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feed Pocke TATOR 衛星自動追尾 (2021/6/14 12:37:32)
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Pocke TATORは、簡易型小型ローテーターで、小型のアンテナを回転させるのに都合がよく、自分用だけではなく、ご希望の方にまだ少数ですが頒布させていただきました。
元々は、自宅ベランダに144MHz、430MHz、1200MHzのヤギあたりを上げたいな~という思いから自作したのですが、(いまだにアンテナが完成していませんが)、実際に頒布してみると衛星通信の追尾に使いたいとおっしゃられる局長さんが数局おられました。
衛星通信は、CQ誌などで知識としては知っていても、やったことも聞いたこともありませんでした。
幸いにも、いつもお世話になっており、またPocke TATORを使っていただいているJK1LSE OMが衛星通信を始められ、情報としてPocke TATORでアンテナを回し始めたが、限られた時間の中で衛星は移動するので回転操作をしながら、ドップラー効果で変動する周波数を追いかけながら、CWを打つのは忙しすぎるということをいただきました。
それで検討を始めたのが自動追尾で、最初の検討が、CALSAT32という衛星軌道計算ソフトが対応しているローテーター制御方式での検討でした。
http://blog.toshnet.com/article/188441950.html

もう3か月以上も前になりますが、一応制御ができることは確認できました。
しかし、I/FにPINICとかのH/Wが必要になり、もう少しスマートにならないかな~と考え出来上がったのが今回紹介する PockeTATOR 衛星自動追尾機能です。

Pocke TATORは、Arduinoを使って回転角制御をしていますので、追尾しようとする衛星の、方向角、仰角がわかれば、PockeTATORをダイレクトに角度制御できます。(今は方向角だけですが)
何とかならなかな~と、衛星の軌道計算ソフトである CALSAT32 のマニュアルを読んでいると、PCのレジストリにこれらのデータの書き込みがされていることがわかりました。

calsat32.jpg

CALSAT32の作者にデータをシリアルで吐き出してもらえないだろうかとか、こちらの都合のいいことを考えたりしましたが、このレジストリのデータを読み込んで、Pocke TATORのコントローラーにデータを送り込めば制御はできる!筈と、PC上で動くプログラムは作ったことがないにもかかわらず検討を始めました。
PC上で動くプログラムは、もう20年以上も前にVBとかDelphiとかかじり始めたことがあったのですが、即座に挫折してそのままになっていました。明確な目的がなかったことも要因の一つかもしれません。
兎にも角にも、今回はレジストリのデータを読み取って、USBを経由してシリアルで吐き出すという、明確な目的があり、何とかなるだろうと始めました。
まずは、開発言語です。VBがいいだろうと思ったものの今はVisual Studioという統合開発環境で開発するようになっており、これのインストールから始めました。最新版は、2019です。
そして、次は、レジストリのデータの読み込み方法です。
最近はネットに多くの情報がアップされており、検索してすぐ見つかりました。これが一つではなく色々な方法で、何種類も記載されています。と言っても、手元になにも参考書がない状態ではさすがにどこから手を付けていいものかわからないので、参考本を買ってきました。それに、レジストリからデータを読む参考プログラムが書いてあった逆引き大全(たった1ページの記載なのですが)も!
僅か数行のプログラムでレジストリのデータを吸い上げることができました。
次は、シリアルへの掃き出しです。
ところがVisual Studio 2019には、シリアルのライブラリが見当たりません。サイト検索もしたのですが、見つけることができませんでした。2017には、ライブラリがあるようです。
面倒くさいと思ったものの、2017のインストールしなおしです。今度はシリアルのライブラリが見つかり、シリアルへのデータの掃き出しの検討を始めました。数値データ、文字データなどの型変換をやりながらなんとか、吐き出すことができるようになりました。
コントローラのArduino側のソフトも追加開発が必要ですが、同時に開発するとどちらに問題があるのかわからなくなるので、まずはPC側の掃き出しを作り、思っているようなデータが掃き出されているのかの確認をTeraTermを使わさせていただき、もう一台のPCで確認作業を行いました。
これらの変遷を経て出来上がったのが CALSAT32toCTL というPC上で動作するソフトです。

calsat32toctl.jpg

PCからのデータは、USBシリアル変換器を介して、Pocke TATORのコントローラーに送り込まれます。
接続は、PCからのTx信号とGNDのみです。
コントローラーには、3.5mmのステレオミニジャックを追加し、PCからのTx信号だけではなく、Rx信号も受けられるようにしました。接続は、100均などで売っている3.5mmステレオミニプラグ付きケーブルが使用できます。

IMG_3941.JPG    IMG_3940.JPG

IMG_3956.JPG    IMG_3948.JPG

CALSAT32のでもモードを使用して、追尾している状況を録画したのが下記映像です。
アンテナは、模擬アンテナが取り付けてあります。


再生できない場合、ダウンロードは🎥 こちら


Pocke TATOR側に追加したのは、3.5mmステレオミニジャックとソフトウェアの追加変更のみです。
PC側はCALSAT32のインストールとCALSAT32toCTLのインストールにより、シンプルな接続で、目的の衛星の自動追尾ができるようになりました。
この機能は、次回からのPocke TATORの頒布品からは組み込まれた状態で行う予定です。
既に頒布したものへの対応は、ご要望のある方に個別対応したいと考えています。
実はこの機能は3月後半に出来上がっており、当局のサボりで紹介が遅れました。
この間、先にご紹介した JK1LSE OM殿には試使用していただいており、既に約1000QSOを超える実績を上げていただいております。大変忙しい衛星通信で、アンテナの回転が自動になり役立っていると言っていただいております。
JK1LSE OM殿は、144MHz 4エレ八木と、430MHz8エレ八木を屋根裏に設置されており、その様子をBLOGで紹介いただいております。ご参照ください。

http://honda.way-nifty.com/pocky/2021/03/post-76f10f.html

なんとこの設置では、Pocke TATORのポールを延長され144MHzは水平、その上に430MHzが乗っかる縦設置となっています。
Pocke TATORは横の力に対する支点が短いので、ポールの延長は無理としているのですが、アンテナのバランスを取り、屋根裏設置ということで風もないことを理由に自己責任(元々頒布品に保証はないのですが)で行ってもらってます。アンテナ重量からは、回転力は十分にあるかと思います。
今回の衛星追尾は、方向角のみなので仰角方向でも変化する衛星に対して、JK1LSE OM殿は、アンテナに15°の仰角を持たせて設置されています。OM殿によれば、15°~ 30°くらいがいいかなとのことでした。
さすがに天頂は通過時は苦しいかな~とのことですが。

この仕様の追加により、Pocke TATORも使用の範囲が広がったと喜んでおります。
何せ初めてのPCソフト開発も合わせて、実使用の中ではまだまだ問題点が残っているのではないかと思いますが、そのあたりはご愛敬ということで!
CAS-4A、4B、4Cは連続してやってきますが、この時に回転角が異常になったことがありました。
各衛星ごとに一旦追尾を解除して、再度追尾をすれば問題はないと思うのですが、当局はまだ実際に衛星通信を行っていないもので!すみません。

謝辞:今回の衛星追尾機能の追加に際して、JR1HUO OM殿製作の衛星軌道計算ソフトウェア Calsat32 を使用させていただきました。JR1HUO OM殿には、これの使用と、連携したソフトの開発、そしてBLOGなどでの紹介などについて快く、ご承諾いただきました。大変ありがとうございました。


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