無線ブログ集
メイン | 簡易ヘッドライン |
<送信開始80周年、海外向け短波放送の発信源>写真で見る「KDDI八俣送信所」の送信機、アンテナ (2021/5/16 12:05:23)
茨城県古河市にある「KDDI八俣(やまた)送信所」は、NHKが行っている短波による国際放送(NHKワールド・ラジオ日本:Radio Japan)の送信所として知られている。同送信所は2021年に“送信開始80周年”を迎えたことから、記念式典に先駆けて報道各社を対象にした見学ツアーが行われた。hamlife.jpはアマチュア無線メディアで唯一、このツアーに参加。送信機やアンテナなど多数の写真を撮影してきた。
KDDI八俣送信所は、1940(昭和15)年10月に「国際電気通信株式会社(KDTK)八俣送信所」としてこの地に開設。翌1941(昭和16)年1月から50kW送信機で海外向けラジオ放送の送信を開始した。短波の送信所には平坦で広大な土地が必要であるほか、台風被害や雪害が少なく、海から離れて塩害の心配がないといった条件をクリアする必要があり、この場所が好適地として選ばれたという。
終戦後は逓信省や電気通信省の所管施設として対米向け電話回線の運用などを行い、昭和27(1952)年に日本電信電話公社の八俣送信所となり海外向け放送「ラジオ日本(Radio Japan)」の送信を再開。昭和28(1953)年には「国際電信電話株式会社(KDD)八俣送信所」、平成12(2000)年に「KDDI八俣送信所」と組織が変わったが、途絶えることなく世界中に向けた短波放送の送信業務を行ってきた。
また昭和の終わりから平成末期にかけてはカナダ放送協会(CBC)、ラジオ・フランス・インターナショナル(RFI)、英国放送協会(BBC)の中継送信も行っていた。一方で平成20(2008)年からは送信設備の縮小化が始まり、送信機やアンテナの一部撤去も行われた。
現在の敷地面積は約100万平方メートル。東京ドーム22個分(東京ディズニーリゾートとほぼ同じ)という広大な敷地に、カーテンアンテナ15基、水平ログペリアンテナ3基を配置し、300kW送信機5台と100kW送信機2台を備えている。NHKから国際放送の送信業務を受託し、全世界に向けて18言語(日本語、英語含む)で「NHKワールド・ラジオ日本(Radio JAPAN)」の電波を発信している。
今年、KDDI八俣送信所は送信開始80周年を迎え、5月19日(水)には同所で関係者を招いての記念式典が開催される予定だ。これに先だって4月26日に報道各社を対象とした施設見学ツアーが開催された。同送信所は一般公開を行っていないので、全貌を知る上で非常に貴重な機会となった。
次ページからは、この見学ツアーでhamlife.jpが撮影した同送信所の「 管制室 (2ページ目)」「 送信機 (3ページ目)」「 アンテナ (4ページ目)」の写真を紹介していく。
「管制室」の写真は 次ページ 参照!