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【新技適CB的お話】ギルバートセルミキサ (2021/10/18 19:30:00)
■ミキサー回路
アマチュア無線の自作機でも使っているSA602などに代表されるギルバートセル。変換利得も得られ、ローカルの漏れも低減出来ることから、高感度を求めながらも漏れで苦労しがちなCBにも適用出来るだろうと、以前から考えていました。また、7L4WVU-OMの自作ハンディーでも使われています。
今回使ったICの変換利得は17dBほど、立派なプリアンプ並みの利得です。
多分ですが、SR-01もプリ無しでBPF→ミキサーになっている所を見ると、恐らくこの変換利得を増幅器代わりにして実現したと思われます。
▲超バラックでのテスト。部品点数が少なく、きれいな特性が実現出来るのがICの良いところ
■変換利得
回路構成は、入力はhigh-Zの作動入力、ローカルと出力はCカップリングのlo-Z。
まずは、基本的なCB機の周波数でざっと様子を見てみると
IN :-110dBm @27.144MHz
local :0dBm @16.449MHz
OUT :-95dBm @10.695MHz
∴conversion gain :15dB
となり、マズマズなのがわかります。
ただ、実際に使うにはこのlocalレベルは高過ぎますし、出力の歪みも大きいです。実用レベルは-20dBmくらいの様です。
それを意識してlocalを試しに-10dBmにすると変換利得は11dBと少し下がりました。
時間があるときに、IN-OUT特性でも測定してみようと思います。
WVU-OMのリグでは2SK439の1段で押しているので利得が不足する可能性がありますが、一方でフロントエンドとミキサーにAGCを戻していないので、近接やバリバリコンディションの時には不安が残ります。
(ハンディー機ですので、小型化最優先の割り切りだと思います)SR-01の様にミキサー直受けするならば、BPFのロスと、後段のクリスタルフィルタの結合損失を出来るだけ小さくすることで、フロントエンド(プリ)の削除は実現出来るんじゃないかな?と踏んでます。
■デメリット
ギルバートセルは変換器自体に利得があるのは良いのですが、一方で利得があり過ぎるのが欠点とも言えます。その電圧利得が有るゆえに過剰な入力に対しては飽和してしまい、出力が歪んでしまいます。要はダイナミックレンジが狭いんですよね・・・。
▲▼飽和が始まると、一気に子どもたちが増えてくる。
localの漏れレベルが高いのは、local注入をミノムシクリップで入れたことによる相互インダクタンス結合。同軸で注入すれば、-40~-50dB程度の分離度は取れる
ざっと見てみましたが、IN:-60dBm、local:-20dBm程度がいいところな気がしますが、対策として外から無理やりゲインを落とし(AGC)、さらに出力側にクリスタルフィルタを入れてみる予定です。