無線ブログ集
メイン | 簡易ヘッドライン |
430MHzモクソンアンテナ (2021/8/2 14:51:58)
FBニュース(7/15号)に145MHz用モクソンアンテナに2本のパラスティックエレメント(給電なし)を追加し430MHzとデュアルで使えるようにする方法が紹介されていました。興味が涌きましたが、それは後回しにして、まずは試しに430MHzモクソンアンテナを作ってみることにしました。ネットで紹介されていたいくつかの製作例を参考にさせていただきました。
このアンテナは2エレ八木のエレメントを内側に折り曲げた構造で、見た目は1ループのような形状となります。とてもコンパクトでFB比にも優れるのが利点とされています。10年以上前に145MHz用は作りましたが、今回430 MHz用を作ってみてあらためて再現性と安定性の高いアンテナと思いました。
<材料>
エレメント 3mm銅パイプ 146mm×2本(放射器)、336mm×1本(反射器)
角材(ブーム)10mm×10mm×110mm
プラスチック仕切り板(ダイソー)2個
プラスチック六角ナット40mm×2(aitendo)
塩ビパイプ(三脚固定用)
同軸ケーブル(BNC)3m(秋月電子)
結束バンド
すべてあり合わせの材料。エレメントの取り付けに精度が求められるのでブーム素材はパイプではなく角材を使いました。ネットの製作例の通りの寸法ですが、備忘録として手書きの図面を載せておきます。
<製作>
エレメントを切り出したらそれぞれ寸法通りに直角に折り曲げ、前後が揃うよう整形しておきます。プラスチック板にエレメントを固定するための穴を開け、角材に接着。ねじ止めの予定でしたが木ネジが邪魔になるのと強度が確保できることがわかり、接着のみとしました。エレメントの隙間部分はこのアンテナの唯一の調整点であり、2cm前後に間隔を保つ必要もあるため何らかの固定が必要となります。つまようじを銅パイプに差し込んで固定してみたものの、強度がいま一つ。なにか良い方法はないかと思いついたのがaitendoから購入していた長さが4cmもあるプラスチックナットで、ドリルで穴を広げて使うことにしました。銅パイプがきつめに入り調整にも具合がいいです。給電部をハンダ付けし、あとはエレメントを結束バンドで固定するのみ。三脚設置用の塩ビパイプを角材に取り付け完成。本体50g、ケーブル(3m)込みで170g。
aitendoの六角ナット(4cm)
給電部取付け
<調整>
いつものことですが、組み上がって調整に入る時がもっとも楽しみでもあり、緊張の瞬間でもあります。うまく共振してくれるのか、とんでもない周波数に合っているのではないか、SWRは? フラットなのかシャープなのか? おおよそアンテナの性質が判明するわけです。この過程で急にやる気を失ったり、あるいはさらに興味が涌いてきたりすることも多いです。
430用アナライザーの持ち合わせがないので 今回もIC-705のSWRプロット機能で測定しました。その結果、無調整の状態でもまずまずのSWRグラフを描いてくれました。バンドの下の方に共振点があるようで、上にいくほど悪化するものの1.5以内。433.000メインで1.2ほど。マッチング自体は取れているようです。上下のエレメント間隔(2cm)を狭めたり広げたりしてみましたが、あまり変わりません。
ふと、ケーブルの引き回しはどうなんだろう?と気になり、反射器からそのまま垂れ下げるのではなく、後方に離してループを描くようにポールに留めてみました。結果はバンド内ベタ落ちとなりました。だらりと垂れ下げた状態ではエレメントに干渉するようです。ケーブル引き回しは影響大ですね。この点さえ留意すれば帯域が広く扱いやすいアンテナかと思います。
ケーブルを垂れ下げた状態↑↓
ケーブルを離した状態↑↓
ベランダでスイスクワッドと聞き比べてみました。信号によってスイスクワッドが良かったり、逆にモクソンが上回ったりで、さほど遜色ありません。送信はまだで数局をワッチしたのみなので何とも言えませんが、悪くはない感触です。手軽に設置することを優先したため強度的な不安はあります。数回使ってみて難点があればリペアを考えてみます。