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ダミーロードの修理と特性比較 (2021/2/2 14:11:25)
以前、5Wの中華製ダミーロードに間違えて50Wを加えてしまって破壊してしまっていました。
50Wのダミーロードもあるのですが、手軽に使うには大きすぎでした。
壊れてしまった5Wのヒートシンクだけでも使えないかと思案しておりましたが、コネクタを取り外す方法がわかりませんでした。
ねじ込みなのか、圧入なのか、接着なのか、わかれば対応法もあるだろうと思ってはみたもののわからずじまいでそのままになっておりました。
先日、お世話になっているOMさんが、同じような構造の通過型のアッテネータを過大入力で焼損したようだとのことをツイッターで報告されており、ばらし方わかりませんかとお尋ねしたら、すぐにトライしていただきねじ込み型であることが判明しました。
それではと、改めて見てみると当局保有のダミーロードには回すための掴みしろがありませんでした。
結局、どうせコネクタ部分は壊すのだからとドリルで穴をあけ、回すためのひっかけを作って回してヒートシンクから外すことができました。
コネクタの外側はどのようにはめ込んでいるのかわかりませんでしたが、これもドリルで数個の穴をあけて周りを切り取って無理やり外しました。
破損したダミーロードチップです。よく見ると薄くはがれていました。断線でした。
コネクタは、N型から当局が標準で使っているBNC型に変えました。
どういうつけ方にするか悩みましたが、もともとのベースをやすり掛けし、接合面を平らにしてBNCの各座と半田付けで結合しました。
取り替えたダミーロードは、おそらく数十年前に秋月で300円で2個購入していたものです。1個は終端型のパワー計に使って、残っていた1個です。
さらに各座のネジ穴と、ヒートシンクをネジでとも締めしようかとも思いましたが、結果としてやらなくても大丈夫だろうとそのままにしてあります。
お陰で、コンパクトで使い勝手のよさそうなダミーロードが復元できました。
使えるようになると、どのくらいの周波数まで使えるのか気になりましたので、図ってみることにしました。リターンロスブリッジを使っての測定です。
どうせ測るならと、手持ちのダミーロードをすべて測ってみました。
1) 今回改造した5Wダミーロード
2) 中華製50Wダミーロード
3) 市販50Ω1Wと称するBNC型ダミーロード
4) 昔、LANの終端に使われていたと思われる1Wダミーロード
5) おそらく1200MHHzハンドブックか何かに乗っていた自作QRPダミーロード
6) 酸金150Ω抵抗を並列接続したダミーロード(ひげアンテナ)
の6種類です。以下結果を写真で示します。
1) 今回改造した5Wダミーロード
2) 中華製50Wダミーロード
3) 市販50Ω1Wと称するBNC型ダミーロード
4) 昔、LANの終端に使われていたと思われる1Wダミーロード
5) おそらく1200MHHzハンドブックか何かに乗っていた自作QRPダミーロード
6) 酸金150Ω抵抗を並列接続したダミーロード(ひげアンテナ)
測定に使った基準ダミーロードはHP製の高級品ですが、リターンロスブリッジは、中華製の安いものです。
従って、測定値そのものの精度の信頼度は高くありませんが、比較という点においては十分参考になる結果だと思います。
リターンロスが20dBでVSWRは1.222ですので、この辺りが使える範囲かなと思い見てみると、LAN用終端と酸金抵抗ダミーロード以外は、430MHzまでは使えそうです。
中華製の50Wは3GHzまで使えることになっていますが、測定系の問題もあり判断が難しいですが、今回の測定範囲は1.5GHzまでとしましたので1.2GHzでも使えることになります。
1200MHzハンドブックか何かで作ったQRPダミーロードもうねりはありますが、1.2GHzでも20dBを確保しており使えるものかと思いました。(昔、スミスチャート表示するインピーダンスアナライザで測定したときはもっといい値だったと記憶しています)
酸金ダミーロードは、144MHあたりまでが実用範囲かと思います。
ついでに、自作アンテナアナライザーの校正用に作った、100Ωと150Ωのダミーロードの特性を図ってみました。
100Ω
150Ω
それぞれ、はぼ10dB、6dBとなっており、周波数特性もフラットで思いの外使えるものになっているなと改めて感じました。BNCコネクタで最短で対称形にチップ抵抗を配置した構造が功を奏しているのかなと思いました。
以上、備忘録としてまとめてみました。
execution time : 0.029 sec