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<ARISSスクールコンタクト>国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士、12月9日(木)17時33分からノートルダム女学院中学高等学校の生徒たち(8N3ND)との交信に再挑戦 (2021/12/8 18:00:11)
アマチュア無線の資格を持ち国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の宇宙飛行士と、子どもたちが交信を行うプロジェクト「ARISSスクールコンタクト」。2021年12月9日(木)の17時33分JSTからノートルダム女学院中学高等学校(京都市左京区)の生徒13名が「8N3ND」のコールサインで交信を行う予定だ。同校とは今年8月3日にスクールコンタクトが行われたが、交信が不調に終わったことから今回再挑戦することになった。成功するとこれが日本から通算105 例目のARISSスクールコンタクト(京都府の女子校では初)となる。ISSから登場するのはNASA所属のラジャ・チャリ宇宙飛行士(KI5LIU)だ。当日は会場からのYouTubeによるライブ配信も予定されている。前澤友作氏の搭乗(日本時間で12月8日夜にソユーズ宇宙船がドッキングし、その後12日間滞在予定)でISSに注目が集まる絶好のタイミングで行われる、今回の再挑戦の成功を祈りたい。
ISSの宇宙飛行士と日本の子供たちの交信は、12月3日に行われた長野県の須坂市立日野小学校(8N0CAN)以来、2週連続となる。ノートルダム女学院は小学校から大学までの一貫教育を行っている女子校で、中学校は1952年、高等学校は1953年に開校。中高の校舎は京都市左京区の大文字山のふもとにあり、生徒数は525名(中学校209名、高等学校316名=2020年4月現在)という。
今回のARISSスクールコンタクトのため、同校の生徒たちはアマチュア無線、国際宇宙ステーション、宇宙での生活、宇宙開発、地球科学などを学んできた。さらに宇宙に関連する電子機器の実験や宇宙食、JAXAに関する学習なども行って当日に臨むという。同校の公式サイトでは「メンバーも前回のリハーサルや本番の緊張感の経験を活かして、新たな気持ちで取り組んでいます」と意気込みが述べられている。また当日はYouTubeによるライブ配信も予定している。
YouTubeによるライブ配信(当日配信予定、クリックしYouTubeへアクセスのこと)
今回の交信は日本時間の12月9日(木)17時33分35秒からおよそ10分間にわたって行われる。国際宇宙ステーションのコールサインは「NA1SS」。ARISS のWebサイトによると、 ISSからは145.80MHzで音声信号が送られてくる 。今回はISSからNASA所属のラジャ・チャリ宇宙飛行士(KI5LIU)が担当し、交信は英語で行われるという。生徒13名からの質問案は次のように事前公表されている(arissnews.rtfより)。
1. When did you decide to become an astronaut?
(宇宙飛行士になろうと思ったのはいつですか?)
2. Was your mission impacted by COVID-19 restrictions? What measures were taken to stay safe and healthy?
(COVID-19の制約により、ミッションに影響はありましたか?
安全と健康を保つためにどのような工夫をしましたか?)
3. How many pieces of luggage can you usually bring from the earth? Also, what did you bring this time?
(通常、地球から持ってこられる荷物は何個ですか?また、今回は何を持っていきましたか?)
4. How do you move from a spacecraft or rocket to the ISS?
(宇宙船やロケットからISSへの移動はどのように行うのですか?)
5. What is the best thing about being in space?
(宇宙に行って一番良かったことは何ですか?)
6. What was the most dangerous thing you experienced?
(経験した中で最も危険だったことは何ですか?)
7. What do you do if you get ill?
(病気になったときはどうしますか?)
8. What do you want to do after you come back to earth?
(地球に帰ってきたら、何をしたいですか?)
9. How did you learn English?
(どのようにして英語を覚えたのですか?)
10. How do you maintain levels of oxygen and carbon dioxide in the ISS?
(国際宇宙ステーションでは、どのようにして酸素と二酸化炭素の濃度を保っているのですか?)
11. What made you want to become an astronaut?
(宇宙飛行士になろうと思ったきっかけは何ですか?)
12. What did you think when you first experienced weightlessness?
(初めて無重力を体験したとき、どう思いましたか?)
13. At what altitude are you flying?
(どのくらいの高度で飛行していますか?)
過去、NA1SSから発射された宇宙飛行士の声に対しては「見晴らしのよい場所で、ハンディ機に付属ホイップアンテナでも聞こえた」「アパートのベランダから斜めに付き出したモービルホイップでキャッチした」といった受信リポートがTwitterに書き込まれている。ビームアンテナに仰角ローテーターといった本格装備がなくても、ISSの軌道が高く状態の良いタイミングなら、受信のチャンスはありそうだ。ぜひ挑戦してはいかがだろう。
なお、言うまでもないことだが、この日のために準備と交信の練習を重ねてきた生徒たちの夢を壊さぬよう、静かなワッチを心掛けたい。ARISSスクールコンタクトの開催日は管轄の総合通信局がDEURAS、DEURAS-Mなどを使って電波監視を強化するのが通例となっている。
●関連リンク:
・宇宙飛行士と交信しよう!(ノートルダム女学院中学高等学校
特設ページ)
・YouTubeによるライブ配信サイト(12月9日開設予定)
・Upcoming educational Contacts(ARISS.org)
・ARISSスクールコンタクト
・「きぼう」を見よう-国際宇宙ステーション(JAXA)