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【実際に試してみた】<正弦波インバーター搭載、セルスタート式の定格1.8kVAタイプ>PLOW、月々1,980円の「発電機年間レンタルプラン」を提供 (2021/10/26 12:05:49)
発電機や農業・産業機械類の販売大手「PLOW」(プラウ、運営:株式会社ホンダウォーク、本社:新潟県上越市)が、正弦波インバーター回路とセルスタート機能、スマートフォンによるモニター機能などを搭載したエンジン式発電機(定格1.8kVAタイプ)「GP18iE」を、月々1,980円(税込)の支払いで1年間使える「発電機年間レンタルプラン」を今春から開始した。契約期間満了後、さらに1年間使い続けたい(契約更新)場合は、使用済みの発電機を回収しメンテナンス済みの発電機を交換発送してくれる。これによって“ユーザーによるメンテナンスの手間と故障リスクを最小限に抑えることができる”という。hamlife.jpでは同プランでレンタルされる発電機を実際に試用してみた。
PLOWの「発電機年間レンタルプラン」は、オリジナル仕様の多機能型発電機「GP18iE」(同社による整備済み)を、月々1,980円(税込)というリーズナブルな料金で1年間(365日)レンタルできるサービスだ。同社は万一の災害への備えやアウトドア、DIYやイベントなどでの使用を想定しているが、GP18iEはアマチュア無線の移動運用にも十分な性能を持っていると考えられる。
<発電機年間レンタルプランで借りられる「GP18iE」の特徴>
・国内大手メーカーと同型のエンジンを搭載
・ボタン1つでエンジンが始動するセルスタート機能搭載(リコイルロープでの始動も可能)
・運搬に便利なタイヤ&キャリーハンドルを搭載
・定格出力1.8kVA(最大2.1kVA)の高出力
・正弦波インバーター搭載で電子機器にも対応
・Wi-Fi接続で、発電状況や使用時間をスマートフォンでモニタリングできる
・「横置き」での保管が可能
・稼働時間を伸ばすエコスイッチ(負荷連動エンジン回転制御)搭載
・100Vコンセント(2口)/12Vシガーソケット(1口)/USB端子(2口)を装備
・周波数(50Hz/60Hz)切替スイッチ装備
・PSE認証適合製品
<GP18iEの主要スペック>
・寸法: 530W×430H×320Dmm
・乾燥重量: 26kg
・エンジン: 4ストロークOHV 80cc
・燃料タンク容量: 4.2L
・オイル容量: 0.35L
・定格連続運転時間:
8時間(エコスイッチON@1/4定格負荷)
3.5時間(エコスイッチOFF@定格負荷)
・始動方式: リコイル/電動スターター
・騒音レベル(LWA)※CE規格で4mから: 保証騒音値 92dBA
・交流出力波形: 純正弦波 THD<3%
・交流定格電圧: 100V
・定格周波数: 50/60Hz
・定格出力: 1.8kVA
・最大出力: 2.1kVA(3秒間)
・安全装置タイプ: 電子制御
・直流定格電圧: 12V
・直流定格電流: 8A
・USB端子: 5V(2A/1A)
・付属品:
バッテリー充電コード、セルスタートバッテリー用充電器、工具類(ポーチ入り)、オイルファンネル、取扱説明書(50ページ)他
そこでhamlife.jpでは、PLOWからGP18iEを借用し、アマチュア無線の移動運用での使用感をチェックしてみた。
GP18iEはオレンジ色と黒色の鮮やかなカラーリング。乾燥重量で約26kgあるが、大型の移動タイヤと長さ調整が可能なキャリーハンドルが付いているので運搬(水平移動)は楽だった。ガソリンキャップと燃料コックをOFFにしておけば「横置き」で収納できる点も、機材が多い移動運用の際に便利だ。ただし自動車のトランクに入れる場合や階段などでは、どうしても約26kgある本体を持ち上げなければならない。こうした場合は無理せず、複数人で作業するのが安全だ。
本体左側面はコントロールパネルになっている。ACコンセント、DCシガーソケット、USBポート、並列運転端子をはじめ、エンジンスイッチ、エコモードのON/OFF、燃料コック、始動ボタン、各種プロテクターとインジケータ類などが並んでいる。
起動前にレギュラーガソリンを補給。内蔵タンクには最大4.2L入る。最近はガソリンスタンドで携行缶に給油してもらう際に身分証明書が必要だ。携行缶への給油を行っていないスタンドもあるので調達前に確認しよう
動作させる場合はガソリンキャップと燃料コックをそれぞれONにし、チョークを引いてから「始動」ボタンを押す。これで内蔵のセルスタート用モーター(充電式)が動作しエンジンがかかり、電力供給が始まる(エンジン回転が安定したらチョークを戻す)。hamlife.jpで試用した際は、初回のみセル始動がうまくいかず、紐を引っ張るリコイルスターターで始動させたが、その後は始動ボタンのみでエンジンがかかるようになり、非常に快適だった。
YouTube【GP18iE】セルスタート搭載でラクラクエンジン始動 (画像クリックで動画がスタート)
エンジン始動後、コントロールパネルにある緑の「Wi-Fi」ランプが点灯すれば、専用のスマートフォン用アプリを使って、現在の状態(出力電圧、電流、周波数、ガソリン消費量と残量、運転時間など)を少し離れた場所からモニターできるようになる。スマホ上から緊急停止させることも可能だ。
広い公園で伸縮ポールを使ってダイポールアンテナを仮設。GP18iEに安定化電源(DM-330MV)を接続し、FT-991Mで7MHz帯、28MHz帯、50MHz帯をモニターしてみた(発電機からアンテナまでの距離は約10m、発電機から無線機までは約5m離して設置。AC100V出力端子には延長ドラムを接続)。この環境でしばらくチェックを続けたが、負荷を掛けても電圧は安定しており、運用の支障になるような発電機由来のノイズは確認できなかった。
ところでガソリン式発電機は、運転時にどうしても騒音が発生する。GP18iEの騒音値は“ホンダやヤマハが発売している1.8kVAクラスの発電機よりもやや低い”という実測データがPLOWから公表されている(下記の検証動画参照)。今回の試用では延長ドラムを使ってGP18iEを無線機を置いたテーブルから5m程度離したが、運転中の騒音が交信の支障になることはなかった(移動運用の常識として、ヘッドホンを使った方が微弱信号が聞き取りやすくなるのは間違いない)。
YouTube 発電機の騒音値比較【再検証】PLOW:GP18iE、HONDA:EU18iE、YAMAHA:EF1800iS
(画像クリックで動画がスタート)
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PLOWは発電機年間レンタルプランを利用するメリットについて、次のように述べている。
「近年、一般家庭でも発電機を購入し停電に備える方が多くなってきています。しかし、それと同時に発電機を購入する事で発生している問題点もあります。1つは発電機自体が意外と高額で900Wクラスの物で6万円台、有名メーカーの物ともなると10万円を越える金額になり家計にとって結構な負担となってしまいます。
そしてもう1つの問題がメンテナンス不足による故障です。実際に先の大規模停電の時も“備えておいた発電機をいざ使おうとエンジンを掛けようとしたらかからなかった”という事例が多々発生していました。では何故このような故障が頻発したのでしょうか? 原因は“メンテナンス不足”です。発電機はエンジン製品がゆえに必ず定期的なメンテナンスを必要とします。メンテナンス内容は“長期保管時の燃料の抜き取り”“エンジンオイル”“エアクリーナー”“点火プラグ”など多岐にわたります。
しかし、発電機購入者の多くの方は、この定期メンテナンスを実施していないのが現状です。発電機の修理は高額になる事が多く、例として発電機の故障で特に多い事例で“燃料の劣化によるキャブレター詰まり”という故障の場合、20,000円を超える修理費用が発生してしまいます。こうした状況を鑑み、私どもは“どうやったらお客様にリーズナブルで、メンテナンスの手間がいらない状態で、発電機をお使いいただけるか?”を長い間考えてきました。そして今回のプロジェクトである“整備済みの発電機を定期的な周期で交換するレンタルサービス”にたどり着きました」
「メンテナンスはすべて自社で行い、常にメンテナンス済みの発電機を用意できる体制を作り、毎年交換時にはメンテナンス済みの発電機を発送し、使用済みの機体を回収するという仕組みにより、ユーザーの方の“メンテナンスの手間”と“故障のリスク”を最小限になるようにしました」
今回hamlife.jpが試用した環境では、GP18iEをアマチュア無線の移動運用で使う場合の支障になるような事象はなく、安定した電力供給のもとで楽しむことができた。1.8kVAクラスの発電機があれば、無線クラブでの移動運用にも便利だし、災害などで長時間停電した場合は家庭内の電気製品や固定用無線機の電力供給に役立つだろう。
このレンタルプランやGP18iEに興味がある無線家は、下記関連リンクで詳細を確認の上(レンタルプランは“1年間の契約期間中、中途解約はできない”“建築・土木関係の業務には使用できない”といった制限がある)、導入を検討してはいかがだろうか。
●関連リンク:
・発電機年間レンタルプラン(PLOW)
・GP18iEの特徴(PLOW)
・GP18iE 商品情報(PLOW)
・PLOWホームページ