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<50MHz帯のコンディションが上昇中>10月5日の夜、カリブのPJ4MM(オランダ領ボネール島)がロングパスで入感 (2022/10/7 11:30:00)
「サイクル25」の太陽活動が活発になり、HFハイバンドだけでなく50MHz帯もDX局の入感で賑わうようになってきた。2022年10月4日の朝はJA1エリアでこの秋で初めてとなるLU(アルゼンチン)やCE(チリ)がFBにオープン。翌10月5日の朝には再度JA1でCEがオープンした。さらに10月5日の夜間には方位約210度のロングパスでカリブ海(オランダ領ボネール島)のPJ4MMがJA1~JA4エリアで入感、JA3とJA4の2局が交信に成功した模様だ。また、きょう10月7日の朝も南米方面が良好でイースター島のCE0YHOが2サイクルぶりに入感した。
カリブ海にあるオランダ領ボネール島(PJ4)の位置。10月5日夜の入感はJAから210度方向のロングパスだった。地図 (C)Google
千葉県のJG1TSG 下野さんからhamlife.jpに届いたリポートを抜粋・補記の上で紹介する(日時はすべてJST)。
★何十年ぶり? 50MHz帯でカリブがロングパスで入感!
10月4日(火)、JA1エリアでこの秋初めてLU(アルゼンチン)とCE(チリ)がFBにオープンしました(JA1エリアでは昨年11月と今年3月にも南米方面がオープンしています)。さらに10月5日(水)の朝には再度JA1エリアでCEがオープンしました。
この日(10月5日)の夜には、ついにカリブがロングパスでオープンしました。サイクル24ではヨーロッパ方面とのロングパスはありましたが、210度から入感するカリブの記録はありません。したがってサイクル23以来、何十年ぶり?かでの入感となります。
10月5日の夜、当地(千葉県鴨川市)では50MHz帯FT8で、YB(インドネシア)局が強いフラッタを伴いながら強力に入感していました。それをモニターしていると、突然YB局がカリブのPJ4の局(オランダ領ボネール島=ベネズエラ北方の島)とQSOを始めました。YBがPJ4に送ったレポート(SNR)は“+”でした。
それから少し経つと、なんとJA1、JA2、JA3、JA4でもPJ4MMが入感し始めました。私自身PJ4MMは50MHz帯のEMEとEsでQSO済みなので静観していましたが、ピーク時には-12(SNR)で入感していました。QSOはJA3とJA4の2局が成功しています。この局以外のカリブは入感しませんでした。
10月5日の23時前後、50MHz帯FT8で入感したPJ4MMのデコード。JA3エリアとJA4エリアの2局が交信に成功した模様(JG1TSG 下野さん提供=画像内の日時はUTC表記)
PJ4MM局の設備は海抜70mの場所に建てた7エレメントのLFAビームに、IC-7300+1kWリニアです。毎年10月10日前後は“6mバンドの特異日”となりますので、再度ロングパスがあるのか楽しみです。ちなみに10月5日の太陽活動はSSN、SFIともに150を超えていました。
PJ4MMのアンテナ。50MHz帯は海抜70m地点で7エレメントのLFAビームを使用(QRZ.comより)
最近の太陽黒点数の推移。10月3日以降(UTC)は150前後と好調だ
10月6日(木)は19時頃からアフリカに区分されるFR(レユニオン島=マダガスカル東方のインド洋上)や3B8(モーリシャス=インド洋上)がFT8で強力に入感しました。
この春には南アフリカのZS6AYEとも50MHz帯FT8でQSOしましたが、これはサイクル25初のJA-ZSで、同時に「サイクル23以来のJA-ZS」でもありました。サイクル25は初の“デジタルのサイクル”です。太陽黒点数が低くてもこれだけのDXができるのですから凄いです。まだサイクルの入り口ではありますが、すでにこのZSの入感や今回のカリブのロングパスだけをとってもサイクル24を超えてしまった感があります。
「FT8はフラッタのかかった信号には弱いので、ロングパスの信号はうまくデコードできないだろう」と言われていましたが、FT8は6mのロングパスにおいても有効であることがわかったのは大収穫でした。
さらに今日、10月7日(金)も朝から50MHz帯で南米方面が強力にオープン。8時台にはサイクル24では入感しなかったイースター島のCE0YHOがFT8で今サイクル初入感しました。しばらくは6mバンドから目が離せません。
10月7日朝も南米方面が良好にオープン。イースター島のCE0YHOがFT8で今サイクル初入感した(JG1TSG 下野さん提供=画像内の時刻はUTC表記)
●関連リンク:
・DXSCAPE JA-50MHz
・PJ4MM(QRZ.com)