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FT-101ES パワーが出ない (2022/5/14 16:37:05)
FT-101ES パワーが出ないとのことでお預かりしました。
名機101は、国内海外ともにコレクターが多いことでも知られています。
内部は当時のままの状態でした。
オーナー様が真空管を交換されたものの、パワーが出ないとのことでした。
ギロチンなどの動作は異状ありません。
101にはいくつかのバリエーションがありますが、本機は、ドSなSではなく10W機のESモデルです。
測定の結果は30W出ました。
スプリアスの状態です。
101で100W機ともなれば、TVI・BCI などに苦労したことと思います。
受信感度測定。
ー123,0dBm
この時代の無線機としては優秀な感度です。
送信・受信がしっかりと調整されたFT-101は現在でも十分に通用します。
無線技士ということを堪能させてくれる名機です。
アマチュア無線技士に許可された無線機の操作が出来る喜びを味わうことができます。
球の黒化状態を見ながら寿命時間のいくばかりかを思う。 FT-101は生き物です。
100W改造について、記事を更新する予定です。
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ここから100W改造の記事です。
前記の状態では出力30Wでした。
ESモデルで10W機だから、30W出れば良いのでは?と思っていたのです。
オーナー様は「100Wは出るはず!」とのことです。
なるほど、真空管が2本付いていました。
100W改造について、点検してゆきます。
電源の改造。
0Vのタップ変更。
大型電解コンデンサーからの赤線がトランスの0Vに配線されているか。
点検の結果、赤線の0Vへの配線はOKでした。
元々0Vに配線されていた線が240Vに移動されていればOKです。
確認したところOKでした。
電源の状況は良しです。
真空管追加ソケットを取り付けた場所の配線を点検。
配線が間違っていました。
セラコンを取り付ける場所、容量の間違い、有るべきGND配線が無いなど。
真空管に負担がかかってしまいます。
ハンダ付けが不完全、いもハンダ状態です。
部品を取りました。
部品を取った状況。
ここは切断しなくてはダメです。
再構築しました。
12BY7A スクリーングリッド電圧の変更。
変更配線はOKでした。
以上の変更が終了したところで各部の電圧を測定します。
600VになっていればOK。
電圧OKです。
12BY7A グリッド電圧300VになっていればOK。
電圧OKです。
出力60Wです。
おかしいですね。。。
真空管の片方が死んでいました。
断線を認めました。
2本ならば100W出るはずです。
残念ですがここまでです。
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