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<アマチュア無線局は年額300円の納付義務>総務省、令和2年度「電波利用料」の事務の実施状況や支出額などについて公表 (2022/1/24 12:05:32)
総務省が国内の無線局の免許人に対して「電波の適正な利用を確保するため」として、電波法で定め徴収する「電波利用料」。身近なところでは、アマチュア無線局は1局あたり年額300円、ライセンスフリー無線のデジタル簡易無線登録局の包括登録、個別登録ともに年額400円の支払いを無線局免許人に義務付けている。もちろん、携帯電話等事業者や放送事業者なども含まれるが、集めた電波利用料を基に実施した施策について、総務省はこのほど「令和2(2020)年度 電波利用料の事務の実施状況」として公表した。令和2年度の歳入額は720.5億円、支出総額は719.8億円(翌年度繰越額:544.9億円)で、電波監視の実施や総合無線局監理システムの構築・運用などについて、使用用途別に説明を行っている。
アマチュア無線局の免許人に対して送られてくる電波利用料納付書
今回公表された資料の「電波監視の実施」では、「免許を受けた無線局が適正に運用されないことや、免許を受けていない不法無線局を運用すること等を防止し、電波利用環境を保護するために、平成5年度から電波利用料財源により電波監視を実施しています。また、平成22年度からは、重要無線通信妨害に係る申告受付の24時間対応体制を整備し、妨害の迅速な排除に取り組んでいます」と説明している
総務省では、電波利用共益事務を適切に実施していくためには、その実施状況および支出状況を公表することで、無線局免許人などに対する電波利用料負担への理解を得ることが重要だとして、平成20(2008)年度より「電波利用共益事務の実施状況及び支出状況の公表」を行っている。
また、「電波利用料は、不法電波の監視等の電波の適正な利用の確保に関し、無線局全体の受益を直接の目的として行う事務(電波利用共益事務)の処理に要する費用を、その受益者である無線局の免許人等に公平に分担していただく(いわゆる電波利用の共益費用として負担を求める)もの」と説明している。
「電波利用料を負担していただく無線局免許人等の方々の理解を得ることが重要です」という理由から、集めた電波利用料を基に行った施策の数々と、それぞれの支出額、施策の内容などについて、「概要版」では34ページに渡り説明を行っている(一部抜粋)
当時の郵政省が1993年5月1日から導入した「電波利用料」は、当初、アマチュア無線局は年額500円の支払いだったが、2005年10月以降は年額300円となった。毎年、アマチュア無線局の免許人に対し、各総合通信局および沖縄総合通信事務所から電波利用料納付書(振込用紙)が送られてくるので馴染みがあるだろう。
今回発表された資料には、我々アマチュア無線家に馴染みのある「電波監視の実施(支出額:78.5億円)」のほか、「電波資源拡大のための研究開発等(支出額:314.4億円)」「周波数の使用等に関するリテラシーの向上(支出額:1.8億円)」などについて説明している。
「令和2年度の混信・妨害申告は2,039件であり、このうち航空・海上無線、消防無線、携帯電話などの重要無線通信を取り扱う無線局に対する混信・妨害は429件でした。電波監視業務によりこれらの混信・妨害等の迅速な排除が図られ、電波利用環境が良好に維持されています」としている。
電波監視の実施「航空無線への混信妨害(九州総合通信局)」
電波監視の実施「放送用回線への混信妨害(東北総合通信局)」
電波監視の実施「携帯電話基地局への混信妨害(北陸総合通信局)」
電波監視の実施「空港無線システムへの混信妨害(北陸総合通信局)」
詳しくは、記事下の関連リンクからPDFデータをダウンロードして確認してほしい。
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●関連リンク:
・総務省 電波利用料の事務の実施状況
・総務省
令和2年度電波利用料の事務の実施状況(PDF形式)
・総務省
令和2年度電波利用料の事務の実施状況「概要版」(PDF形式)
・電波利用料(ウィキペディア)