無線ブログ集
メイン | 簡易ヘッドライン |
TS820-DDS-VFOその11 (2022/2/28 3:47:47)
TS820-DDS-VFOのテスト運用にて新たな追加機能のRITをブレッドボードにて作製し、問題ないレベルまでになったので、早速予定通りに実機でのRIT動作の確認を行ないました。
結果から言いますと、うごきませんでした。RIT機能追加スケッチを書き込んだESP32DevKitCを前の物と入れ替えし、RIT-SWと送信SWを引き出し繋ぎ、電源投入した時点では動作してくれませんでした。ブレッドボードで確認をし直しましたが、特に問題はありません。TS820に組み込んだ作製基板では動いてくれません。DDS-VFO自体は動作は問題ないのですが、RIT-SW、送信SWを読み込んで動いてくれません。先ずは解析です。
なぜ、動かないかをオシロスコープで確認しました。単純にESP32DevKitCのRIT-SW入力とTX-SWの通常時”H” RIT、TX動作時それぞれのポート0とポート17が”L”になっているかを確認しました。2つの入力ポートはSWを押すと、押している間はどちらも問題なく”H”から”L”へと信号が切り替わり正常入力されています。ESP32DevKitCの入力は2ポートとも問題はありません。とても不思議な現象です。入力ポートに正常な信号が行っているのに、動作しないという現象が起きています。一応念の為、もう一つ別のESP32DevKitCにスケッチを書き込みして、入れ替えでの確認もしました。別のESP32DevKitCに変えても同じで動作しません。動作しないESP32DevKitCをブレッドボードに付けてRIT-SW、TX-SWを確認すると問題なく動作します。何か不思議な世界に入り込んでしまった様で、狐につままれた感じです。念の為SWとの接続ミスがないか回路図とポートの位置を確認しました。問題ありません。ふと、アナログテスターでポート端子電圧をあたっていたら、周波数が変化しました。一瞬1回だけRIT動作した感じです。ただ肝心のRIT-SWプッシュでは周波数の変化は起きません。このような不安定な動作をしているのは、誘導等でノイズが誤動作を招いているケースがほとんどです。早速ノイズが原因と見越してノイズ対策をすることにしました。CNCの切削モーターも電源端子にノイズ除去用のパスコンを付けないと制御回路が上手く動作してくれない事がありました。ノイズは本当に動作を邪魔する信号となることが多いです。今回もDDS-VFOの+9Vの電源でTS-820の+9V電源を使うとロータリーエンコーダーを回す時のパルスノイズが電源回路を通してスピーカーから聞こえたり、送信時には電波にのるほどノイズが回り込みしていましたのですでに対策として、+9VのDCアダプターを別途用意し繋いであります。こうすることで無線機側へのノイズの回り込みは皆無となっています。前の外部VFOのDDS-VFOのときも電源はTS820本体からではDDSのロータリーエンコーダーのパルスノイズが電源ラインから回り込みしていました。この時も電源供給先をUSBから供給することで、パルスノイズは皆無となっています。これらの経験よりの対策です。今回はロータリーエンコーダーのパスルノイズではありませんが、誘導系のacの様なノイズが入力端子に”H”とも”L”ともどちらつかずの状態をおこしていると思われます。Arduinoのボード回路作製でもよくあります。こういう交流信号系のノイズ時の対策はパスコン追加です。結果から言いますと”ビンゴ”でした。0.01μFのパスコンをポート0、ポート17とGND間に追加して、問題なく動作するようになりました。引き回しも結構長いので、かなりノイズをうけていたと思われます。
一端基板をTS820から外し、+3Vのプルアップ追加と0.01μFパスコンを仮追加しました。
こんなにパスコンの足が長くても効果はあります。
黄色の半田付けされた線が2本ありますが、一つは(下側)がTX-SWへ、もう一つはタイマーIC555のパルス出力のESP32DevKitCの入力ポートへ来ている別回路の信号確認用の線です。RIT動作には関係ありません。パスコンが付いているのがTX-SW,RIT-SWのESP32DevKitCの入力端子です。赤がRIT-SWへ繋がっています。
右の赤いワイヤーがRIT-SW、左の黄色いワイヤーが送信SW抵抗は単にブレッドボードへ差すコネクション用としてリード線部のみ使っています。青と右の黄色ワイヤーがGNDです。
上がオリジナルのTS820の周波数表示部です。受信時の周波数が表示されます。
下がDDS-VFOのエンコーダーでの周波数表示部です。上と下が同じ周波数でゼロイン状態です。
実際のRIT動作です。プラス側マイナス側へとそれぞれ最大500Hzまで動かす事が出来る仕様です。
仕様通り動いてくれています。PUSH-SW(RIT-SW)を100Hz/1プッシュずつ可変出来ます。
最後の方ではRIT動作時に受信周波数と異なる送信時のDDS-VF0のメイン周波数で送信できています。
上手くRIT動作しています。交信の内容は関係なく、周波数表示の確認用動画です。
最初はTS820実機でのPUSH-SWでのRIT追加が失敗したかと思いましたが、何のことない入力端子のノイズ回り込みがあり、これを対策する事でブレッドボード上のPUSH-SWでのRIT動作は問題なく実機で良好に動作を再現させる事が出来ました。
あと残る確認は送信時の切り替え回路との接続です。TS820の全面のマイク接続端子の2番端子に繋ぐ必要がありますが、+12Vかかっているので直接はつなげません。ESP32DevKitCの入力端子は3.3V仕様なので抵抗で分圧して合わせる必要があります。+12Vを+3.3Vにする抵抗分圧です。10KΩ以上を使います。マイク端子の接続は回路図からとMC-50のマイクロホン取説からの確認です。
2番と4番を繋ぐと送信になります。
+12Vを+3.3Vにするための分圧抵抗は大体ですが、計算上、26KΩと10KΩですが、存在してる抵抗1本では10KΩはありますが26KΩはありません。近い値として27KΩがありますのでこれを使います。およそ抵抗を流れる電流は0.3mAです。
次回TS820本体に繋いで受信のRIT時の送信動作が上手くゆくか確認して見たいと思います。
つづく?
execution time : 0.017 sec