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真空管トランシーバー FT-401D リペアその1 (2021/4/11 22:37:48)
ここ1年程も電源を入れていなかった為か、受信感度も悪くなり、しかも送信出力も数+mW程度と思われるぐらいの故障状態のyaesuのFT-401Dのトランシーバーをリペアすることにしました。以前も電源SWを入れるとヒューズが飛ぶという故障を修理してますが、2回めのリペアです。取扱説明書と回路図もネットで2種類ほとダウンロードしてあります。回路図は肝心のFT-401Dではありませんが、2つの機種(FT−400とFTDX401)でほぼFT-401Dの回路図用として参考にできます。
また、修理情報として、下記のWEBページを参考にしました。だいぶ前になりますが、14MHzでQSOしたことのある局長の修理記録です。(このFT-401Dのノイズブランカを壊したときに、ちょうどQSOで対処方法等を教えて頂いたJA6BLV
OM局長の修理記録)
最初は受信感度の悪くなったのはなぜかを探るのですが、基本は信号系の注入のパスコンの容量抜けがほとんどという、ネット情報より、まずIFのアンプとノイズブランカの信号経路を追っかけてゆきます。C378の2pFを通してT203に入るのですが、この容量が抜けている場合も感度が落ち、Sメータの振れも少なくなるという情報より少し大きめの容量に変更するという対策を行います。下記の記録の対策をそっくりそのまま実施してみました。
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15 Sメ-タ-振れ、感度の改善 (成功例)
T203から Xtal Filter へ接続されてる C378 2PF (ノイズブランカ-入力用) のコンデンサ-の容量を大きい 50PF(47PF / 3KV) に変更したら、 Sメ-タ-の振れが、正常に S 9まで振れるようになった。 (コンデンサ-を大きくすればSメ-タ-は、よく振れる ことが判明) ************************************************************************************************
結果は感度もあがり、Sメータの振れも正常になりました。先人の経験情報はとても再現性があり、情報通り、改善することができました。TNX!
OM!
次は送信出力が出ない故障を確認してゆきます。他の無線機での受信とスペアナで送信信号自体はきちんとわかるくらいの出力は出ています。ファイナルの6JS6C、2本がうまく動作していないということは、その前段のRFドライブの12BY7Aを見る必要があります。この12BY7Aの出力をオシロスコープでみても送信にしてもキャリアは出てはいますが微小出力です。12BY7Aソケットの2番端子が第一グリッドでRF信号の入力です。TRANS
2ND MIXの6AH6の5番端子出力用プレートにL5とR39の並列のあとカップリングのC25の100PF
でつながっています。ここにはRF信号が見えています。
まずこのC25の100pFの容量抜けを想定し、昔の真空管ラジオからとった2連バリコンを鰐口で繋ぎ、バリコンの羽根を抜いたところから徐々に入れて容量を増やしてゆくように送信時状態にして確認してみました。このバリコンを使う方法は案外容量抜けのコンデンサを見つけるにはいい方法かと思います。
鰐口をつけた2連バリコンに別の鰐口(黄色)でC25に並列に繋ぎました。
少し鰐口の線が長いのですが、問題ありません。
鰐口クリップの下にあるキャラメルのようなC25にバリコンをつけた状態
ビンゴーです。送信出力は見事に出てきました。V3の6AH6のTRANS 2ND
MIXからV4の12BY7AのDRIVERへのカップリングコンデンサC25の容量抜けてRF信号が途絶えてた事が原因です。早速このマイカコンデンサーの100pFをニッパでカットし、ネットで購入してあった1KV仕様の100pFセラコンに交換しました。(青色が高耐圧の100pFセラコン)
交換後は80m
から10mまでの各バンドの送信の調整を一通り行いました。VFOのダイアル位置を指定の位置に設定し、PRESELEを80mだけ2の位置に、他バンドのPRESELEは5の位置で、対応するバンドのコイル郡を最大となるようにコアを回し調整です。受信と送信とそれぞれ行います。送信調整コイルに近い受信のコイル調整でも送信出力が変化するので、送信と受信の最大が最終的に重なるよう(同じ位置で最大感度、最大出力)に数回繰り返し調整して完了です。取扱説明書に、調整方法が書いてあるので、その通り行います。
80m から10mまで全バンド100W前後調整後出ました。
20m BANDで約92〜93W出ています。
送受信ともにOKとなったので、 まずは受信でFT−401DのSメータ部を録画してみました。
7MHzでの他局のQSO受信です。コンディションは良くないのですが、信号をきちんと受信してSメータも結構良く振れています。数回録画してみました。
①7MHzQSO
② 7MHzQSO
③ 7MHzQSO
送信受信ともにほぼ正常動作するようになりました。
今回のリペアついでに、モードSWのツマミの化粧アルミがとれていたのを、元通りに貼り付け修理しました。また、各ツマミの位置指示部分の塗料剥がれがあるツマミを修復してみることにしました。
修復は百均で購入の修正液を使いました。はみ出し分の修正液拭き取りはエチルアルコールを使いました。たっぷりと修正液を指示部に塗り込みます。あとははみ出し他箇所を拭き取りして完了です。
指示部分の塗料が剥がれたり、なかったりしたツマミです。修復前
モードSW用ツマ(LSB、USB、CW切り替え用)修復前
修正液を使い修繕したモードSW用ツマミ 白色がきれいです。
補修液で修繕完了したツマミ
モードSWのツマミは指示部修繕以外に化粧アルミも貼り付け修繕してあります。
バンドSWも白色指示部の修繕したツマミです。
DRIVEツマミも修繕ツマミです。指示マークが消えてありませんでしたが、つけました。
兼ねて修理をしようと思いなかなかできませんでしたが、今回完全な状態まで修理することができました。次は、真空管トランシーバーのアナログVFOのデジタルVFO化(DDS化)も試してみたいものです。
つづく?
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