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変則スペース巻きコイル 1ICラジオ (2021/10/31 21:33:34)
aitendoのラジオキットK-EZ7642SSを使い、自作コイルを組み合わせて乾電池1本で動作する1ICラジオを作ってみました。バリコンを中心にした小さな基板に回路が組まれており、自由度の高いラジオ作りに重宝します。以前も同様のキットでいくつか作りました。今回は変則スペース巻きコイル。
<コイル>
分離の悪さがストレートラジオの欠点なので、それを補うのはコイルしだいということになります。直径6cm、長さ6.5cmの塩ビパイプにスパイダーコイルで好印象だった分割巻き?で巻いてみることにしました。通常の分割巻きと異なり、自在ブッシュの溝に沿って複数回巻いていく方式です。自在ブッシュの溝は16個。なので16分割となりますが、変則スペース巻きと言った方が正しいような気がします。溝に何回巻くかでインダクタンス調整ができるためコイル幅を短くできるメリットがあり、自分的には最近この巻き方にはまっています。
1溝に何回巻くか? ですが、線全体の長さは15~20m巻けばよいので、逆算して5回づつ巻いてみることにました。線材は0.35mmポリウレタン線。5回巻いたら次の溝へ、溝を間違えないように慎重に巻き進めます。スパイダーコイルの時よりは巻きやすく、なんとか集中力を持続させて巻き上げることができました。インダクタンスを計ったところ327μH。少しほどいて297μHに調整、総巻き数74回となりました。
< K-EZ7642SS >
続いてラジオ基板の製作。作り始めてすぐ、このキットはいろいろと問題があることに気づきました。バリコンのダイヤルが大きく、基板四隅の穴の2カ所をふさいでしまう、ホームページに掲載されている基板の写真と微妙に異なる、プリントで5KΩとあるところは実際には1KΩの間違い(部品は1KΩが付属)、等々。aitendo品質といってしまえばそれまでですが、特にダイヤルと穴の位置は問題なのでダイヤルを変更することにし、そのためバリコンは表裏反対に取り付けることにしました。コイルと電源をつなぎ動作確認したところ、NHK仙台第一がちょうどよい音量で入感してくれました。とりあえずひと安心。
<台座取り付け>
9.5cm×8.5cm の木台に裏面配線としました。いつものバラック風。バリコン部分は木台をくり抜き埋め込み式としました。基板、コイル、電池ボックス、トランス接点をそれぞれ配線したらあとはネジ留めするのみ。これで完成、と思ったのですが・・・。
組み上がってさっそくトランスを接続、オーディオイヤフォンで聞いてみると、NHK仙台第一、NHK仙台第二、東北放送とも十分な音量で入感。ただ、バリコンのどこを回してもNHK仙台第一のかぶりがみられ、分離が良くありません。音声のざらつきも感じられます。ふと、以前にも同じようなことがあったことを思い出し、コイルを縦位置にしたらどうなんだろうと試してみたところ、感度が少し低下するものの先ほどとは打って変わって信号のピークが先鋭になり、格段に聞きやすくなりました。音声も改善。
ということでコイルを横位置から縦位置に付け直し製作完了としました。十分な感度を見込める場合は、コイル縦置きで分離を優先する、それも悪くないな、とあらためて実感しました。
簡単なキットを組み合わせて作るのみなので半日あれば十分と思ったのですが、いろんな問題が発生して、けっこうてこずりました。丸一日を費やし完成。コイル巻きや部品の配置、配線を考えたり、あるいは予期せぬ難題が起こったり、それらに夢中になっている時はほかのことは何も考えずに済みます。自分時間に没頭。これがラジオ工作の良さかな、と思ったりもします。