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link ZCR/bLOG ZCR/bLOG (2024/11/24 9:35:36)

feed GreenCube MEO (2022/11/29 0:24:08)

7月に打ち上げられた中軌道衛星(MEO) GreenCube ( グリーンキューブ ) 、最近になって 435MHzのデジピータが解放された。
なにしろ 高度が 6000kmくらいあるので、ヨーロッパ全域(あるいは北米全域)との交信も可能なのである。

Wire-framed outline of GreenCube


GreenCube の本来の目的は、超小型衛星での自律的植物栽培実験ということらしいが、それについてはリンク先をご覧いただくとして、ここでは 空飛ぶデジピータ *1 としての GreenCubeに焦点を絞ることとする。

衛星の形態は いわゆる 3U。一辺10cmの立方体 3個を積み重ねた形だ。アンテナは 公表された 調整中の写真や イラストから 1/4波長のホイップを 4本移相合成した ターンスタイルと推定した。

ターンスタイル・アンテナは エレメント展開面と垂直方向には円偏波を放射するが、展開面と平行方向への放射は 直線偏波となってしまう。GreenCubeが軌道上で どのような姿勢 *2 でいるのか定かではないため、偏波については注意が必要である。

公称の周波数は、435.310MHz *3 。電波型式は 1200bpsのパケット(PKT)だが GMSKであり、以前ポピュラーだった AX25.でもないため 大昔のTNCではデコードすることができない。




11月6日

手動追尾VFOと Soundmodemで GreenCubeの Beaconと思われる信号はデコードしたものの、その先には進めず。

約2時間半後のパスで XXK AFZ FIHの国内3局を手動運用で受信。試しに送信してみたところ、まぐれでACK返ったけれどデジピートされず。LBW FCJの2局に呼ばれたものの、返すこと能わず。

PCによる Rig Control *4 は必須であろう。それに、仰角20度超えると 仰角5度の12エレ *5 では もうかなりキツい。6000kmは遠い。

W5CBF *6 から FIH局に送られたメッセージを受信して感動する。デコードできたりできなかったり、各局でバラバラのようだ。




11月7日

それなりに有名なソフト SatPC32 を導入 *7 し、四苦八苦して設定。いちおう起動したものの、使い勝手が特殊 (^^;)。 *8

19時のパスで ついに W5CBF、WA5KBH *9 、FIH局と交信。その後の 21時のパスで XXK局ほかのJAsとも交信できた。


なお、SatPC32は パケット信号のデコードまではやってくれないため、デコードは soundmodem を、デジピーティング・クライアントとしては GreenCubeDigi を使用。

greenTNC.bat

 @echo off
start C:\tools\HAM\GreenTNC\soundmodem.exe
start C:\tools\HAM\GreenTNC\GreenCubeDigi.exe




11月8日

7日から引き続いて 00時を跨ぎ、00時~01時台のパスで BG7XWF BG5UZW VU2LBW A65BR K8DP *10 らと交信。

いったん仮眠して 次の05時台のパスで IK7EOTと交信。ついにヨーロッパまで来た!!


この後、GreenCubeは 1週間のメインテナンスに入るとの メッセージが公表された。

この間、周波数追尾の微調整を実施。また、SatPC32以外の Rig Controlソフト hamlibの rigctldと Gpredictでも 一応の追尾は可能であることを確認。

rigc.bat *11

 @echo off
rem IC-9700のメニューで CI-VとREMOTEを切断する。
rem GreenCubeの場合、IC-9700はサテライト・モードではなく 通常のスプリット運用モード。
rem GpredictのRadio Control画面で デフォルトの周波数を手打ちする必要あり。
path C:\tools\ham\hamlib-w64-4.5\bin
start rigctld --model=3081 --rig-file=COM4 --ptt-type=DTR -vvvv




11月16日

GreenCube デジピータ運用再開。

I4EUM IW7DOL VA7LM NA1SA DU9JJY らと交信。




11月17日

次のパスは日付を跨いで 03~04時台 DL5GAC DL6KBG KB6LTY WA5LRC と 交信。

いったん睡眠。Now Gonna sleep again. CU!


07時台 スペイン EA1DR EA4CYQ EA4SG、スコットランド 2M0SQL と 交信。Now Gonna have breakfast. No sleep anymore. CU! てな具合・・(^^;)


この後のパスはビーコンのみで デジピータは OFFだったもよう。




11月18日

21時過ぎのパスで KE8RJU F4BKV と交信。フランスとはギリギリだった。リニア衛星だったら 白神山地の仰角 2度まで余裕だが、GreenCubeでは 3.5度で もうキビしい。



現時点での問題・・

高仰角への対応
仰角20度超えるとキツい。仰角ローテータ? その前にルーフタワーが必要なのだ。
相当 変なスピンしてるのか??
円偏波のハズなのに しょっちゅう信号が弱くなる。とっくの昔に安定しててもいいハズなのだが・・
聞こえていても無デコード
たとえ低仰角であっても偏波面可変(切替え) または 円偏波対応が必要? フィルタでなんとかなるの??
周波数の跳び
SatPC32 でも rigctldでも 起こるとのこと。VersionUpに期待するしかない?
周波数のズレ
イマイチ設定追い込み切れていないのか? TLE *12 がズってる??
テレメトリのデコード(解読)ができない
GNURadioを使えばできるらしい。GC Telemetry Decorderは 英語版Windowsが必要?
(番外) リニア衛星におけるSatPC32の使い方
起動して周波数 合わせ込み、実際のCQ/S&Pでは Control切断して 従来どおり勘と手動で対応した方がスムース?
FM衛星 *13 では ほぼ完璧に周波数追従し、交信もできた。
(番外) 別TXの1.8MHz送信でIC-9700の USB COMポートが固まる
1.8だとコア挿入も効きにくいし・・
(常識) 世界はグローバルだ
日本の18時は 北米東部で 04時、東ヨーロッパでは 13時。しかも彼らの平均睡眠時間は我々日本人よりも長いのである。



2022.11.28 追記 :

GreenCube Designated Italy-OSCAR 117 ( IO-117 )

・・ってことで、AMSATから GreenCubeに オスカーナンバが付与されたとのアナウンスがあった。

ところで・・ IO-117は 円偏波でみると Nullは無いのだが、水平または垂直偏波でみると Nullがあるようだ。1パスの中で何度も信号強度が変動するのは、姿勢の問題なのだろうか。ファラディ回転もあるだろうけど、変化量はもっと緩いだろう・・

MMANAでシミュレートしてみた。直線偏波では -40dB程度まで落ち込む場合がある。もっとも本当にこのような姿勢になっているのか、あるいは この姿勢になる可能性があるのかどうかは 現時点では不明。

Beam-Null of IO-117 IO-117 Attitude in Beam-Null


前述の 周波数の跳び 問題に対応した SatPC32の新バージョンが出たが、衛星自体もQRHしているようだ。QRHすると 当然ながらデコードできない場合がある。とりあえず、しばらく様子見ということで・・


*1 1990年前後の アマチュア無線パケット通信時代を知らない方々には 馴染みが無いかも。受信したデータをオウム返しに再送信するシステム。

*2 あるいはスピン

*3 SatPC32の Doppler.SQFファイルには 435308.65 と記載した。各々のRig等でも異なる。全世界一律ではない。

*4 特に周波数

*5 垂直偏波

*6 USA ルイジアナ州

*7 最終的には AMSATのストアからダウンロードした。

*8 自分ひとりで使うんだったら、こう作ってしまうかもしれない・・というのは理解できる。(^^;)

*9 この局もルイジアナ

*10 ミシガン

*11 Gpredictの Radio Controlの前に起動する。

*12 NASAやNORADから提供される軌道要素ファイル

*13 例えば SO-50 や ISS

Tada/JA7KPI : 2022年11月18日(金)

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