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<アマチュア無線の活用機会拡大から免許手続の迅速化や制度の簡素合理化まで>総務省、電波法施行規則等の一部を改正する省令案等の制度改正案に対し12月16日まで意見公募 (2022/11/16 16:20:58)
総務省は「アマチュア無線の体験機会や活用機会の拡大、デジタル化の推進、免許手続の迅速化や制度の簡素合理化による申請者の負担軽減や申請処理期間の短縮、行政の効率化等を行なうための、制度の明確化、整理や簡素合理化、その他の所要の規定の整理等の制度改正を行います」として、関連する「電波法施行規則等の一部を改正する省令案等の制度改正案」を作成し、11月17日から12月18日まで1か月間にわたり一般からの意見公募(パブリックコメント)を行うことを公表した。日本のアマチュア無線制度において大規模な改正内容と言えるだろう。
総務省による制度改正案のポイントを挙げてみよう。
★無資格者のアマチュア無線体験は、免許人の責任および監督下で実施できる。
手続不要、体験局の開設も不要、無資格者の年齢制限なし。
★アマチュア無線が教育・研究活動で活用できることの明確化
アマチュア業務の定義に「教育又は研究活動のために行う無線通信業務」を明記。
★無線従事者免許とアマチュア局免許の「同時申請手続」の導入
開設・運用までの期間を大幅短縮。
★アマチュア局に係る電波の型式、周波数及び空中線電力の一括表示記号の導入
無線局免許申請書の記入が大幅に簡略。4アマの移動局なら免許状に「4AM」と表示。
★技術基準適合証明等を受けた無線設備の取替・増設・撤去は「届出」の手続きが可 能に
★送信機の外部入力端子に「特定附属装置」(パソコン、マイク、ファックス、ビデ オカメラ、電鍵等)を接続する場合、工事設計書の記載は不要で手続きや検査も不 要
★ライトユーザー用に見やすく・わかりやすい無線局免許申請書等の特例様式を導入
★養成課程が「eラーニング」と「対面式授業」の組み合わせが可能に
★アマチュア局の再免許の申請期間の見直し
現在は有効期間の1年前から1か月前まで可能だが、これが6か月前からに見直し。
★非常時や緊急時は「他人の依頼による通報」が行えることも明確化
★バンドプランの簡素合理化
例えば7MHz帯は「A1A」が7.000~7.030kHz、「全電波型式」が7.030~7.200kHzに。
★遠隔操作についての簡素合理化
送信地点(常置場所か設置場所)と遠隔操作を行う場所のどちらも免許人が所有または管理する一の構内(自宅地内やマンションの自室内など)の場合は遠隔操作に含まない。
総務省は今年1月から、ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線に係る制度・環境等の実現に向けての助言・提言を有識者から得ることを目的に「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線アドバイザリーボード」を毎月1回のペースで検討会を開催( 2022年8月4日記事 )してきた(各回の議事要旨や、議事で配付された資料は総務省のホームページ内で公開されている)。
今回、「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線アドバイザリーボード」でとりまとめられた「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用に関する提言」などに基づき、ワイヤレス人材育成の裾野を広げるための、アマチュア無線の体験機会や活用機会の拡大、デジタル化の推進、免許手続の迅速化や制度の簡素合理化による申請者の負担軽減や申請処理期間の短縮、行政の効率化等を行うための制度改正を行うため、「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正案」と、関連する「電波法施行規則等の一部を改正する省令案」などを作成し、広く一般からの意見を募集すこととなった。
●ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正案に対する意見募集(一部抜粋)
1.背景
ワイヤレス人材育成の観点からアマチュア無線をより活用しやすい制度・環境等の実現に向けて、令和4年1月から開催された「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線アドバイザリーボード」(座長:藤井 威生 電気通信大学先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター教授)において、同年8月に「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用に関する提言」が取りまとめられました。
本提言等を踏まえ、ワイヤレス人材育成の裾野を広げるための、アマチュア無線の体験機会や活用機会の拡大、デジタル化の推進、免許手続の迅速化や制度の簡素合理化による申請者の負担軽減や申請処理期間の短縮、行政の効率化等を行うための制度改正を行うため、「電波法施行規則等の一部を改正する省令案」等について、別紙1「定めようとする命令等及び根拠法令条項一覧表」のとおり制度改正案を作成しました。
つきましては、当該省令案等に対して意見募集を行います。
2.意見公募手続
(1)意見募集対象
・定めようとする命令等及び根拠法令条項一覧表のとおり。
・ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正案・概要
(2)参考資料
・ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正案・要旨
(3)意見提出期間
令和4年11月17日(木)から同年12月16日(金)<必着>(郵送による提出の場合、締切日の消印有効とします)
公表された「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正案」の概要(項目)は以下のとおり。
ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正案(概要)
~アマチュア無線の体験機会等の拡大及び免許手続の迅速化・制度の簡素合理化等~
1.アマチュア無線や電波の楽しさ等を知る・学ぶ体験機会や活用機会の拡大
(1) アマチュア無線の体験機会の拡大
(2) アマチュア無線が教育・研究活動で活用できることの明確化
2.アマチュア局の開設・運用までの迅速化及び免許制度の簡素合理化
(1) アマチュア無線従事者免許とアマチュア局免許の同時申請手続の導入
(2) アマチュア局に係る電波の型式、周波数及び空中線電力の一括表示記号の導入
(3) アマチュア局に係る技術基準適合証明等を受けた無線設備※の取替・増設・撤去に係る簡素合理化
(4) 送信機の外部入力端子に接続する「アマチュア局特定附属装置」に係る簡素合理化
(5) アマチュア無線の初心者やライトユーザーにとって見やすく・分かりやすい免許申請書等の特例様式の導入
(6) 養成課程における e-ラーニングの積極的活用
3.その他アマチュア無線に係る制度の明確化、整備及び簡素合理化等
(1) アマチュア局の再免許の申請期間の見直し
(2) 人工衛星等のアマチュア局※に関する制度の明確化及び整備
(3) アマチュア局の非常時や緊急時の通報に係る制度の明確化
(4) アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別の簡素合理化
(5) 行事等の開催に伴い臨時かつ一時の目的のために運用するアマチュア局の明確化
(6) アマチュア局に係る一の構内で行われる遠隔操作についての簡素合理化
(7) アマチュア局の旧コールサイン申請時の確認書類の簡素合理化
(8) アマチュア無線社団局のいわゆるゲストオペレーター制度の規定の明確化
(9) アマチュア局の周波数測定装置に係る規定の整理
(10) その他
4.その他
詳しくは記事下の「関連リンク」から確認してほしい。
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<4項目で合計25の提言>総務省「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線アドバイザリーボード」が「アマチュア無線の活用に関する提言」を公表
●関連リンク:
・総務省
ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正案に対する意見募集
・総務省
ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正案(要旨)(PDF形式)
・総務省
ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用に関する提言(PDF形式)
・総務省
ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線アドバイザリーボード(議事次第・配付資料/議事要旨