無線ブログ集
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電波の世界のアンテナは、音の世界の音叉 (2021/4/5 0:00:00)
電波は波、音波も波、水面の波も波。
あらゆる面で共通しています。
アンテナはまさしく音叉です。音叉って、自分が叩かなくても共振すると勝手に鳴り出す。あの金属棒の太さ、長さで共振する音程が変わるわけです。
アンテナが同調していると共振した高周波を電気に変えて受信できる。アンテナの長さで共振する周波数が変わる。同じですね。
音叉って金属棒が2本ですよね。あれ、ダイポールアンテナに似てませんか。
波の乗り方が同じかどうかはわからないけど、2本の棒がいい感じに共振して箱から音を出すわけです。
アンテナが共振して定在波が立つのは1/2波長。電気は超高速だけど、電線の先端まで瞬時とは言え、ちゃんと時間をかけて到達し、先端で跳ね返って戻ってくる、という波が発生しています。海の波も細い水路に入っていくと一番奥でぶつかって戻ってきますよね。それと同じようなことが電線でも起きています。
で、いい感じに入ってきた波と戻る波が重なって大きくなる相性のいい水路の長さがあるわけ。
1/2波長がその長さなわけです。
ダイポールは中央で給電しているけど、1/4波長2本で音叉みたいに鳴っているのかな(かどうかはわからないけど)。
ダイポールは左右対称だし、全体で1/2波長になっているから、確実に効率よく共振します。
1/4波長のホイップ、バーチカルはどうかというと、残り1/4波長に相当する部分が見当たりません。
でも無いようであるんです。
それがアース。鏡面効果という不思議な効果で、1/4波長のアンテナが鏡に映っているよう、そこにあるかのように動作して、共振するわけです。
アースという長さの概念の無いものと対になって1/2波長になる。
この鏡面効果、実際にエレメントが対象に存在するダイポールに近づくことはあっても超えることは無いでしょう。所詮鏡ですから本物にはかなわない。
しかもその鏡が濁っていたり抵抗が大きかったりすると鏡面効果が十分に発揮できないわけです。
このようにアース頼りの1/4波長のアンテナは、そもそも不安定要素の上で成り立っているので、いかにアース側を鏡に化けさせるかが勝負なわけです。
素直にダイポール張ってみる、というのもおすすめです。きっと勉強になります。(とりあえずならバラン要りませんよ)
アンテナの調整にお困りの方、ヒントになれば幸いです。