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<京都大学生存圏研究所の巨大電波施設>10月15日開催「信楽MUレーダー見学ツアー2022」参加リポート (2022/10/28 15:00:24)
国立大学法人 京都大学の生存圏研究所が滋賀県甲賀市信楽(しがらき)町に設置している「信楽MUレーダー」は、VHF帯の46.5MHzで尖塔電力1,000kWのハイパワーを475本のクロス八木アンテナを用いて上空に発射し、対流圏から熱圏と電離圏領域の観測を行っている巨大な施設だ。同施設は毎年秋に一般向けの見学ツアーを行っているが、2022年10月15日に開催された今年のツアーに参加したhamlife.jp読者から詳細なリポートが届いたので紹介しよう。
信楽MUレーダーのアンテナ群
アンテナの説明を聞く参加者
日頃からhamlife.jpを拝見し、アマチュア無線活動の参考にさせていただいております。このたび記事で知った京都大学生存圏研究所の「信楽MUレーダー見学ツアー2022」(10月15日開催)に参加いたしましたので、写真を送付させていただきます。
10月15日、晴天に恵まれ計画通り上記見学ツアーが行われました。私は兵庫県姫路市より自家用車で訪問しました。駐車場はあまり余裕がなく、自家用車での訪問は申し込み時に申し出ておく必要があります。施設直近の道路は狭く、路面状態も良くはないので、信楽駅からの送迎バスでの訪問の方がベターのようです。
施設案内板
私は午前の部に参加させていただき、現地には9時40分頃に到着しましたが、すでに10名程が到着されており、早々に受付を済まされ、施設入口付近に展示されていたラジオゾンテ(実物)などを見学されていました。
ほどなく送迎バスも到着し、約50名の参加者が揃い、研究室の山本先生からツアーの概要、施設の紹介がありました。その後、2グループに分かれて片方はMUレーダーの管制システムの見学、もう片方のグループは巨大なアンテナ群の見学へと進みました。
信楽MUレーダーの概要説明
レーダー管制システムの紹介
アンテナ見学のため施設内を移動
アンテナの説明
アンテナの説明
クロス八木アンテナが475本設置されている
施設の内容については過去のhamlife.jpの記事や、一般参加者のブログ記事に詳細がありますので割愛しますが、アマチュア無線を一生の趣味と考えている私にとって、大変興味深い内容が多々ありました。送信装置のスプリアスについての質問や、送受信装置のメインテナンスに関する製造メーカーの対応についての質問に丁寧に答えてくださった山本先生には大変感謝いたします。
送受信装置の紹介
送受信装置のパネル
送受信装置の背面
送受信ユニット
送受信ユニットの制御装置
同軸ケーブル群
同軸ケーブルは各アンテナに接続されている
施設内の移動はすべて徒歩になりますが、敷地は広大で、参加者は汗ばむ陽気にハンカチを片手に説明を聞き入る方もおられました。
施設の見学後にはラジオゾンテの放球を見せていただきました。参加者のお子さん4名でバルーンや送信機を手に取り、担当者の方のカウントダウンにより見事に放球が行われました。その後はラジオゾンテからリアルタイムで送信されてくる気象データのモニター表示で、上空の状態をご説明いただきました。
ラジオゾンデの紹介
子供たちがラジオゾンデを放球
参加者の中には、私以外にもアマチュア無線家の方が数名おられ、ハンディ機をお持ちの方はラジオゾンテから発信される電波を受信されていましたが、電波は非常に強力で、かなり長い時間ハンディ機で受信することが出来ていたようです。私も解散後にモービル機でラジオゾンテからの電波を受信しながら帰路につきましたが、施設からかなり走行してもクリアに受信できていて驚きました。気象状況にもよりますが、バルーンは放球後1時間程度上昇を続けるそうです。
放球したラジオゾンデ
今回、初めてこのツアーに参加させていただき、非常に印象深かった点が一つあります。それは、今回お世話になりました京都大学の諸先生方、スタッフの方々のご対応が非常に丁寧で、ご説明内容のみでなく、立ち居振る舞いや物腰の柔らかさは本当に気持ちの良いものでした。この場をお借りして本日ご対応いただきました関係者の方々に感謝申し上げます。また機会があれば訪問させていただきたいと思います。
(投稿/JO3SVN 田中和志さん)
こちらの記事も参考に↓
<周波数46.5MHzで475本のクロス八木アンテナ使用、出力は驚異の1,000kW>10月15日(土)、京都大学が「信楽MUレーダー見学ツアー2022」を実施
【写真で見る】<46.5MHzで送信出力1000kW、クロス八木アンテナ475本>アンテナと送信機に圧倒!! 「信楽MUレーダー」見学ツアーの模様 (2016年10月掲載)
●関連リンク:
・信楽MU観測所
信楽MUレーダー見学ツアー2022概要(京大ウィークス2022)
・MUレーダーとは?
・京都大学 生存圏研究所