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FT-780 不動・修理・リペア 完了 出力調整完了 (2022/9/21 15:59:48)
2022 令和4年1月19日
「動作未確認」 の ヤエス FT-780 10W機 をヤフオクにて落札。
出品者は、リサイクル業者さん・・・
出品時のコメントは、「動作未確認、ノークレーム。画像を良くみて、判断してください。」
入札競争者も無く 3,100円 で落札。
品物が届き、ワクワクしながら、早速、動作確認すると 電源が入りません
部品取り目的だから、動作未確認であろうが、ジャンクであろうが、 不問 。
「 動作未確認 」とのコメント・・・ですが、 「電源入りません」とコメント があれば、部品取りを探している小生には、たまらない品物なのに。
酷い汚れがあります 素手で触る・・・ちょっと勇気が必要な汚れ
メイン周波数へワンタッチでQSYが出来る押し ボタンが欠落 してます。
部品取りで落札したので、まったく不問
モービル用のブラケットが付いてます
オリジナルのブラケットは、手に入らないので、 これだけでも、収穫ありです
電源が入らない・・・・原因 は なんだろう
小生の悪い癖が・・・ 「何が、トラブってるんだろうかぁ」
全てのコネクターを引き抜いて、 部品取り解体の前に 、 トラブルの原因究明 をすることになってしまった。
製造から、30年は経過してるから、
①基板の目視点検
②各コネクターの目視点検
③リレー接点の目視点検
④各回路の電圧点検
⑤コンデンサーの目視点検
どうして・・・、電源が入らないんだろう・・・、と思案しながら、コネクターを引き抜いていきます
部品取り機として落札したFT-780の洗浄
全てのコネクターを抜いて・・・・洗浄、ボリューム、 基板上のVRも、おそらく「ガリューム」 になってるだろうね
タバコのヤニ臭と経年の強いこびり付いた汚れ の洗浄中
ひどい汚れを洗浄、ボディ・ツマミ等々、取り外せるものは、徹底的に洗いました。
洗剤は、マイペットです。
筐体がベトベト していて、 浮浪者の体臭のような・・・匂いが
出品者さんへのクレームではありません。
私にとっては、この電気的な不具合を解明するのが、楽しいんですよ。
マイペットで洗うと、 水道水が瞬時に 汚水に変化してしまった。
製造から40年ぶりの入浴だろうね
押しボタンは、 マイペットの原液に漬け置き このまま、暫く・・・放置
ガッチリとこびり付いていた汚れが・・・ ドロドロと溶解 してきました。
押しボタンの表面に固着した汚れが軟化、ドロドロに溶解をはじめました
もう少し、マイペットの原液に漬け込みします。
サンポールの「酸」を使って 溶かしてもよかったかなぁ・・・・ プラスチック表面のメッキが溶けると困る ので、マイペットだね
洗浄後は、プラスチッククリーナー を使って、押しボタンの 表面を研磨 します
竹串の先 に、 プラスチック用クリーナー を付けて、 磨き込み を続けます
マイクコネクターの表面
マイクコネクターの劣化は、交換レベルの状態ですが、 洗浄目的で、CRC556 を吹きかけて、 表面の炭化物が柔らかく なって来たところで、竹串の先に 研磨クリーナー を塗りつけ、磨き込みをしております。
部品取りで落札したのに、何やってんだろう、完全に レストアのモードに入ってしまってます
本体内は、パンクしたコンデンサー等を、ルーぺを使って、目視確認をしました。
先に洗浄をしてしまうと、 パンクしたコンデンサーの電解液のシミとか、ショート跡が分からなくなてしまいます。
無水アルコールを使って、基板の表面を徹底的に洗浄 しました。
基板上の怪しげなハンダ劣化をルーペで確認しながら、半田コテで補修。
タバコのヤニとホコリで、真っ黄色でしたが・・・
強いタバコのヤニ臭 が、 すっかりと消失 しました。
際立つ傷もなく、ほぼ無傷なフロントパネルだ
ANTコネクターの状態 は、交換レベルですが、 サンポールの原液 を、 綿棒に湿らせ て、磨き込みをしました
電源コネクターも交換レベルですが、 サンポールの原液を使って、 アンテナコネクター同様に磨き込み
端子も劣化してるのか・・・汚れているのか 判別できません
サンポールを使って磨き上げたコネクター が、ピカピカになりました
コネクター類は、 サンポールの原液を塗布して、放置 しておくと、 酸の力 で、炭化物が分解されて、ピカピカになります。
※ 炭化物が分解され、消失したらば、直ちにスポンジなどを使って、 コネクターを十分に水洗いします。
本体に水がかからないようにすることも重要です。
注意・・・・
長い時間、酸に触れていると、コネクターの金属が腐食します。
サンポールが飛び散って「目に入ると」危険があるので、メガネで保護しましょう
サンポールの酸を中和する方法もあります、ネットで確認してください。
硫黄温泉場の硫黄臭 がしたら、それは 「硫化水素ガス」
死に至る危険なガスなので、窓を開けて、退避すること
さて 引き続き、レストア作業の続きです
スライドスイッチ、各基板接続コネクター、リレーの接点、ボリューム等、 ガリガリの接点不良を起こしているだろうから、全て接点箇所を サンポールで洗浄 しました。
サンポールで洗浄後は、 「酸」を中和 するか、もしくは、十分に水洗いします。
中和 については、重曹液またはマジックリンを使いました。
レピーターユニット類のスイッチ
あらゆる接点箇所を、 水道水でサンポールの酸を洗い流し、 無水アルコールで洗浄 後、 ナノカーボンを塗布 しました。
酸で接点の表面が炭化物が溶けて、綺麗になりますが、非常に「サビ」が出やすくなるので、接点の表面を保護目的で、
1 綿棒に湿らした CRC556 の 油分をコーティング
2 注射器を使って、極微量の油分を流し、綿棒でふき取る
油分は、接点の金属部分にピンポイントで塗布します >
ベーク板に付着すると、耐久性が無くなり、割れてしまいます >
3 最後に、ナノカーボンを金属部分に、微量塗布します。
老眼でのこの作業は、非常に辛く、手間が掛かります。
今回、落札したFT-780には、 レピーター対応のトーンユニットが組み込まれていて、ラッキーです
トーンユニットの接写
欠落したボタンのリペア
押しボタンのストッパーが劣化してます。
本体を下に向けると、簡単に抜け落ちてしまう構造 ですから、脱落防止作を考えておきましょう
電源が入らない不動機なのに、徹底して洗浄中
プラスチック用 エポキシパテ
これを使って、失われたボタンをリペアすることにしました。
ストッパーが劣化すると ・・・・ スルリと、パネルから抜け落ちてしまう構造です。
古い FT-280 FT-780 FT-680 を所有されている方は、このツマミを、指でつまんで、引っ張ってみると、抜けてしまいますから、気をつけてください。
KENWOODのT M-732も同じ様な構造 で、ボタンがスルリと落下しますね
※ 小生は、完全に、レストアモードになってしまってます
欠落したボタンのリペア
本体に残った「押しボタン」の大きさを計測して、エポキシパテを整形させます
かなり、大きいサイズですが・・・・、ヤスリを使って削り、整形するので、大きく作りました
CALLボタンのスイッチ部です
エポキシが まだ十分に硬化していないので、 明日以降に、ヤスリとサンドペーパー ( 600番 )を使って、 削り出しです
エポキシパテが硬化してませんので、明日まで放置。
ここで、回路接続のコネクターを全て接続させて、電源を投入してみました。
ありゃ・・ FM 特有のノイズがスピーカーから聞こえます
とりあえずは・・・ 電源が入ることを確認 しました。
ボリュームが、 ガリガリ状態で接触不良 になってる
周波数を表示する 電光ガラスの表面 は、 とんでもないほどのホコリ まみれでしたので、無水アルコールで洗浄しました。
欠落し、無くなったボタンのリペアの状態
リペアをしたCALLボタンを本体に取り付けました
しばらく、この仮作成したボタンを使って、動作点検をすることにしました。
リペアした CALLボタンの動作確認
反応し、メイン周波数へ、 ワンタッチQSY
再び CALLボタンを押下
接点部分の電導ゴムの導通は、良好です
繰り返し操作しても、何もトラブルもなく、反応してます。
VFOモードへ
もう少し、 オリジナルのボタンに酷似 させてリペアをしてみましょう
ダミーロードに接続、 送信出力・・・
FMモード / CWモード / SSBモード
ありゃりゃ・・・・ 出力 が フラフラ して不安定
送信出力が安定していない、 本体を傾ける角度によって、送信出力が変化してしまう。
送信出力が不安定の原因は何だ
送受信 切替リレー の 接点不良 を疑い・・・・接点磨き、ナノカーボンを接点部分に塗布させて、具合を点検
送信出力を調整する半固定ボリュームを回すと 、 パワー計の針も、激しく左右に振れまくり です。
送信出力が不安定な原因は、ここだ RF出力の半固定VRのガリでした。
送信出力調整用の半固定ボリューム に CRC556 を注射器を使って注油し、 接点を洗浄後 、無水アルコールを使って洗浄した後、ナノカーボンを塗布させました。
暫く、絶縁ドライバーを使って、半固定VRを「クリクリ」と回しているうちに 送信出力調整用の半固定ボリュームが、 すっかり改善 できました。
送信出力もピタリと安定しました 。
複合的にトラブルが起きてました。
上記画像の調整ポイント以外は、オシロスコープ・周波数カウンター等々の測定器がないと、正しい調整は無理だから、触るべからず。
送信周波数は正しいか SSBモード で、CQを出されていたローカル局を呼び止め、IC9700を使われているとのことで、周波数カウンター的に回答を頂くと
430.190.8MHzでゼロインしているのであるが、
0.005MHzマイナスで、私の送信周波数が下方にずれているとのレポートを頂戴した。
ノーマルの範囲のズレのようだ
FMモード でも、運用をしてみるも、問題なさそうだ
CWモード については、誰もQRVされていないので、未確認
別のトランシーバーで受信して確認、キークリック等のトラブルは無さそうだが・・・
ヤフオクで落札したボロボロ 不動のFT-780が復活 しました。
落札当時と比較すると、完全に別物になりました。
上下の画像は、 リペア前とリペア後 のものです。
見違えるほど、綺麗に、そして、不動機が復活いたしました。
ヤフオクで不動・動作未確認 3,100円で落札したFT-780
楽しくリペア作業をいたしました。
(1)CALLボタンの欠落
(2)送受信切替レリーの接点不良
(3)電源コネクターの不良
(4)電源スイッチの不良
(5)ボリュームの半固定ボリュームの接点不良
(6)スケルチの半固定ボリュームの接点不良
(7)マイクコネクターの接点不良
(8)RF送信出力 OUTPUTの調整用半固定VRの接点不良
それぞれの VR08 と VR09 と VR10
半固定VRの状態を経過観察 して、悪化するようであれば、交換する予定です・・・・
最大送信出力、 約19.5W のパワーを計測しましたが・・・・ 10Wジャスト にセットして、終了。
トランス・コイル等々は、絶対に触りません。 測定器が無ければ、触ってはいけません。
アンテナ調整をする場合、SWR計で調整しますよね。
それと同じでね、コイル等の調整を要する場合は、きっぱりとリペアを断念、解体して部品取りにしましょう。
接写画像
この調整を行って
Hi 出力 10W
Low 出力 2W
に設定いたしました。
結果:不動原因については、 単純に・・・・ 複合箇所 で起きていた 接点不良が原因 だったようです。
とりあえず、ここで終了します
不動機 を 部品取り目的 で 落札したのに 、 ピッカピカ に 復活 させちゃいました
増設する場合は、この書類を作成するんですが・・・、簡単のようで、なかなか難しいですね。
更新手続きにしたって、四苦八苦しながら、書き上げても、次の更新時には、すっかり、書き方を忘れる。
「増設・取替」となると、これまた 一苦労も二苦労もしながら、提出すると・・・必ず、訂正が入ります。
まぁ それもまた、アマチュア無線のルールですね
最新機種、高性能機種を買い求めるのも・・・道楽
旧式をレストア・リペアを楽しむのも・・・・道楽
どちらを選んでも、 自分が求める満足度を満たせれば、最高ですね
さて、リペアをしたリグで、アマチュア無線局と数多くQSOをしたいのですが・・・・
こんなジャンク機をいじくりまわしている時間が楽しくて、交信局数は、年間・・・・20〜30局程度かなぁ
本来の目的である 「不動部品取り用のFT-780」 を、 更に探すことになりました。
最後に、 このブログを参考に調整しようとしているOM諸氏へ
記載内容に誤りがあるかもしれませんので・・・自己責任 でお願いします。
今回のリペアは、大変に良い「リペア教材」となりました。
35数年前に・・・測定器を処分してしまいました。
もう一度、各種の測定器を揃えたいが・・・・・
今回の調整に使った 測定器は、1950年代生まれの小生の ボケた聴力 ・ ボケボケの経験値とボケた感覚で、 なんとか復活できましたが、測定器で測定すれば、ボケボケのリペアとなってることは、容易に想像できます。
JA1GGQ / JA1-10761 CU
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