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その電源で良いですか? (2021/6/11 12:00:00)
■CBは大食い?
CBを運用される時の電源は、どうされてますか?アルカリ電池を内蔵するのが一般的ですが、一生懸命運用すると電池代がバカにならないので、ニッケル水素電池を使っている方も多いのでは無いでしょうか?
▼多分、こんな感じでニッケル水素10本仕様が多いのかな? ちなみに、満充電だと定格電圧超えますし、殆どの無線機は技適上も電池は8本(外部電源は12V)になってますので、アウトとなります、ご注意を。
■eneloop最強説
外部電源と言えばニッケル水素電池。これは安価で入手も容易で有ることから、使っている方はたくさんいらっしゃると思います。
このニッケル水素電池も、電気店を始め通販サイトを見てみると実にたくさんの種類が販売されており、どれを買うべきか迷ってしまいます。今や百円ショップですら入手可能なこの電池にも性能差があることが知られていますが、最終的にどれが良いのか?はあまり見かけません。
確かに各社色々工夫を凝らし大容量化を進めており、電池の容量で決めるのもスペック選択の一つです。また、電池ブランドによっては、同じニッケル水素でありながら電池電圧がちょっと違っているので、少しでも電圧が高いブランドを選ぶのもまた一つです。
しかしながら、この電池にはそれ以上に大事な”内部抵抗”と言うファクタがあります。電池自身が持つ抵抗値で、電池からエネルギーを取り出すと、それに応じた損失が生まれてしまうのです。
この内部抵抗値は、充放電を繰り返すと次第に増加し、やがて充電出来なくなります。つまるところ、電池は「内部抵抗が低く、繰り返し充放電しても上昇率が低い電池が良い」と言えます。
その観点で見ると、かつてはSANYOが持っていたeneloopの技術は素晴らしいものがあります。
▼硬くなるので あまり定量的データは使いたくないが、この表を見ると性能差がよく分かる。
引用:CQ出版社 トランジスタ技術2014年1月号
■その電池ボックスは大丈夫?
さて、電池が持つ内部抵抗は上述で片付きました。しかしながら、もっと致命的な部分があります。それが電池ボックス。
一般的に入手容易な電池ボックスを見てみると、特にマイナス端子側は”バネ”形状になっていると思います。このバネ部分が電池のマイナス端子へ接触し電気が流れますが、ここの部分の接触抵抗が”バネ”形状ではかなり高い値を示し、測定してみると0.4Ω前後にもなります。
▼バネ形状が一般的。しかしながら接触抵抗を考えると”板”形状の方が桁違いに接触抵抗は低い。
試しに、ニッケル水素電池が10本入る電池ボックスを、ICB-87Rの外部電源として使うことを考えてみます。
CB機は変調をかけたときに電流を一番消費します。
▼実効値電流でピーク0.4A程度流れる
接触抵抗と消費電流を考慮して計算してみると、最大変調がかかった瞬間、2.16Vも低下してしまう計算結果となりました。
せっかく電波法違反を犯したのに(笑)、2Vも電圧が下がってしまってはピーク出力が伸びないことになります。
■回避方法の一つ
電池ボックスを接触抵抗が低いタイプに変えるのも手段の一つです。この電池ボックスはアマチュア無線化が工夫を凝らしている事例がいくつもありますので、ググってみてください。
で、私の場合の回避策の一つは、「リチウムイオン電池の活用」です。この電池はそこそこ高価ではありますが、元々内部抵抗が低く、しかも一本あたりの電圧が4.0V前後と3本直列にすればCB機にも使えます。3本と少ない本数であれば、バネ形状の電池ボックスであっても接触抵抗による電圧降下はグッと小さく出来ます。
ただし、リチウムイオン電池は扱いが難しい電池です。電池自身の不良はもちろん、誤った使い方をしたときに起こる事故は一瞬でしかも甚大な被害となります。
圧倒的なエネルギー密度を誇り、私としてはオススメ電池ではありますが
・日本製を買うこと
・ちょっと難しいがリチウムイオン電池の基礎知識を身につけること
さえ守れれば、軽くて伸びのあるエコで楽しい市民ラジオ生活が送れると思います。