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WVU-1103 CBハンディ機の設計メモ⑤受信ミキサ (2021/3/18 2:47:34)
おはようございます。
本日は、受信ミキサです。WVU1102では、定番のSA602を使っていました。定番ICなのですが、以下のような問題があり、量産頒布に踏み切れなかった理由となっていました。
①SA602は電圧の規格が4V以上に対して、リチウム電池3.7Vと無理やり使っていた。そのため電圧が下がるとゲインの低下が大きかった。
②RF入力側への局発の漏れが大きい。Si5352の高調波レベルが高いことも加えて、受信状態における副次的発射レベルのスペックをクリアするために、基板対策に時間がかかった。
そこで、ずっと低電圧で使えるミキサを探していたのですが、今回NJM2288をテストして使えそうなので変更することにしました。
<回路>
回路は、データシートのものを使っています。入出力のインピーダンスは820Ωとなりますが、変換利得9㏈、2Vでの動作は魅力的です。局発レベルも-15dBmと低く、RF入力ポートへの漏れが-40dBと低いらしいので即実験しました。
懸念点としては、IP3レベルはそんなに高くないことと周波数レンジがUHF用なのでHFだとどのようになるか確認が必要となります。
FEATURES Wide Operating Voltage 2V to 5.5V
Conversion Gain 9dB @V+=2.2V, 429MHz input
Input Frequency 300MHz to Up to 500MHz (recommended range)
Third - Order Intercept Point --12dBm @V+=2.2V, 429MHz input
Local Input Resistance 9.1kΩ
<変換利得とIMD測定結果>
いつものように2信号発生器を使って測定しました。入力インピーダンスはミスマッチ状態なので変換利得が、-1dB程度とデータシートより10dB程度下がっています。
OIP3は、データシートとほぼ同じデータとなりました。
-13dBmと通常のミキサに比べて低いです。
相互変調による妨害波ある程度受けるかも知れませんが、CBのチャンネルは中波ラジオのように等間隔ではないので、あまり気にしなくてもよいかもしれません。
<LO→RF入力ポートへの漏れ>
これまで使っていたSA602と比較してみました。実験用シャーシにNJM2288(ディスプレイの下)、SA602(一番下のボード)
結果は以下のようにかなり漏れが少ないことが分かりました。
ここでは、局発にSi5351の出力フィルタなしで入れてます。
かなり高調波が出ている状態で0-1GHzの漏れを見てみました。
局発周波数での漏れは低かったのですが、高調波の周波数に対する漏れの低減量は期待ほどではなく、そこそこ漏れています。それでも-77dBmが最高レベルなので、これまでより20㏈近くマージンがとれそうです。
さらに受信アンプも入りますので、基板で変な高調波を拾わなければ大丈夫と思います。
RF入力ポートでのスペアナ画像です。上がNJM2288、下がSA602となります。
左がLO周波数(27MHz+10.7MHz)、右が0-1GHzです。
本日は、受信ミキサです。WVU1102では、定番のSA602を使っていました。定番ICなのですが、以下のような問題があり、量産頒布に踏み切れなかった理由となっていました。
①SA602は電圧の規格が4V以上に対して、リチウム電池3.7Vと無理やり使っていた。そのため電圧が下がるとゲインの低下が大きかった。
②RF入力側への局発の漏れが大きい。Si5352の高調波レベルが高いことも加えて、受信状態における副次的発射レベルのスペックをクリアするために、基板対策に時間がかかった。
そこで、ずっと低電圧で使えるミキサを探していたのですが、今回NJM2288をテストして使えそうなので変更することにしました。
<回路>
回路は、データシートのものを使っています。入出力のインピーダンスは820Ωとなりますが、変換利得9㏈、2Vでの動作は魅力的です。局発レベルも-15dBmと低く、RF入力ポートへの漏れが-40dBと低いらしいので即実験しました。
懸念点としては、IP3レベルはそんなに高くないことと周波数レンジがUHF用なのでHFだとどのようになるか確認が必要となります。
FEATURES Wide Operating Voltage 2V to 5.5V
Conversion Gain 9dB @V+=2.2V, 429MHz input
Input Frequency 300MHz to Up to 500MHz (recommended range)
Third - Order Intercept Point --12dBm @V+=2.2V, 429MHz input
Local Input Resistance 9.1kΩ
<変換利得とIMD測定結果>
いつものように2信号発生器を使って測定しました。入力インピーダンスはミスマッチ状態なので変換利得が、-1dB程度とデータシートより10dB程度下がっています。
OIP3は、データシートとほぼ同じデータとなりました。
-13dBmと通常のミキサに比べて低いです。
相互変調による妨害波ある程度受けるかも知れませんが、CBのチャンネルは中波ラジオのように等間隔ではないので、あまり気にしなくてもよいかもしれません。
<LO→RF入力ポートへの漏れ>
これまで使っていたSA602と比較してみました。実験用シャーシにNJM2288(ディスプレイの下)、SA602(一番下のボード)
結果は以下のようにかなり漏れが少ないことが分かりました。
ここでは、局発にSi5351の出力フィルタなしで入れてます。
かなり高調波が出ている状態で0-1GHzの漏れを見てみました。
局発周波数での漏れは低かったのですが、高調波の周波数に対する漏れの低減量は期待ほどではなく、そこそこ漏れています。それでも-77dBmが最高レベルなので、これまでより20㏈近くマージンがとれそうです。
さらに受信アンプも入りますので、基板で変な高調波を拾わなければ大丈夫と思います。
RF入力ポートでのスペアナ画像です。上がNJM2288、下がSA602となります。
左がLO周波数(27MHz+10.7MHz)、右が0-1GHzです。
execution time : 0.016 sec