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QRP通過型電力計の製作 (2021/8/25 4:28:48)
1.はじめに
QRP運用は呼んでも応答のないことが普通です。特に数十ミリワットの世界は、呼べるような相手局を見つけることもなかなか難しいのが現状です。
ですから、送信出力とアンテナ整合は常に確認しておかないと頑張って呼んでいてもアンテナの具合が悪かったりすると交信は絶望的になります。
移動運用ではとくに通過型の電力計が必要になりますので、製作してみました。ちょうど手元にステレオラジカセに使われていたようなVUメーターがありましたので進行、反射電力が同時にみれるようなものとしました。
ちょうど試作中のマルチバンドCWトランシーバーが1.8~144MHz帯、最大150mW出力程度なので、仕様はこれに合わせています。問題なのは、こんな小さい電力で上手く測れるかということです。
小電力なので、ログアンプを使って検出しようと考えましたが、移動運用では極力軽量化、電池レスが求められます。したがってパッシブなものとし、回路はトロイダルコア活用百科のもので実験しました。
2.基板の製作
製作は、両面基板の端切れを使って、ダイソーのルーターを使ってパターンを作成しました。これくらいの回路であればこういう作り方が速いです。
①最初に回路図からランドの形状を部品の大きさを考えながら油性マジックでラインを描きます
②次にダイソーのルーターで線を削っていきます。このとき細かい粉塵がでるので防護メガネやマスクを着用しましょう。粉塵は、卓上掃除機などを使って吸い込むとよいです
③基板にスルーホールの穴をあけます。この部分にリード線を使って裏面の全面グラウンドパターンに接続しておきます。
④部品の取り付け、配線をします
3.メーター板の作成
①アナログメータなので面倒がらずに目盛り板を作成します。まず、メーターから目盛り板を慎重に外します。殆どの場合両面テープなどで張り付いてますのでカッターナイフなどを差し込むと剥がれると思います。
②目盛り板に方眼紙を重ねてオリジナルのメータライン位置をマーキング。その後メータに方眼紙をはりつけて実際に電力を変えながら針の位置を鉛筆などで印をつけます。
③この手書きスケールを写真撮影して、CADソフト(私はVisioを使ってます)にはりつけ、その上に目盛りを書いていきます。出来たら、光沢紙に印刷して切り取ってオリジナルの目盛り板の上に両面テープで貼り付けます
4.ケースの作成
3Dプリンターで作成します。思い切り小型化したいところですが、メーターサイズで制限されますのでメーターがぴったりはいるように設計します。これくらいであれば慣れれば、1時間程度で作図は完了できますので便利です。あとは、プリンターががんばって働いてくれますので、できるまでエアコンの効いた部屋でお昼寝(笑)。市販のケースを穴開ける作業はやる気が起こりません。
裏は、こんな感じです
5.特性について
オリジナルの回路では、感度不足であったのと144MHz帯での誤差が大きかったので回路を若干改良しました。最終的には、7-144MHzまで1dB以内の精度でみれるものができました。
6.使用してみて
電池不要で、自分が使う100mW以下での進行、反射電力がある程度の精度でみれるものができました。低い周波数での感度不足はコアの周波数特性によるものです。コアはジャンクのものですが5MHz以下で特性が低下します。この部分を良くすると高い周波数の特性が悪くなるので妥協しました。
また144MHz帯はコンデンサによる補正を行っています。なかなか広い周波数をみるのは難しいものです。市販品ではないので結構便利に使えそうです。
7.キット頒布について
今回の製作品を3k円程度(送料別)でKIT頒布します。
注:10名に達しましたので受付を終了させて頂きます。
応募いただいた方には、準備ができ次第メールで連絡致しますのでお待ちください。基板設計や部品発注などをこれから行いますので1-2か月かかる見込みです。
それではよろしくお願いします。
QRP運用は呼んでも応答のないことが普通です。特に数十ミリワットの世界は、呼べるような相手局を見つけることもなかなか難しいのが現状です。
ですから、送信出力とアンテナ整合は常に確認しておかないと頑張って呼んでいてもアンテナの具合が悪かったりすると交信は絶望的になります。
移動運用ではとくに通過型の電力計が必要になりますので、製作してみました。ちょうど手元にステレオラジカセに使われていたようなVUメーターがありましたので進行、反射電力が同時にみれるようなものとしました。
ちょうど試作中のマルチバンドCWトランシーバーが1.8~144MHz帯、最大150mW出力程度なので、仕様はこれに合わせています。問題なのは、こんな小さい電力で上手く測れるかということです。
小電力なので、ログアンプを使って検出しようと考えましたが、移動運用では極力軽量化、電池レスが求められます。したがってパッシブなものとし、回路はトロイダルコア活用百科のもので実験しました。
2.基板の製作
製作は、両面基板の端切れを使って、ダイソーのルーターを使ってパターンを作成しました。これくらいの回路であればこういう作り方が速いです。
①最初に回路図からランドの形状を部品の大きさを考えながら油性マジックでラインを描きます
②次にダイソーのルーターで線を削っていきます。このとき細かい粉塵がでるので防護メガネやマスクを着用しましょう。粉塵は、卓上掃除機などを使って吸い込むとよいです
③基板にスルーホールの穴をあけます。この部分にリード線を使って裏面の全面グラウンドパターンに接続しておきます。
④部品の取り付け、配線をします
3.メーター板の作成
①アナログメータなので面倒がらずに目盛り板を作成します。まず、メーターから目盛り板を慎重に外します。殆どの場合両面テープなどで張り付いてますのでカッターナイフなどを差し込むと剥がれると思います。
②目盛り板に方眼紙を重ねてオリジナルのメータライン位置をマーキング。その後メータに方眼紙をはりつけて実際に電力を変えながら針の位置を鉛筆などで印をつけます。
③この手書きスケールを写真撮影して、CADソフト(私はVisioを使ってます)にはりつけ、その上に目盛りを書いていきます。出来たら、光沢紙に印刷して切り取ってオリジナルの目盛り板の上に両面テープで貼り付けます
4.ケースの作成
3Dプリンターで作成します。思い切り小型化したいところですが、メーターサイズで制限されますのでメーターがぴったりはいるように設計します。これくらいであれば慣れれば、1時間程度で作図は完了できますので便利です。あとは、プリンターががんばって働いてくれますので、できるまでエアコンの効いた部屋でお昼寝(笑)。市販のケースを穴開ける作業はやる気が起こりません。
裏は、こんな感じです
5.特性について
オリジナルの回路では、感度不足であったのと144MHz帯での誤差が大きかったので回路を若干改良しました。最終的には、7-144MHzまで1dB以内の精度でみれるものができました。
6.使用してみて
電池不要で、自分が使う100mW以下での進行、反射電力がある程度の精度でみれるものができました。低い周波数での感度不足はコアの周波数特性によるものです。コアはジャンクのものですが5MHz以下で特性が低下します。この部分を良くすると高い周波数の特性が悪くなるので妥協しました。
また144MHz帯はコンデンサによる補正を行っています。なかなか広い周波数をみるのは難しいものです。市販品ではないので結構便利に使えそうです。
7.キット頒布について
今回の製作品を3k円程度(送料別)でKIT頒布します。
注:10名に達しましたので受付を終了させて頂きます。
応募いただいた方には、準備ができ次第メールで連絡致しますのでお待ちください。基板設計や部品発注などをこれから行いますので1-2か月かかる見込みです。
それではよろしくお願いします。
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