無線ブログ集
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5I3Bタンザニアとクラブハウス (2021/8/16 0:36:54)
2021年8月15日23時13分、東アフリカ・タンザニアの5I3B局と、14.090MHz/FT8(DXペディションモード)にてQSOに成功しました。
うれしさのあまり 急いでツイートしてしまったのには、理由があります。
ひとつめの理由 。タンザニアとの初交信だったからです。タンザニアはもちろん、東アフリカとのQSOは初めてでした。距離にして11,322kmです。
ふたつめの理由 。ちょうどこのとき、最近はやりの音声SNSアプリ「 Clubhouse(クラブハウス) 」上のアマチュア無線に関する部屋「CQアマチュア無線クラブ」に参加していました。
クラブハウスは、参加者が「Room」と呼ばれる場所に集い、音声のみで交流するSNSです。2021年初頭、クラブハウスが急に日本でも流行しだしたころ、長年の友人であるJG1BVX氏がクラブハウス上に「アマチュア無線部屋」を作り、初期メンバー(モデレーター)に誘ってくれたのでした。
それから半年経った今、世の中的には、クラブハウス自体を巡る一時の熱狂は落ち着いた感じもしますが、「 クラブハウス・CQアマチュア無線クラブ 」は引き続き盛況です。RoomのFollowerは350人を超え、土曜日21時から24時頃までの定例ルームには、毎週100人くらいの方が参加してくださっています。
最近の定例ルームの番組フォーマットは、前半はモデレーター同士のとっても濃いアマチュア無線話(まあラグチューですね)。後半になると、オーディエンスの方にも会話に加わって頂くとともに、皆が無線機に火を入れ出し、参加者同士で電波が届くかどうかどうか試したり、皆で一斉にDX局を呼んでQSOに成功した人をたたえ合ったりといった雰囲気になります。
さて、8月14日もアマチュア無線部屋に参加していました。後半になり宴もたけなわになったころ、あるモデレーターから「14.090のFT8にタンザニアが出ている」という情報がもたらされました。我が家の設備はロングワイヤー+ATUなのでQSOは到底無理だろうと思いつつも、IC-7300Mのダイヤルを合わせてみると、たくさんのJA局がタンザニアを呼んでいるが見えますが、ご本尊のタンザニア局は見えません・・・。クラブハウスの参加者は、次々とQSOに成功していきます。う~む悔しい・・と思っていると、、
20210814_140330 -17 0.0 320 ~ JJ8●●● 5I3B RR73 1
20210814_140330 -17 0.0 320 ~ JR1●●● 5I3B -02 1
なんと、日本時間23時(UTCで14時)3分30秒、タンザニアの5I3B局からの電波を受信することができました。-17dBですから決して強くはありませんが、ダメもとでこちらからも呼び始めます。
20210814_140426.099(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB PM95
20210814_140445.150(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB PM95
20210814_140515.131(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB PM95
20210814_140545.130(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB PM95
4回呼ぶもコールバックありません。やっぱりダメかといったん中止。すると、
20210814_140700 -18 0.0 321 ~ 7K1BIB 5I3B -14
23時7分、なんとコールバックがあったではありませんか!私の電波がタンザニアまで飛んでいき、-14dBの信号強度で受信されているようです。こちらから、「タンザニアからの信号は、私のところでは-18dBで受信できてるよ」というレポートを返します。
20210814_140720.373(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB R-18
20210814_140745.158(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB R-18
20210814_140749.426(0) Retransmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB R-18
20210814_140815.148(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB R-18
うー、確認の返事がない・・・と諦めかけたそのとき、クラブハウス参加者の方から、「BIB局にコールバック来てる!」との声が。私が受信できていないだけということがわかります。もうこれは呼び続けるしかありません。
20210814_140945.160(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB PM95
20210814_141015.088(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB PM95
20210814_141045.123(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB PM95
20210814_141115.081(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB PM95
20210814_141145.106(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB PM95
20210814_141215.094(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB PM95
20210814_141230
-22 0.0 322 ~ 7K1BIB 5I3B -14 ^
おお、再び「-14」のレポートを受信しました!「-22dB」の受信レポートを返します。
20210814_141245.166(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB R-22
20210814_141315.181(0) Transmitting 14.09 MHz FT8: 5I3B 7K1BIB R-22
20210814_141300 -20 0.0 321 ~ 7K1BIB 5I3B RR73 1
23時13分ちょうど、「RR73」(了解、さようなら)の返事をタンザニアから受け取り、こちらからも「73」(さようなら)を送って、タンザニアとの初QSOが終了したのでした。
以上は、JTDXが自動生成したログファイル「202108_ALL.TXT」からの復元です。見なおしてみると、23時09分45秒からの再度の呼び出しは、グリッドロケーター(PM95)ではなくレポート(R-18)を送り続けた方が効率的だったなと反省。
それはともかく、 クラブハウスの中で「BIB局にコールバック来てる!」の声 がなければ、タンザニアとの初QSOは諦めていたに違いありません。応援?にひたすら感謝しております。
アマチュア無線は、インターネットの隆盛とともに下火になったという人もいますが、私はそうは思いません。熱心なアマチュア無線家は、たとえばこんな風にインターネットをうまく使って、無線趣味を楽しんでいます。
(2021-08-16 記)