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TM-702 電源がOFFにならない (2022/9/1 11:29:35)
TM-702 電源がOFFにならないとのことでお預かりしました。
電源OFFの状態ですが通電しており、送信になってパワーが出ます。
電源ONにすると表示が全点灯します。
これは重症です。
コントロールユニットから調べます。
いろいろ手直しされていました。
LCDと接続するコネクタがひどい状態です。
補強した跡がありますが、ズレておりショートしています。
何とかなるかも知れません。
パターンを洗浄、ハンダメッキで補強。
コネクタの足は真っ直ぐに修整しました。
取付けました。
表示が正常になりました。
電源OFFで通電し、パワーが出る状態は相変わらずです。
コネクタの異状だけではないようです。
バックライトの麦球は交換されています。
LED化しました。
点灯を確認しました。
再ハンダにて手直しされた場所がブリッジしていました。
ディマーコントロールのトランジスタ周辺を調べます。
手直しされた場所。
どこかがショートしている可能性があります。
電源が回っているパターンを総当たりに調べると、チップ抵抗に導通が無いのを発見しました。
トランジスターを外しました。
良く見ると、チップ抵抗に縦スジが入っています。
チップ抵抗が割れていました。
同じ抵抗値のリード部品に交換しました。
外したトランジスターを測定します。
異状ありませんでした。
コントロールユニットの電解コンデンサーを交換しました。
容量220uFのコンデンサーで小型のものがなく、いちばん小さいものは面実装品でした。
出っ張りました。 横倒しにしても無理でした。
逃しの穴を開けました。
なんとか収まりました。
ここまでやってもダメです。
電源OFFでもこの状態、パワーもでます。
10Wくらい出ています。
電源ONでは正常に使える状態なのです。
パワーも正常に戻って、送信・受信もOKになります。
どうやら、コントロールユニットが原因ではないようです。
原因がパワースイッチに関連していること。
スイッチをOFFにすると、ファイナルに送信時8Vが掛かってしまいます。
パワーが出てしまう原因です。
いよいよ迷宮入りですね。。。
外観で異状が見えるなら良いのですが、ICほか、半導体がNGなのはホントわからないんですよ。
本体側をファイナル、電源スイッチから逆にたどってゆくと、どうやらここが異状だとわかりました。
Q18 POWER SW
パワースイッチがON・OFFに関係なく電流がダダ漏れでした。
Q18
部品を外した状態では電源が入りません。
テスターをトランジスターのパターンEC間にあててみるとパネルが点灯しました。
ショートさせている状態なのですが、これはテスターのアンペア(A)レンジで行います。
Q18を取り外しました。
2SB1302
Ic電流はー5Aのトランジスターです。
手持ちのあったトランジスターに交換しました。
2SA1213
Ic電流はー2Aですが使ってみましょう。
交換しました。
電源OFF。
パネル消灯、電源も切れました。 パワーもでません。
長かったですが終わりました。
交換した部品です。
測定と調整。
周波数調整。
出力。
145Mhz 25W
433Mhz
30W
スプリアス良好。
145Mhz
スプリアス良好。
433Mhz
受信感度。
145Mhz ー124,4dBm (SINAD)
433Mhz
ー126,0dBm (SINAD)
受信感度スペックシールを添付しました。
TM-702はDUAL表示にすると、右上に小さくサブ周波数が表示されるのが可愛らしいですね。
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