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ICB-880T 送信・受信ができない (2022/10/19 21:28:36)
ICB-880T 送信・受信ができないとのことです。
アンテナの緩みを増し締めしました。
必ず実施する項目です。
通電を確認しました。
Sメーター不動、送信・受信NG、基板の状態が悪くパターンが腐食しています。
音は出ます、インジケーターも動きます。
不動品ジャンクとして流通しているものだと思いますが、なんとかなるかも知れません。
RFの配線が断線していました。
コンデンサーの液漏れによりパターンが腐食しています。
緑色のレジストを剥がして、関係している周辺の部品を全て外します。
パターンはボロボロで失われていました。
断線状態です。
アルコール洗浄後、失われたパターンを修復して部品を取付けました。
緑色のレジストを塗布しました。
パターン腐食。
サービスマニュアルでパターンがどうなっているか確認しながらの作業です。
修復後、レジスト塗布しました。
パターン腐食。
パターンはこうなっているように見えますよね。
修復したパターンです。
違いますよね。
バイパス配線をする場合などを含め、パターン図や回路図が必要になります。
オーナー様が自分で修理したものは、ハンダブリッジの有無なども点検します。
PTTスイッチの切れが良くありません。
スイッチを取り外しました。
接点洗浄、研磨しました。
送信ができません。
終段ファイナルトランジスターが不良です。
2SC2314
オーナー様が交換したものですが、偽りフェイク品だったとのことでNGです。
高周波特性に伸びがありません。
廃品種のトランジスターは、印字だけ変えたフェイク品が多いらしいのが現実です。
汎用品で何とかなる方法を考え、手持ちのトランジスターをいくつか試した結果、高周波用トランジスターでもパワーの出は今ひとつでした。
2SC1815はft=80Mhzと高周波向けのトランジスターではありませんが、いちばん期待ができるパワーを出してくれました。
2SC1815GR品を3個並列です。
電流が片寄らないように1Ωの抵抗を入れる場合も試しましたが、抵抗の有無での変化は感じられないのがわかりました。
抵抗が無いコンパクトな方法にしました。
実装しました。
バイアス電流調整のため抵抗値を変更しました。
放熱用のグリスを塗布しました。
放熱板に取付けました。
出力 0,4W
変調時プラスです。
スプリアスの状況。
周波数。
27,144Mhz
受信感度を最大に調整しました。
受信感度。
ー122,0dBm
Sメーター感度。
ー73dBm受信のとき、
Sメーター指示9で標準です。
アンテナを伸ばした状態にて、
アンテナローディングコイルを最大に調整しました。
交換部品です。
パターン腐食場所のダイオードはリード足ダメージのため交換しました。
貴重なガンダムカラーの無線機です。
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追加記事。
偽りフェイク品のファイナルトランジスターを入手したのは残念なことでした。
オーナー様に元々付いていたトランジスターを郵送していただきました。
測定結果はOKです。
使えます。
取付けました。
出力 0,5W OKです。
スプリアスの状態です。
オリジナルのファイナルになりました。
execution time : 0.022 sec