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<IC-9700ユーザーなど多数が愛用>「超高精度10MHz基準信号発振器」の完成基板を6,500円(送料込み)で頒布中 (2021/1/11 11:30:43)
デジタルモード「FT8」が普及し、430MHz帯や1200MHz帯でもその信号をよく聞くようになった。しかしこれらのバンドでFT8を楽しんでいるハムによると、無線機の電源投入直後や急激な温度変化が生じた場合などに周波数が若干変動し、交信に支障をきたすことがまれにあるという。そんな事態を避けるために役立つ周波数安定アイテムとして、「情報通信技術コンサルタント ICT-Kuwa」のオーナーであるJA4BUA 桒原(くわはら)氏が送料込み6,500円で頒布している「超高精度10MHz基準信号発振器」の完成基板を紹介しよう。
「情報通信技術コンサルタント ICT-Kuwa」の桒原氏は、2018年に4月に中古のOCXO(オーブン制御水晶発振器)をeBayで入手、10MHzの基準信号入力端子がある無線機の周波数精度を向上させるための「基準信号発生器」の基板を試作に着手した。
試行錯誤を重ねた結果、基準電圧発生ICを使ったことで電源ONから2分程度で10.000000MHzで安定し、周波数の微調整をすることで精度0.002ppm(1GHzで誤差は2Hz)程度まで追い込める基板を完成。3個の10MHz出力端子を装備し、そのうち1つはCMOSgate直接出力、あと2つは国産トランシーバーに合わせて約50Ω/-10dBmの出力にした「完成基板」と、「標準添付ケーブル1本(RG174、無線機と接続するSMA-maleまたはBNC-maleいずれかのプラグを選べる)」がついたものを6,500円(送料込み)で頒布を始めた (頒布基板は作成時0.002ppm以内に調整済み) 。
購入者は、この基板を金属ケースなどに組み込んだ上で、付属のプラグ付き同軸ケーブルで無線機の背面にある「10MHz基準信号入力端子」と接続。電源(DC5V:スマートフォン用のACアダプタが使える)を供給するだけで使えるという(無線機のセットモードで、外部基準周波数への同期設定をONにする必要がある)。周波数安定のため、無線機内部への基板組み込みは絶対避けるとともに、温度が急激に変化しない環境での使用が必須だ。
桒原氏によると、この完成基板は当初、SDRトランシーバー「SunSDR2pro」のユーザーからの申し込みが多かったが、最近は「IC-9700」「IC-7610」「TS-890」といった10MHz基準信号入力端子を持つ国産機のユーザーからの申し込みが増え、これまでの頒布総数は160台を超えたという。特に144/430/1200MHz帯のオールモード機として人気のIC-9700(周波数安定度は「±0.5ppm以内 (-10℃~+60℃)」が定格)のユーザーからは、「1.2GHzのFT8で周波数ドリフトなしになった」という喜びのメールが多数届いている。また「FT8以外にCWでも受信Toneの変化が全くなくなった」という報告もあったという。
なお桒原氏は「この基板がいくら安定していても、トランシーバー内が急激な温度変化をした場合にPLLが追従できないことがあるようです。IC-9700でこの基板を使っている友人の話では“トランシーバー裏にファンを増設して低速で常時回転にすると解決する”そうです」と注意を述べている。
超高精度10MHz基準信号発振器の開発経緯や性能、完成基板の頒布方法などの詳細は、下記関連リンクの「情報通信技術コンサルタント ICT-Kuwa」Webサイトを参照のこと。
●関連リンク:
・超高精度10MHz基準信号発振器の制作(情報通信技術コンサルタント ICT-Kuwa)
・情報技術コンサルタント ICT-Kuwa サイトマップ
・IC-9700に新機能が追加「基準周波数調整機能に外部同期」(月刊FB NEWS
2019年6月号)