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IC-705 をPCとケーブル接続無しで FT8 する。 (2021/5/23 21:30:00)
IC-705 は USB ケーブルで PC と接続して、
- USB Audio による送/受信音声のやりとり
- USB 仮想 COM による CI-V リグコントロール
WSJT-X や Turbo Hamlog などとの接続を、
USB
ケーブルたった一本でシンプルに出来るので、大変良い。
のだが。
やはりノイズの塊である PC とケーブルで直接接続される事には違いなく。
私の環境では、どうしても PC
ノイズが受信信号に混入してしまう。
何故か USB 仮想 COM
を使うとSメータの振れが変わる位に、急激にノイズが増えます。
また送信時の USB
ケーブルへの高周波回り込みも激しく、
複数のパッチンコア無しでは、USB Audio が切れまくり。
それじゃ、USB じゃなくて Bluetooth で繋いでみたら?
と思い試したところ。
リグコントロールの仮想 COM は、USB ではなく Bluetooth SPP の仮想 COM を使う事でノイズ増加を回避できたのですが。
送/受信音声の方は Bluetooth HFP/HSP のオーディオストリームだと、
勝手にノイズリダクションが働いて、WSJT-X のデータ音声(トーン信号)が勝手に消されたりするし、
レイテンシーも大きいので、USB から Bluetooth への乗り換えが出来ませんでした。
結局、USB
ケーブルにパッチンコアを付けまくり、USB アイソレータなども試しながら、
オーディオのやりとりの為だけに USB ケーブル接続で使っていました。
IC-705 Firmware Version 1.20 (2021/01/22) で
・WLANの親機モードを追加
されたのを機に、
ケーブル接続無しの WLAN で PC
とのリグコントロールと送/受信音声のやりとりが出来ないか検討する。
リグコントロールは
Bluetooth でワイヤレス化できているので、
最低限 WLAN
で送/受信音声のやりとりが出来れば目的は達成なのだが。
いろいろ検索しても、IC-705 の WLAN
仮想オーディオ・ドライバらしきものを発見できずに、
諦めかけていた。
しかし!!
最近になって、ICOMのトランシーバーを USB
またはネットワーク経由で、
遠隔制御かつ送/受信音声のストリーミングを可能にするオープン・ソースの
という、素晴らしいプロジェクトを見つけた。
本来はアイコム純正 RS-BA1
のように、リモートでトランシーバーを使って交信する為のソフトウェア。
もしかしたら、ネットワーク仮想オーディオ・ドライバが付属しているのでは?
と期待したが独立してはいなかった。
ソースファイルは Gitlab
にあるので、自分で作る事も可能か。
wfview を動かす
IC-705 WLAN を親機に設定
リモート設定でネットワークユーザーを IC-705 上に作る。
移動運用時などの WiFi AP なしでも PC と接続できるように。
接続設定(親機)のWLAN の SSID
とパスワードを設定し、IP Address を控えておく。
WLAN
接続設定の接続タイプを 親機 に設定し WLAN ON。
wfview の設定
wfview のダウンロードページ
からインストーラーをダウンロードして、インストール。
PCのネットワークの WiFi で、 設定した
SSID とパスワードで IC-705 と接続しておく。
wfview を起動して、 Settings
タブを開き。
- Radio IP Address
- Username
- Password
wfview が動き始めます。
メイン画面はこんな感じ。
ウォーターフォールも滑らかに動きます。
いまのところ、メーターは S メーターのみですが、
の Todo に、
Add hide/show for additional controls: SWR, ALC, Power, S-Meter interface
と有りますから期待できます。
と、wfview 自体が動くだけでも楽しいのですが。
私がやりたいのは、WLAN 経由のオーディオで WSJT-X を動作させるのが目的。
仮想オーディオ・ケーブルの追加
今は亡き?Ustream
が流行りだした頃から、ゲームの実況動画配信とかするときに。
PC
上のゲーム・アプリから配信アプリにオーディオをPC内でルーティングする、
通称ステミキ:ステレオミキサーが使われてきた。
最近の Windows PC
のサウンドカードのドライバーには、デフォルトでステレオミキサー機能が付いたものが多いらしいが、私が IC-705
に繋げようとしているノートPCには付いていなかった。
最近の仮想オーディオ・ケーブルの状況は、どうなっているんだろうと検索すると。
- かつてこの手の定番だった 旧 NetDuetto は SYNCROOM となって存在している。
- 売り物の仮想オーディオ・ケーブルもある。
- Free の VB-CABLE というのが軽くて良いらしい。
NetDuetto
を使っていた事もあるのだが、余計なアプリもインストールされるので、
今回は VB-CABLE を使ってみる。
VB-CABLE の導入
単純に VB-CABLE Web
サイトからダウンロードして、インストールするだけです。
インストールが終われば、サウンドの録音タブと再生タブに、
CABLE Input と CABLE Output が現れます。
WSJT-X のオーディオを WLAN 経由に設定
IC-705 のオーディオと、PC 上の wfview までは WLAN でやりとり出来ているので。
wfview
のオーディオ入出力を、WSJT-X のオーディオ入出力と接続すれば目的達成。
WSJT-X のオーディオ設定
設定>オーディオ
で、サウンドカードの入出力に、CABLE Output/Input を選ぶ。
wfview のオーディオ設定
- Settings タブの Audio Output/Input に CABLE Input/Output を設定。
- 念の為、 Data Mod Input が LAN になっているのを確認。
- RX/TX Latency は、WSJT-X の DT に影響するので出来るだけ短い値にしたいところだが、短すぎると音切れなどの不具合が発生する。ウィンドウ最下部の rtt の2倍程度以上あれば大丈夫そう。
これらの設定で、
IC-705 <- WLAN -> wfview <- 仮想オーディオ・ケーブル ->
WSJT-X
の接続完成。
これで無事に PC と IC-705
間の煩わしいケーブル接続無しで、
USB ノイズや回り込みの心配なく、WSJT-X で FT8
で交信できるようになりました。
WSJT-X でなくても、JTDX でも同様の方法で可能と思います。
いちいち wfview
を起動するのも少し面倒なので、
やはり WLAN 仮想オーディオ・ケーブルが欲しくなって来た。
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