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ICB-880T 治るでしょうか (2022/5/28 9:48:19)
ICB-880T 自分で修理するも断念。 治るでしょうか。
とのことでお預かりしました。
バラバラに分解された状態で届きました。
ボディー
ツマミなどのパーツ
裏蓋
Sメーター
アンテナ取り付け部が割れていました。
アンテナ関連の部品です。
接着しました。
電源ON、現状を把握します。
受信感度低下、送信出力低下、スケルチ不良、Sメーター使えず
完全に死亡しているわけではないようです。
最低限のPLLが発振しているので、これなら何とかなるかも知れません。
コンデンサー液漏れ跡です。
基板腐食のところが補強されていました。
液漏れあとが補強されています。
ここは不完全です。
パターンめくれ。
主な電解コンデンサーは交換されていました。
たいへん良くみてあり、ご苦労されたあとがあります。
スケルチ不良。
スケルチ制御トランジスターQ8を交換しました。
しかし、スケルチボリュームを操作してもコレクタ電圧が上がってきません。
D6を交換するも同じです。
基板を追いかけてゆくとR38がグランドに落ちていないことがわかりました。
レジストを剥がしてみると、腐食によりパターンが断線していました。
配線を引きなおしました。
グランドに落ちるようになり、スケルチがかかるようになりました。
Sメーター使えず。
修理した跡があり、ヒゲゼンマイがグシャグシャになっていました。
残念ながらヒゲゼンマイはNGです。
ご苦労されましたね。
メーターの中身だけを移植します。
SONYのSメーターはゼロ点が右側で左に振れます。
手持ちのあった同様の振れ方メーターです。
0点の向き。
中身を移植します。
針の赤色は、シャチハタインクで塗装しました。
300uA スケールなので指示が合いませんが、目印には使えるかと思います。
バッテリーインジケーターの指示に合うように抵抗を交換しました。
受信感度の指示は残念ながら見合う抵抗値がありませんでした。
送信出力低下。
調整ボリュームが取り付けられていたので取り外しました。
送信バッファー、送信駆動トラジスターを交換しました。
送信するとブーブーとノイズが乗ってしまいます。
交換されたコンデンサーの足が折り畳まれ、基板のジャンパー線とショートしていました。
足をカットし、接触しないように取り付けました。
これにより、VCOのトランジスターが破損していました。
交換後にブーブーノイズは消えました。
受信感度低下。
検波ダイオード、中間周波数増幅トランジスターなど交換しました。
受信感度が回復しました。
基板にテストポイントを付けて各部を調整します。
VCO電圧。
それぞれの状態、
中間周波数調整。
基準発振調整。
PLL出力調整。
ダブラー調整。
いずれも発振が最大になるよう調整します。
周波数。
27,144Mhz
出力 0,5W
スプリアスの状態。
受信感度。
ー124,0dBm
アンテナを伸ばした状態にて、
アンテナローディングコイルを最大に調整しました。
貴重な「ガンダム」カラーの無線機です。
バラバラだったけれど、捨てられなくて良かったですね。
またオーナー様に可愛がってもらってください。
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