無線ブログ集
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ラジオ少年の中波ループアンテナ (2021/2/13 17:40:03)
NPOラジオ少年の通販が再開したことを知り、気になっていた中波ループアンテナキットを購入しました。ループアンテナとしては小型で、これをコイル代わりにしてゲルマラジオにしたら面白いものができるのでは?と以前から考えを巡らせていたのです。数年ぶりのゲルマラジオ作り。
台座裏面
キットには十字に組むための板材、台座、バリコン、ダイヤル、線材、ターミナル端子、木ネジ、ゴム足シールなどの一式と簡単な組み立てプリントが入っていました。台座は内部が空洞のボックス状になっているのかと想像していたのですが、一枚の厚板でできており部品を装着する部分のみくり抜かれた構造になっていました。空洞ならトランスの配置や裏面配線が楽かな、と考えていたので、これは想定外。彫刻刀でくり抜き部分を広げ、空間を確保。トランスとダイオードの配置を決め、穴あけ加工をおこなった後、黒の塗装を施しました(スプレーしただけ)。
続いてコイル部。切れ込みのある板材を十字に組み、付属のビニール線を巻いていきます。板幅4.5cm、溝が付いており「3分割巻き」となります。説明では8回、7回、6回、計21回巻くことになっていますが、溝に納まりきらず7回、6回、5回の18回巻きとなりました。巻き終わってインダクタンスを測ったところ209μH。我が家の環境では下の周波数に放送局はないのでこれで良し、としました。コイル巻きは、巻き始めと巻き終わりの処理が勘所です。このキットは穴に通して固定できるようになっており、線材自体も緩みにくく、良くできていると思いました。
コイル巻きが終わったらあとはゲルマラジオ部の配置と配線をするのみ。オーディオイヤフォンを鳴らしたいのでキットと一緒に購入したトランスT-725を使いました。8Ω~100kΩで音量、音質が選べます。いろいろ試してみて、このトランスが今のところベストと思います。ダイオードはaitendoの1N270。型番は同じでもあまり国内で流通していないタイプです。aitendoでも今は取り扱いなく、別タイプの1N270に変わっているようです。配線後、支柱板にコイル部をねじ止めして完成。
さっそく室内にてオーディオイヤフォンで聴いてみました。NHK第一がうるさいほど入感、第二もほどよい音量で聞こえてきました。東北放送は窓辺でポイントを探り、方角を合わせてなんとか聞き取れる程度。それぞれ信号のピークが鋭く、分離の良さはなかなかのものと思いました。外部アンテナ、アースなし、無電源でこれだけ聞こえれば御の字です。
ゲルマラジオとして作りましたが、当然ながらループアンテナとしても使えます。ID-51で試してみました。アンテナを外した状態ではNHK第一ですらほとんど受信できません。ループアンテナに載せてバリコンを回すと一気に信号が59に上がります。別世界。ターミナル端子からつなぐこともできますが、ループに近づけて同調を取るだけで十分なようです。
久しぶりの工作。スケッチ通りにいかずてこずった所も多々あったものの、楽しめました。このキットの良いところは、始めからゲルマラジオとして作り込むのにちょうど良い大きさと形状で、構造的に丈夫なところかと思います。性能もまずまず。線材にリッツ線を使うとか鉱石検波を取り入れても良いかも? 無電源ラジオ作りにあらためて興味が涌いてきました。
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