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IC-7300, IC-9700の新ファームウェア (2021/2/28 16:31:02)
2021年2月26日にアイコムから公開されました。
(アイコムの回し者ではないですが・・笑)すばらしいアップデートです。
IC-7300 ファームウェア Version 1.40
https://www.icom.co.jp/support/drivers/6184/
くわしい説明文書
https://www.icom.co.jp/support/manual/6181/
IC-9700 ファームウェア Version 1.30
https://www.icom.co.jp/support/drivers/6185/
くわしい説明文書
https://www.icom.co.jp/support/manual/2680/
ファームアップの方法
詳細は取説を。
(1) ファームのファイルをダウンロード→解凍し、SDカードのここにコピー。
(2) IC-7300にSDカードを挿入。MENU→SET→SDカード→ファームアップ。あとは順番に。 下記の画面で「はい」を約1秒押し続ける のが肝。
以下、私が特にいいなと思った機能をご紹介します。
スコープ機能のスクロールモード追加
スコープを表示させて「CENT/FIX」を長押しするとスクロールモードになります。ダイヤルをくるくるして受信周波数を示すマーカーが画面の外に外れると、自動的に次の周波数帯に切り替わります。これは便利!
短波放送帯でもバンドスコープが表示されるようになったので、BCLにとっても格段に便利になりました。久しぶりに短波ラジオを聞いてみようかな。
また、今までのIC-9700のバンドスコープは、430MHzのFM帯を全部はカバーできなかったのですが、スクロールモードにすれば、432.50以下、433.50以上にQSYすると画面が自動的に切り替わります。コンテストで威力を発揮しそうです。
1.8/1.9MHz、3.5/3.8MHz、7MHz帯のオフバンド送信防止
ダイヤルを回してアマチュアバンドを外れると「ブッ」という音がします。これ、「バンドエッジビープ」という機能なんですね。
今までは、こんな↓ざっくりとしたバンド設定だったので、細切れの1.8/1.9MHz、3.5/3.8MHz帯では、バンドエッジで「プッ」が鳴らないだけでなく、実はオフバンド送信もできてしまっていました・・・。
今後は、このように↓「ユーザーバンドエッジ」の設定が細かくなるということで、これはありがたい・・と思ったのですが・・・
・・・つまづきました。うちのIC-7300では、「ユーザーバンドエッジ」のメニューが見当たりません。。。さんざん探し回ってやっと原因がわかりました。
「バンドエッジビープ」の設定は以下の4種類があるのですが、「ユーザーバンドエッジ」のメニューは、下の2つ、「ON(ユーザー設定)」または「ON(ユーザー設定)&送信制限」にしないと表示されないようなのです。
今回のファームアップで、下記のとおり、「バンドエッジビープ」のデフォルトが「ON(ユーザー設定)&送信制限」に変更されたのですが・・・
私は、ファームアップしたのちに、SDカードに保存していたファームアップ前の設定をロードしてしまったため、バンドエッジビープの設定が、旧デフォルトの「ON」に戻ってしまっていたというわけです。
バンドエッジビープの設定を「ON(ユーザー設定)&送信制限」に変更したところ、無事、「ユーザーバンドエッジ」のメニューが表示されました。
そして、以下の手順で、バンドエッジの設定を初期化(新ファームのデフォルトに初期化)することで、作業完了です。
プリセットメモリー機能
「FT8が簡単に」みたいな宣伝をされているのでイメージがつかみにくいのですが、要は、以下の設定項目群を一括して記憶し、一括で切り替えられるメモリー機能が用意されたというものです。
となると、デフォルトで用意された「通常」と「FT8」では、それぞれどんな数値が設定されているのかが気になります。IC-7300の実機で確認しました。
プリセットネーム | 通常 | FT8 |
モード | SSB | USB-D |
フィルター | FIL2 | FIL1 |
フィルターBW | 2.4k | 3.6k |
フィルタータイプ(HF) | SOFT | SOFT |
フィルタータイプ(50M-) | SOFT | SOFT |
ACC/USB出力選択 | AF | AF |
ACC/USB AF出力レベル | 50% | 50% |
ACC/USB AFスケルチ | OFF(オープン) | OFF(オープン) |
ACC/USB IF出力レベル | 50% | — |
USB変調入力レベル | 50% | 50% |
変調入力(DATA ON) | ACC | USB |
SSB-D 送信帯域幅 | 300-2700 | 100-2900 |
変調入力(DATA OFF) | MIC,ACC | — |
COMP | OFF | — |
SSB TBW | WIDE | — |
SSB 送信帯域幅 | 100-2900 | |
USB SEND | OFF | — |
USB キーイング(CW) | OFF | — |
USB キーイング(RTTY) | OFF | — |
USB接続時入力禁止時間 | ON | — |
CI-Vボーレート | オート | — |
CI-Vアドレス | 94h | 94h |
CI-Vトランシーブ | ON | — |
USB端子機能(シリアル) | CI-V | CI-V |
CI-V USBポート | [REMOTE]から切断 | [REMOTE]から切断 |
CI-V USBボーレート | オート | オート |
CI-V USBエコーバック | OFF | OFF |
「—」となっている項目は、左側のチェックボックスにチェックが入っていませんでした。おそらく、プリセットを適用しても、その項目はプリセット適用前のまま変更しない、という意味と思われます。
IC-7300でFT8等のデジタルモードを運用するときにおそらく最もつまづくポイントは、SSB-Dモードにしたときに、PCからUSBケーブルを経由して送られてくる信号で変調がかかるように、「変調入力(DATA ON)」の項目を「ACC」から「USB」に変更しなければならない点だと思います(参照→ 月刊FB NEWS「テクニカルコーナー IC-7300でFT8モードを運用する」 )。この点も含め、一発で設定できるようになったのは、進歩だと思います。