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feed IC-351 マイクアンプ、レピータートーン実装 (2021/5/6 14:34:44)
IC-351 マイクアンプ、レピータートーン実装のためお預かりしました。

この時代、ICOMの無線機にはアンプ内蔵の専用マイクが付属していました。

普通のマイクを使うと、ゲインが不足して変調が小さくなってしまい、これには苦労している方があるのではないでしょうか。

知らないと無線機が壊れていると思ってしまいますよね。

IMGP1691

FCZの寺子屋シーリーズ、マイクコンプレッサキット。

オーナー様が、これを取り付けて欲しいとのことです。

IMGP1709

このアンプがそのまま付くほど簡単ではありませんでした。

ICOMのマイク端子のプラスには直流が畳み込まれていますので、これを分離することから始めなくてはなりません。

キットの説明書には回路図がありましたが、コンデンサーで直流をカットしてしまえば良いです。
しかし、出力ゲインのマッチングにはデビエーションに影響を及ぼします。

取付はやめました。

IMGP1710

ICOM純正、アンプ付きマイクの回路図。

マイク(+)、マイク(−)の2本しか無いのがわかるでしょうか。

トランジスタを動作させる電源は、マイク+に直流として一緒に畳み込まれています。

010a011a

作るしかないでしょう。


IMGP1711

アンプ部分だけを作成したものです。

本来なら、おにぎりマイクの中に仕込むものです。

IMGP1712


IMGP1713

アンプは無線機の内部に組み込みました。

ダイナミックマイクであれば、これならいろいろなマイクが使えますね。

純正アンプなので、デビエーションの広がりも心配ありません。

なかなかの音質です。

IMGP1714

IC-351はトーン発生器がオプションとなっており、そのままではレピーターにアクセスすることが出来ません。

オーナー様が「YAESU」用のトーン発生器を付けて欲しいとのことです。

ICOMにYAESU用?と思うでしょうが、88.5Hzのトーンさえ発生できれば良いのです。

問題は、どういう仕様になっているのかわからないことです。 
動作電圧はどうか、端子はどうなっているかなど、資料は探してもありません。

YAESU FTE-1

IMGP1693

参考としたのは、FTE-1を実装する無線機 YAESU FT-730です。


Screenshot-2

FT-730の回路図です。

トーン発生器のVCCの行く先をたどってゆくと、

Screenshot

行く先は、8VのレギュレータICとなっており、動作電圧は8Vであることが判明しました。


Screenshot-1

端子から配線を引き出すためにコネクターを取付けます。


IMGP1692

電源(+)8V、GND(−)、トーン信号OUT を引き出しました。


IMGP1694

電圧は3,3Vから動作しました。


IMGP1696

電圧を徐々に上げてゆき、9Vでも大丈夫でした。


IMGP1703

発生するトーンは88,5Hzの1波で、綺麗なサイン波です。

発生までは成功ですね、これを実装するにはどうしましょう。。。

IMGP1698

IC-351の回路図。

トーンユニットからの出力信号を追ってゆくと、

Screenshot-3


Screenshot-4

その先はMIC GAINとなっています。


Screenshot-5

トーン信号はマイクロホンの信号と合わさり、アンプICのJRC4558Dに入ります。


Screenshot-6

JRC4558D


IMGP1707

FTE-1のトーン信号はMIC GAINに配線しました。


IMGP1715

トーン出力の調整です。

大き過ぎるとクリップしてしまいます。

JRC4558Dの出力波形

IMGP1718

クリップしないように調整します。


IMGP1722

問題が発生しました。

トーン周波数の88,5Hzは人間の耳にはほとんど聞こえませんが、音としては出ているため、常時電源が入ってトーンが出放しだとSSBのときにもキャリアが出てしまいます。

レピーターアクセスの時だけ電源を入れて、その他の時は切らなければいけません。

スイッチを増設しようと思いましたが、FMの時だけ9Vが出る端子がありました。
これなら、SSBでキャリアが出ることはありません。

Screenshot-7

FTE-1の電源線をFM9のコネクタに配線しました。


IMGP1724

結果はSSBの時にはトーンが出ません。


IMGP1726


IMGP1727

FMに切替えるとトーンがでるようになります。


IMGP1725

トーン周波数88,5Hz

1,55〜2V に調整しました。

レピーターへのアクセスも良好です。

IMGP1723

トーンデビエーションは500Hzです。


IMGP1728

フレームに取付けました。

ICOMの中でYAESUが動作しているのも面白いですね。

IMGP1716

受信プリアンプが取り付けられています。


IMGP1700

トランジスターの足が浮かされています。

ハンダ付けしてみましたが、残念ながら動作しませんでした。

IMGP1701

プリアンプとしては全く変化無しです。


IMGP1699

ガリ・ヒソ半導体がNGかと思います。

信号ロスになるため取り外しました。

IMGP1702

Sメーター照明をLED化しました。


IMGP1729

点灯確認。


IMGP1738

パネルアクリルガラスの曇り清掃しました。


IMGP1735

周波数調整。


IMGP1731

出力 20W


IMGP1730

スプリアス良好。


IMGP1732

受信感度。

ー122.0dBm (SINAD)

IMGP1733

デザインの良い無線機です。

シャックに置かれているだけで、オブジェとしてもサマになりますね。

IMGP1736

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