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携帯回線の障害に備えてデュアルSIMのIP無線機の導入を検討してみては? (2022/7/9 0:22:57)
先日のKDDI(au)の回線障害は記憶に新しいところです。
携帯回線は様々なところの「インフラ」として活用されており、回線が不通になる前提で考えられていないと言うことも分かってきました。
しかし、実際の所、携帯回線は様々な要因で使えなくなることも経験的に学んで来ました。
残念なことにau回線を使用しているIP無線も影響を受けてしまいました。
そこで今回は、複数のキャリア(通信会社)の携帯回線を使用して連絡を取り合う通信システム、デュアルSIMの「IP無線機」に注目してみました。
▲写真はIP700のSIMスロット、auとdocomo、2枚のSIMが使えることが分かる。
デュアルSIM機を検討してみよう
IP無線機は基本的に携帯電話の技術が使用されていますので、通信を行うためには「SIMカード」が必要になります。
携帯電話会社が提供しているIP無線機は、自社の回線を使用することが前提となっていますので、使用できるSIMは1枚だけ。
しかも自社回線以外は使用できませんので、先日のような携帯回線の通信障害が起こった場合は、復旧するまでIP無線機は使用できないことになります。
そこで、通信キャリア以外でIP無線機を提供している会社では、異なる通信キャリアのSIMカードを複数(2枚)使用できる「デュアルSIM」のIP無線機を提供しています。
アイコムはデュアルSIM機のラインナップが豊富
今回ご紹介するのは、アイコムのIP無線機です。
通信機メーカーとしても歴史があり、近年ではIP無線機の分野にも積極的に製品をリリースしています。
通信に使用する回線契約については、記事の後半でアイコムがMVNOとなって書いて院を提供すると言うことを解説していますので、この記事を是非最後までお読みください。
●IP502H IPトランシーバー
IP500シリーズからは、デュアルSIM対応のIP502Hを紹介します。
IP500HからIP501H、そしてIP502Hと使用できるSIMの自由度が高くなっています。
厳密に言うとIP500HはSIMを必要としていませんが、au回線でのみ通信を行うこととなっているので、ある意味シングルSIM機と捉えることができます。
IP500Hはauのみ、IP501Hはauもしくはdocomoのどちらか、そしてIP502Hは待望のデュアルSIM対応(au・docomo)となりました。
導入事例(一部シングルSIM機の導入事例を含みます)
・ サニー産業株式会社(IP502H)
・ 山形県鶴岡市
・ 大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro)(IP500H)
・ 日本航空株式会社(IP501H)
関連リンク
・ アイコム IP502H
●IP501M IPトランシーバー
アイコムでは、ハンディータイプだけではなく、車載型IPトランシーバーのラインナップもあります。
●IP700 ハイブリッドIPトランシーバー
アイコムはIP無線機とデジタル簡易無線機を合体させたハイブリッドトランシーバーを作ってしまいました。
ロングレンジの交信にはIP網を、ショートレンジの交信にはデジタル簡易無線、といった使い方ができるトランシーバーです。
デジタル簡易無線は、登録局(3R・351MHz)と免許局(3B・467MHz)のデュアルバンド仕様となっています。
携帯回線と、デジ簡による直接波の交信と二刀流(三刀流?)のハイブリッドトランシーバーです。
導入事例
・ 千葉県南房総市消防防災課
使用する回線はアイコムと契約します
今回ご紹介しているデュアルSIMの、アイコム製IP無線機ですが、携帯回線の契約が必要です。
アイコムのデュアルSIM機の場合は、auとdocomoの回線契約が必要ですが、回線契約自体はアイコムと契約することになっています。
アイコムがMVNOとなって回線を提供しています。
MVNOは「Mobile Virtual Network Operator」の略で、仮想移動体通信事業者と日本語では表現されています。
アイコムが、auやdocomoから回線を借り受けて、それをIP無線の契約者へ再販するという仕組みです。
アイコムのIP無線機を購入(導入)したユーザーは、アイコムと直接回線契約を締結しますが、契約の手続きについては、IP無線機を購入した販売店が行ってくれます。
IP無線機の導入は、メーカーもしくは、アイコムの業務機やIP無線機を扱っている業者へお問い合わせください。