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CBに使える汎用型ノイズキャンセラーの基礎実験 その2 (2021/5/6 20:35:00)
■やっぱりそう簡単にはいかない
連休直前から始めた「汎用型ノイズキャンセラ」の開発。発想はもちろん”しずおかDD3局”のリグです。過去アマチュア無線ではバラック状態のものを作って実験したことがありますが、それっきり。
原理的には昔から存在しており、逆位相の波源を発し、それで打ち消し合うもので、それこそオーディオや車の静粛性を向上させるために使われている汎用技術です。
ただ、RFは音と異なり偏波面によりアンテナで受けたときのレベルが異なります。また、特にアマチュア無線と異なり主要波を受ける”メインアンテナ”とノイズを受ける”ノイズアンテナ”が近くに置かざる得ないため、ノイズを消そうとすると肝心な信号波まで消えてしまうと言う、CBならではの課題があります。
更に単純に位相だけいじれば良い訳では無いので、これまたスコンとノイズが消えるわけでも無いのが、このキャンセラの難しい所でもあります。
実際に、メインアンテナとノイズアンテナを近傍にすれば、アンテナ間の位相ズレは殆ど起きないと考え、完璧な(笑)逆位相アンプを作って試してみたものの、これまた上手くいかなかったのです。
■ガリガリ回す
超完璧なまでに逆位相となる回路にしてみたのですが、上手くいかなかったので、諦めてガッツリ(位相が)回る位相調整回路を追加しました。
正直、この時点でコンセプトから外れ始めました。
このキャンセラのコンセプトは「とにかく難しくしない」です。位相やゲイン、各アンテナを細かく調整しなければならないのを排除し、小林製薬の消臭源ばりに「リグ近くに置くだけ」を目指したのですが、早くも脱落です。
まぁこうなったらガタガタ言わず、基礎実験として続行です。
で、位相を調整式にしたことで、かなりノイズが落ちる事が分かりました。色々な波源ケースを試して見ましたが、位相回転角はマチマチ。調整式は避けられそうになさそうです。
■ノイズアンテナとリグカップリングアンテナ
やっていてわかったのがもう一つ、ノイズアンテナがかなり肝っぽい事。
アンテナをノイズ源直上に置いたり離してみたりとやっていますが、離れた時はそこそこの利得が必要そうです。
また、指向性も大事なのでループアンテナも試してみました、こちらは完全に利得不足。インピーダンス・マッチングも取らなければならないことから採用は一旦見送りにしました。
で、試したのはコレ。同調調整式の電圧給電アンテナ。FT-818NDに使っていた7MHz~50MHzまで使える自作品です。
これならば、現場での利得調整がロッドアンテナ長で出来る事になります。
もう一つキーなのが、カップリングアンテナ。
リグに内蔵すること無く、色んなリグと組み合わせて使える様にするために、非接触で逆位相のノイズをリグへ注入するためのアンテナです。
現時点では、IC-R30の付属アンテナを使っていますが、リグとの結合があまり良くないみたいです。リグのアンテナとノイズアンテナのS21を測ってみれば一発ですが、相当”疎”なのは確かです。
もっと小型で結合係数の高いアンテナを考えないといけませんが、こちらも同調型にすることで改善出来ると思います。後は、電界にするか磁界にするか・・・。
■あと少し
秋葉原に行けなくなって、もうどれくらい経つでしょうか?もう何年も行ってない気がします。今日もまた緊急事態宣言が延長になると発表されてしまいました。しばらく秋葉原へ行っていない分、部品の在庫がちらほらと底を付き始めました。ここから先、完成まではすぐではあるのですが、微妙に部品が足りなかったり、ケースが無かったり、コネクタがなかったりと、そんな理由でちゃんとした形になるまでは もう少しかかってしまいそうなのでした。