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ICB-87Rをフルパワーで使うのはもったいない (2020/12/24 20:32:00)
先日、再びICB-87Rを技適化する機会を頂き、今年最後ギリギリで適合証明をもらう事が出来ました。技適取得した機種のお話はまた後日に書きますが、今日はそんな87Rのお話です。
■出せば出るけど
書くかどうか迷いましたが、書いちゃいます。87Rって調整だけで送信出力は750mWくらいコンスタントに出ちゃいます。無論、「そんな事をしちゃ駄目じゃん」ってのは愚問なので放おっておきます。
ハンディー機はポーダブル機と比較し飛ばすのが難しいのはご承知の通りです。more powerrrrとしたい気持ちはわかりますが、調整して出力を稼ぐと実は損なのです。
■回路余裕度
難しい話は書くのも面倒なので(笑)簡単に表現してみたいと思います。
まず、下記の波形はある個体でキャリア出力を700mWちょっとに調整したものになります。
これに、変調信号を加えます。大好きな100%を超える過変調状態です(爆)
するとどうでしょう、マーカーが示しているのがキャリアになるのですが、590mWまで下がってしまいました。
いわゆるマイナス変調ってやつです。マイナス変調がしょぼいのは皆さんご存知の通りです。
これは単純に回路に使われている部品の出力余裕度が無いため、出力を絞り出そうとすると出しきれず下がってしまうからです。
■実際には
別な記事でまとめようと思いますが、変調信号の出力もだいぶ抑制されてしまいます。(信号電力を数値化するとビックリすると思います)結果として変調が浅くなってしまい、DXには不利になってしまいます。
ただ、「ハンディー機は飛ばない」と言うのが浸透しているので、「繋がらない=飛んでいかないのはハンディー機だから」と思われてしまうところが厄介な話でもあります。
AMを飛ばすと言うのは、一義的にキャリア出力だけで決まるものではありません。「SR-01が飛ぶ」と言うのが、一番わかり易い典型事例だと思います(他にも秘密はありますが)。
ICB-87Rはハンディー機のフラッグシップモデルだと思ってます。フラッグシップならそれに相応しく、紛いのキャリアパワーでは無く、ピークパワーがしっかり出るのが良いのでは無いでしょうか?
という事で、変調にこだわる理由のお話でした。