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【DJ5FSデミオ】インジェクタ EXバルブスプリング交換と ブレーキパッド交換 (2021/5/22 23:58:30)
■DPF再生周期の短期化
基本的に自分ではメンテをせずディーラーでの定期整備のみでどうなるのか?と私にとってはかなり壮大な長期テストをしている我が家のDJデミオ。2018年に”予見性リコール”と言われるちょっと聞き慣れない対策を行ったのですが、やはりインジェクタに付着したデポジットが焼ききれずにDPF再生の周期がかなり短くなってしまいました。
ECUに残っていた再生周期を確認すると
#1:86km、#2:112km、#3:76km、#4:76km、#5:58km、#6:46km、#7:92km、#8:74km、#9:82km、#10:102km
と、かなり短周期になってました。
*予見性リコール対策で過去10回分の履歴が残る様になってます。
ウチの乗り方で、新車の頃は400km程度、AVEでも270-280km程度だった事から、明らかに異常になっています。
この予見性リコールの後に一度再生周期が短くなった事がありました。その時はインジェクタのデポジットを焼き切るモードへ強制的に入れ、それを7-8回ほど繰り返した所で補正値ばらつきをある程度小さくすることが出来ました。
その後しばらく良かったのですが、1年くらい経ったころから再発してしまいました。
EXバルブの噛み込みも そう遠く無い時期になる可能性がある事から、今回は15RASET交換をしてもらうことにしました。
■そもそもなぜ(DPF再生周期の短周期化が)起こるのか?
このクリーンディーゼルエンジン、とにかく苦手なのは低車速での加減速です。
都内渋滞路なんかが良い例ですが、超低圧縮比の小排気量エンジンでは軽負荷時において燃焼温度が上がらずPMが多く発生してしまいます。その結果、インジェクタの噴孔にデポジットが付着し霧化状態が悪化→燃焼状態が悪化→自動噴射量学習が更にズレる→更に燃焼状態が悪化する・・・の悪循環を起こす様です。
▲マツダ技報より。ショートホールの少量多段噴射とし高分散噴霧(=広く短く拡散させ、低PM化する)としたが、逆に仇になったのかもしれない・・・と個人的には思う
ちなみに、DJ5FS以降のインジェクタ噴孔は、デポジット焼失改善の為か、形状変更しています。
■コロナが悪化を加速?
通常デポジットは、高負荷運転をすれば燃焼温度が上がり250℃以上になれば大半は焼失します。しかしながら、このインジェクタの噴孔は凹形状となっている為、先端を250℃以上にするためには筒内温度を1227℃以上にしなければなりません。
じゃあそんな走行条件は?と言うと詳細はあまり書けないのですが、このエンジンの場合は概ね2800-3000rpm以上であれば燃焼室内の温度が高くなり、焼き切る事ができるようです。
また、対策後からのプログラムでは?デポジットの付着堆積を検出し、噴射タイミングを進角させて筒内最高温度を上げる制御が入っていると思われます。
そこまで分かっていながら何故デポジットを溜めたのか?ですが、理由は意外と身近にあると思ってます。
それは新型コロナ感染症による外出自粛。
エンジン負荷がかかる遠出を一切しなくなってしまい、通勤と買い物にしか使わなくなってしまったのが一番の原因かと思ってます。そんな使い方をしていれば、まず2000rpm以下で全然事足りてしまうエンジンですから・・・。
■数値化、その前に
インジェクタとバルブスプリング交換後、数値に惑わされる事の無いよう(笑)、走行ログデータをとる前にテスト走行をしてきました。
はっきりと分かる体感差は無かったのですが、面白いのがディーゼルノックが無くなった事と音が低く太くなった事。燃焼状態がだいぶ変化し、音の違いとして出てきたのかもしれません。
今回はある意味大物部品を交換しました。確かに今回のインジェクタはデポジットが付着しても影響が出にくい形状になっているだけで、悪く言えば延命措置ではあります。ただ、ハードとソフトの両面での技術進歩が感じられるので、ネガティブな捉え方はしていません。
「車は道具」ではありますが、技術進化の過程に立ち会える楽しさは他に代えがたいものがある気がしています。
■おまけ
フロントブレーキパッドを交換しました。
83,000kmで残2mmほど。回生ブレーキ付きのHEV車に慣れていると、サーキットでも走ってきたのか?と思うくらいのスピードです。が、エンブレの効かないエンジンで8万km持つのは十分ではあると思います。
なお、パッドは今回も純正品。お世辞にも良いフィーリングでは無く、安いわけでも無いですが、普段は自分で乗らないので同じものにしました。
ちなみに、気温が下がると周りの人が振返るほどメチャクチャ鳴きます。