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feed 「デジタル変革時代の電波政策懇談会 報告書(案)」に対するパブコメ (2021/8/2 23:32:11)

「デジタル変革時代の電波政策懇談会 報告書(案)」に対する意見募集 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_02000410.html

デジタル変革時代に求められるワイヤレス人材の育成にアマチュア無線を活用すべしという記載があることが話題になっていました。

この点も含め、以下の意見を提出しました。

「デジタル変革時代の電波政策懇談会報告書(案)」に対する意見

以下のとおり意見を申し上げます。

1 5Gなどの電波の安全性の理解促進(49頁)

総務省におかれては、電波の安全性に関する周知広報活動を進めておられるとのことであるが、アマチュア無線家は、日常的に電波を扱う者として、防護指針を含む電波の安全性についての知見を有している。国民の電波に対するリテラシーの向上のため、街の専門家であるアマチュア無線家の知見とリソースを是非活用していただきたい。

2 ワイヤレス電力伝送システムの普及・促進(52頁)

空間伝送型WPTシステムの実用化に向けた制度整備が進められているが、2.4GHz帯と5.7GHz帯において、アマチュア無線との共用可能性の技術的検討が必ずも適切にしなされていないように思われる。この周波数帯は、アマチュア無線によって、テレビ画像伝送、衛星通信、EME(地球ー月ー地球通信)等、最先端技術の探求に利用されているが、これらは微弱な電波を利用するため、WPTシステムからの悪影響の可能性は大きい。慎重な検討を進められたい。

3 ダイナミック周波数共用の推進(61頁)

周波数共用の対象には、現時点ではアマチュア無線の周波数帯は含まれていないようであるが、個人であるアマチュア無線の免許人が周波数共用システムを適切に利用するのは難しいので、対象には含めないでいただきたい。

4 深刻化する自然災害への対応(68頁)

先日施行されたアマチュア無線を社会貢献活動で活用できるようにするための法改正により、継ぎ目のない支援を行えるよう、狭義の非常通信のみならず、非常災害発生直前や災害復旧時においてもアマチュア無線を活用できることが明確になった。一般社団法人日本アマチュア無線連盟は、社会貢献活動に関するガイドラインを作成することを表明したにも関わらず、未だにガイドラインを作成できていない。総務省におかれては、早急に作成するようJARLを指導されたい。

5 アマチュア無線を活用したワイヤレス人材の育成(80頁)

81頁の「踏まえるとともに、法制度全体との中で整合性を図りつつ、検討を進める必要がある。」を、「踏まえるとともに、他の無線局との差異を法制度全体の中に適切に位置づけつつ、検討を進める必要がある。」と修正されたい。

ワイヤレス人材やデジタル人材の育成、無線技術の実験・研究開発の促進のためにアマチュア無線を活用することについては大賛成であるが、「法制度全体との中での整合性」という名目で、アマチュア無線局を他の無線局と同等の規制下に置いている現状を抜本的に見直す必要がある。

アマチュア無線の免許人は、無線技術の実験・研究開発のために、無線設備を頻繁に変更する必要があり、これは、他の無線局にはない特殊な点である。このような特殊性を踏まえれば、開局申請・変更申請(届出)という事前規制がアマチュア無線にそもそもなじまないことは明らかであり、諸外国においても、日本のように細かな変更申請(届出)を求めている例はほとんどない。アマチュア無線への事前規制に多大なリソースを割くのは、人口の減少により人材確保に苦労されている電波行政にとっても端的に無駄である。そこで、申請・届出が必要なケースを激減させるために、開局の時点で資格に応じた周波数帯・電波型式・出力を最大限指定するようにする運用の改正と、指定事項の変更がないかぎり変更申請(届出)を不要とする法令改正を検討されたい。

6 公共用周波数の利用状況の検証

日本のアマチュア無線家は、2015年の世界無線通信会議(WRC-15)でアマチュア無線に割り当てられた5MHz帯の開放を熱望している。日本において5MHz帯の開放がすすまないのは、使用されていない公共用周波数の割当が残ってしまっているからという話を聞くが、電波資源の有効活用という面で無駄であるし、世界各国で5MHz帯のアマチュア無線への開放が進んでいる現状を踏まえると、この周波数を公共用途に使い続けるのはもはや不適切である。そこで、5MHz帯の利用状況を検証した上で、アマチュア無線への開放をぜひお願いしたい。

7 免許手続などのデジタル化(150頁)

免許状の電子化を是非進めていただきたい。アマチュア無線の紙の免許状の交付を郵送により受けるために、返信用封筒を総通に提出しなければならない運用は、行政・免許人双方にとって無駄な手間である。

8 技術基準不適合無線機器の流通抑止(153頁)

令和2(2020)年12月の方改正後も、インターネットショッピングモール上には、技術基準不適合無線機器があふれている。最近は、虚偽の技適マークの写真や技適番号を載せている悪質な例すら見受けられる。ショッピングモールの事業者の自主的な取り組みに任せるのは無理で、ショッピングモールの事業者に対し、技術基準不適合無線機器の販売を抑止する法的義務を課すことをご検討いただきたい。あわせて、技術基準に適合しない設備の製造業者、輸入業者または販売業者を根絶やしにするために、これらの業者に対する総務大臣による勧告・命令に経済産業大臣の同意を要求する電波法102条の11第5項を削除する法改正をご検討いただきたい。

9 電波利用料の使途(160頁)

電波利用料の使途に「電波監視」が挙げられているが、アマチュア無線の周波数帯(特に144MHz帯及び430MHz帯)には、コールサインを言わず営利業務の連絡を行っている無線局(免許を持っていないと思われる)が横行している。特に大都市の平日・土曜日昼間は、これらの違法局・不法局でバンド内がすべて埋まり、通常のアマチュア無線局の交信ができない状況である。これらに対する規制局の運用強化等、電波監視をさらに強化していただきたい。

(2021-08-02 記)


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