに変更
00000000 08: PTT ON
FT-857Dの「リグコントロール」のため、「Mmsstv.ini」ファイルの末尾 [RadioMenu] に以下の記述を追記します。
Cap5=7.180 LSB (FT-857) DIG USER-L Cmd5=\$0071800001\w10\$0000000007\w10 Cap6=14.230 USB (FT-857) DIG USER-U Cmd6=\$0142300001\w10\$0100000007\w10 Cap7=21.340 USB (FT-857) DIG USER-U Cmd7=\$0213400001\w10\$0100000007\w10 Cap8=28.680 USB (FT-857) DIG USER-U Cmd8=\$0286800001\w10\$0100000007\w10 Cap9=144.450 USB (FT-857) DIG USER-U Cmd9=\$1444500001\w10\$0100000007\w10
CATコマンド解読:
00718000 01: 周波数を7.180MHzに変更
01423000 01: 周波数を14.230MHzに変更
02134000 01: 周波数を21.340MHzに変更
02868000 01: 周波数を28.680MHzに変更
00000000 07: モードをLSBに変更
01000000 07: モードをUSBに変更
(2020-12-06 記)