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feed <正員数は4,043名減るも、全体の会員数は2年連続で増加>JARLの令和3年度末「年齢層別会員構成」「QSLカード転送処理枚数」などが判明 (2022/5/15 12:00:24)

一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)は先月、令和3年度(2021年4月1日~2022年3月31日)の事業報告を作成し、理事や社員など同連盟の関係者に配布した。その中で公表された2022年3月7日現在のJARL会員数と年齢層別の構成、男女比、無線従事者資格別分布、QSLカード転送枚数などを紹介する。

 

 

 

 JARLが作成した資料「令和3年度事業報告」によると、2022年3月7日現在のJARL会員数は「正員」が52,794名(前年同期は56,837名)、「社団会員」が1,337名(同1,370名)、「家族会員」が1,208名(同1,256名)、「准員」が10,737名(同6,325名)の合計66,076名となっている。これは前年同期(2021年3月7日現在)の合計数と比較して288名の増加となり、27年ぶりに前年度比で会員数が増加に転じた昨年に続き、2年連続の増加となった。

 

 2022年3月7日現在の正員数が前年度比で4,043名減り、准員が4,412名増加したのは 会員台帳整備を約9年ぶりに行った ことによるものだ。JARLは定款第7条で正員要件を「電波法に規定するアマチュア局の免許を有する者」と定めている。昨年度は10月末から期間を開けて2回にわたり総務省の「無線局等情報検索」サイトで会員のアマチュア無線局情報を確認、有効な局免許が確認できなかった会員5,914名にハガキを送り、返信がないなど免許の確認ができなかった約4,100名を、定款第10条の規定(局免許を失った場合は準員にする)に基づいて3月7日付けで准員に移行したことを公表している。

 

 今回の事業報告で公表された数値には「正員数」で前年度との増減を比較しているものがあるが、令和3年度は上記事情で正員数自体が4,043名減ったことを理解した上で読み解く必要がある。

 

 

◆年齢層別会員構成
 正員と家族会員の年齢層別会員構成は「5歳刻み」でグラフ化したものが掲載されている。

 

JARLの「令和3年度事業報告」に掲載されている2022年3月7日現在の正員と家族会員の年齢構成(※グラフを見やすくするため、画像加工を施しています)

 

 最も多い正員は66~70歳の9,879名。それに続くのは71~75歳(9,654名)でここのみ前年度から274名増加している。さらに61~65歳(9,142名)、56~60歳(8,148名)と続く。全体的に46歳以上から85歳に正員が集中している。40歳以下は合算してもわずか3.0%(1,576名)に過ぎず、前年同期より40名減少している。一方で70歳以上は32.0%(16,872名)で前年同期よりも1,343名増加している。

 

2022年3月7日現在の正員年齢層別構成と、2021年3月7日現在のデータとの増減比較(hamlife.jp作成)

 

 下のグラフは今回発表された正員の年齢層別構成と、1年前(2021年3月7日現在)、2年前(2020年3月7日現在)、3年前(2019年3月7日現在)、4年前(2018年3月7日現在)、5年前(2017年3月7日現在)および6年前(2016年3月7日現在)のデータを比較してみたものだ。

 

 5歳刻みで発表されていることや准員への移行者が多かった影響も考えられるが、この5年間で51~55歳、56~60歳の会員数が大きく減少した一方、71~75歳が急増していることが読み取れる。

 

 また「お試し入会キャンペーン」が実施されている25歳以下は、2021年との比較では16~20歳で減少しているが、15歳以下と21~25歳は微増している。キャンペーン開始前の2016年3月7日現在と比較すると、対象の各年齢層で増加していることがわかり、26~30歳の区分でも増加となっていることから、一定の効果があったといえるだろう。

 

2022年3月7日現在の正員年齢層別構成と、1年前・2年前・3年前・4年前・5年前・6年前の同データを比較したグラフ。折れ線グラフは2021年3月7日現在のデータとの増減比較(hamlife.jp作成)

 

 

◆会員数増減グラフ
 平成24(2012)年3月から令和4(2022)年3月までの会員数増減グラフが掲載されている。正員・社団会員・家族会員・准員の総計は、平成27(2015)年頃までは急激な右肩下がりが続いていたが、その後は減少に一定の歯止めがかかり、横ばいに近くなった。平成30(2018)年に入った付近から再び減少したものの、令和2(2020)年5月頃から増加に転じ、その傾向が定着している。

 

JARLの「令和3年度事業報告」に掲載されている会員数増減グラフ

 

 

◆男女比、エリア別会員数
 正員、家族会員、准員を合算した「男女比」は、男子が62,663名で全体の96.8%。女子は2,076名で3.2%。今回は男子が327名増加した一方、女子は6名が減少したが、男女比比率は昨年度と同じだった。昨年のような女性会員の大幅減少(女子全体の4.5%に相当する98名の減少、半数強は家族会員からの退会)は見られなかった。

 

JARLの「令和3年度事業報告」に掲載されている会員男女別構成

 

 エリア別会員数は下記の通り。コロナ禍の中、多くのエリアで会員数が増加し、前年比で会員数が減少したのは東海、東北、北海道の3地域だった。

 

JARLの「令和3年度事業報告」に掲載されているエリア別会員数

 

 

◆無線従事者資格別分布
 正員と家族会員を「無線従事者資格別」で見てみると、昨年度と同様、多い順に4アマ→3アマ→2アマ→1アマ→1・2総通→3総通→1・2陸技→航空通となる(不詳者を除く)。4アマの割合は年々減少し今回は29.4%(前年度は31.8%)に。一方で3アマの割合は26.3%(前年度は25.4%)に増加.2アマの割合は21.1%(前年度は20.5%)、1アマ割合は20.1%(前年度は19.4%)とこちらも増加している。

 

JARLの「令和3年度事業報告」に掲載されている無線従事者資格別分布

 

 

◆QSL・SWLカード転送状況
 この1年間にJARL QSLビューローが取り扱った、QSL・SWLカードの転送状況を見てみよう。年間の処理枚数は897万0,961枚で、昨年よりも5.3%(498,899枚)の減少となっている。このうち国内転送枚数は743万8,722枚で、昨年度よりも6.8%の減少となった。外国転送枚数は99万8,573枚と昨年度よりも3,679枚(0.4%)の減少となった。外国への転送だが令和3年度は4~7月と9~10月、1~2月の外国転送枚数が「0」となっている。昨年度と同様でコロナ禍の影響(海外向け小包などの受付停止)と思われる。

 

 なお、このデータは “QSLビューローが当月転送作業を行った枚数” で、会員や海外局からビューローへ到着したカードの枚数ではない。一昨年春のコロナ禍以降、アマチュア無線家の「おうちで無線」という風潮が高まり、一昨年夏にはRadio JARL.comで「わずか半月で50万枚もの転送用QSLカードがビューローに届いた」といった報告もあったほか、コンテストの書類提出者数やアワード申請数も増えていることから、会員からビューローへ送られてきたQSLカードの枚数自体は現在も増加傾向にあると推測できる。

 

 一方でコロナ禍により、QSLビューローの転送スタッフ(島根県)も三密を避けながらの作業体制となっているほか、保育園や幼稚園の一時休園や家族等に感染者や濃厚接触者が出たことで勤務を離れざるを得ないケースなどがあり、転送作業枚数が減っていると考えられる。(hamlife.jpスタッフの個人局の事例で恐縮だが、2022年4月末にビューローから転送されてきた国内局のQSLカード約130枚のうち、一番新しいものは2021年8月下旬の交信分だった。コロナ禍が収束しQSLカードの転送作業も平常に戻ることを願ってやまない)。

 

JARLの「令和3年度事業報告」に掲載されているQSL・SWLカード転送状況

 

 

◆JARL NEWS発送状況
 最後にJARL NEWSの発送状況を見てみよう。発行月平均で44,920部が各会員へ発送されていることがわかる。年度合計の前年比で2,934部の増加となった。
 なお3月31日現在で「コールサイン@jarl.com」のE-mail転送サービスの利用者は29,221名(前年比で65名の増加)、毎月5日と20日に送信される「JARLメールマガジン」の配信数は31,611件(前年比で1,159件の増加)であることが公表された。

 

 E-mail転送やメールマガジンの購読者はインターネットを日常的に利用していると推測できる一方、高齢の会員は現在も年4回郵送されてくるJARL NEWSを連盟情報を知る手段にしていると考えられる。

 

JARLの「令和3年度事業報告」に掲載されているJARL NEWSの発送状況とE-mail転送サービス、JARLメールマガジンの購読者数

 

 

 なお、ここで紹介したデータが掲載されているJARLの「令和3年度事業報告」は、現時点では一般会員向けには公開されていない。

 

 

こちらの記事も参考に↓
<局免許が確認できない正員 約4,100名を準員に移行>JARL、「局免許が確認できない会員の調査と准員移行措置について」を報告(2022年2月9日掲載)

 

 

 

●関連リンク:
・JARL Web
・局免許が確認できない会員の調査と准員移行措置について(JARL Web)

 

 

 


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