無線ブログ集
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新スプリアス規格実施の延期案と今後の市民ラジオ (2021/4/4 17:28:14)
ここのところ土日構わず、ず~っと忙しくなってしまいました。あまり「忙しい忙しい」と言うとやれる事もやれなくなってしまうので言いたくは無いのですが、自分のポテンシャル不足が露骨に感じられる今日このごろです。
さて、そんな中でも気にかけているのが、総務省がパブリックコメント募集をかけた「新スプリアス規格実施の移行期限延期案」。私にとってはアマチュア無線を始め、ライセンスフリー無線にも関わる重要案件です。
そんな話を、今日も下調べをせずに、いい加減な事を綴って見ようと思います。
■改正案の概要
改めて書く必要もありませんが、概要は下記の通りです。
・改定背景
新型コロナウイルス感染症による社会経済への影響等により、新スプリアス規格への移行に遅れが生じることを懸念。
・対象
旧スプリアス規格で免許を受けている無線設備
・概要
使用期限(経過措置)を、現行の「令和4年11月30日まで」から「当分の間」と改める。
新スプリアス規格に移行していない無線局は「令和4年12月1日以降、他の無線局の運用に妨害を与えない場合に限り使用することが可能」。
とする2点です。
対象となるのは、アマチュア無線はもちろん、特定無線設備の技術基準適合証明を受けた市民ラジオや特小機も該当する内容です。
■これをどう読むか?
なんでもコロナのせいにするのもちょっとなぁですし、個人的な勘ぐりでは、「現時点でも移行自体に課題があって、コロナ感染症拡大が無かったとしても何かを理由に完全移行を延ばすつもりだったのでは?」とも思わなくも無いです。
そんな勝手な思い込みを前提に考えると、
・「当分の間、その効力を有する」・・・当分の間というと、次の改定の時期までを意味し、そうそう法律は改定するものでは無い慣例を踏まえると、相当な期間は改定されないと予想される。
・携帯電話端末の包括免許を除いた無線局の内、8割方は新スプリアスに入れ替わった・・・新しく作る無線機は全て新スプリアス規定であり、輸出に関わる無線機は問題が無いはず(=国際的枠組みの仁義的な所は守れている)、そして、国内に残存している無線機8割は入れ替わり、残存しているのも新スプリアス規格に切り替わってから相当の年数が経っているため、順次壊れ、残存数は確実に年々減っていく、そして残存しているものも実害なければもう良いでしょう、と言う「大体OK理論」の適用とも捉えられる。
って言う所でしょうか?
■今後の市民ラジオはどうするか?
古いリグを”使い続けなければならない”ものとして特異なのが市民ラジオかと思います。これをどうするかについては最大の関心事項ではありますが、私なりの結論は割と単純です。
「現状のリグに不満がなければ、新技適を取得せずにそのまま使い続ける」
「要修理、若しくは現状の性能に不満がある、追加機能が欲しいのであれば、新技適を取得し直す」
です。
■その他、個人的な思い
別に総務省に対し不満があるわけでもありませんし、アマチュア無線も含め新スプリアスへの対応してきたこと自体が無駄だったとは、これっぽっちも思いません。自動車の法規制等でもそうですが、法律が改定されるから新たな技術が生まれるわけで、今回のスプリアス対応についても個人的には大変良い機会だったと思ってます。
多分総務省はパブコメを募集しておきながら、落とし所はいつもと同じで改定案で突っ走るはずです。ですが、今回の改定で市民ラジオを工夫しながら使い続ける方が逆に増えてくれるきっかけになれば面白いなと思います。