無線ブログ集
メイン | 簡易ヘッドライン |
【IC-705】V/UHF SWR検出回路のマズさ (2022/9/24 22:20:21)
■IC-705のVSWR検出機能
どのアマ機にもついているVSWRの簡易計測機能。もれなくIC-705にもついていますが、これの145/430MHz帯の検出値、特に430MHzがやたらに高い傾向にあります。
理由の一つとしては、本体はBNCに対し常置場所で使う場合にはMコネ等が多く、それに合わせる為に使う変換コネクタの特性の悪さがあります。こちらに関しては 以前にも記事にしました。
ところが、変換コネクタにいくら気を使って、アンテナはVNAやアンテナアナライザー等を用いバッチリ調整したとしても常に高めを表示します。
「いくらなんでもこれはおかしい」 、ということで、検証してみました。
■そもそも正しいのか?
まず、50Ω/BNCタイプのダミーロードを使います。このダミーロードはプロ用の正確なものです。
送信接続してみると、ビタビタに1.0。これは合っている様です。
では、振り返りも兼ねてBNC→Mの変換コネクタ。くどいですが、一応プロの世界で使うメーカーもので、Mコネと言えども特性が非常に良く、お値段も良い・・・・\5,000/個です!
で、こちらはと言うと2.0。やはりずれています。
===おまけな話===
なんでやねん、と思い、コネクタ部をいじって見たところ、 あることをする と下がります。
お分かりいただけるだろうか?
ほぼ引っこ抜けんばかりの状態にすると、1.4まで下がります。
==========
次は、”理論的に”VSWR2.0の状態を作り出します。即ち100Ωないし25Ωの負荷を接続します。
今回は50ΩをT型分岐を組み合わせ25Ωのダミーロードを作ります。
すると、VSWRは2.5。+0.5の高め誤差があります。
■もしや・・・・?
ふと気づいてやった実験がこちら。
単純にBNC-BNCの30cmケーブルの先にダミーロードを接続した状態です。
まずは、先程の50Ω/BNCから。これはBNCのメス/メスの中継コネクタが間に入りますので、ちょっと不利になります。
それでも、VSWRは1.0。
次は、先程使ったBNC-Mコネ変換コネクタをBNCケーブルの先に接続した場合。こちらもBNC-BNCのメス/メス中継コネクタが介在しますので、更に不利になるはず・・・ですが。
はい、 見事VSWRは1.0。
■検出回路超直近の定在波が影響する
ということで、IC-705のV/UHF帯でSWRが高すぎで困っている方がいらっしゃると思います。
通常は、”変換ケーブル”よりも”変換コネクタ”のほうがインピーダンスミスマッチが起きにくくロスも少ないことから、選択としてはベターです。
しかしながら、どうやらこのIC-705に至っては、VSWRの検知回路とコネクタの位置関係が悪いのか、リグ本体から出てすぐの不整合は超気に入らない様です。
*可能性としてはScd11(モードコンバージョンロス)で誤検知していると推測。
IC-705と変換コネクタを使っていると、割りと簡単に3.0を越えます。
VSWRは3.0まで上がると理論的には75%まで進行波が落ちてしまいます。
もちろん受信側はS/Nの悪化で見えてきます。
回避策としては、 ☓変換コネクタよりも○変換ケーブルを使う 事をオススメします。