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IC-706 液晶の劣化を復旧させました (2022/12/7 22:42:49)
令和3年12月21日
IC-706液晶が劣化し、表示の視認が難しい
液晶の中央付近が、 丸く黒ずんでます
IC-706の液晶が劣化
このままじゃ、ストレスになる。
ネットを検索すると、 先人OM達 が既に、 リペア記事 をブログにアップされていたので、参考にしました。
ビネガーシンドローム症状 と言うもののようだ。
昭和20年代生まれの小生も 先人OM達に刺激を受け て、リペアにチャレンジすることに 。
私のブログは、自分自身の作業記録として、 細かく何枚も写真撮影 したので、 同じようなデジカメ撮影の画像が沢山 ありますが、 自身が、忘れないために、 作業工程の画像 を 中心にブログ に残しました。
さっそく先人達OMのブログを参考に、Amazonへアクセス。
Amazonで、偏光板を購入
アマゾンから届いた「偏光板」
オーダーした品物が届いたので、さっそく作業開始。
分解リペア手順等の資料は、先人達OMのブログを信じるしかない
まず初めに、 本体 から フロントパネル を取り外しました。
VFO / RF / SQL の つまみ を引き抜く
VFO / RF / SQL を固定してる ナット を外します
ラジオペンチで挟んでいる、これらの ナット で、パネルと 液晶の基板が固定 されています
バック・パネルを固定している ネジ(赤色矢印)2箇所 を外します
バックパネルを外します
マイクコネクターのプラグを引き抜く
後から、気がついたんですが、このマイク・コネクターは、 引き抜かなくても、大丈夫です 。
基板は、VFO等のナットの他に、フロントパネル内側、下記画像の 黄色矢印の 4箇所の爪で固定 されているので、爪を破損させないように、基板を取り外します 。
基板と爪は、 かなり強めに、ひっかかってます ので、フロントパネルを 煽りながら 、基板を抑えている爪を浮かせます。
小生は 「老眼鏡」を使って、外しました 。
昭和20年代生まれの小生は、老眼鏡を使って、奮闘中であります
さて、画像にも映ってますが、 マイナスの精密ドライバーを使って 、基板に傷が付かないように持ち上げました 。
赤色矢印先の爪 、意外と強く基板をホールドしています。
基板が外れました
液晶の中央部分が、黒く劣化してます
液晶基板の裏面の状況。
集積回路部品ばかりで、小生は手も足も出ない分野です。
次は、液晶の摘出
液晶を抑えている 金属の「枠」 は、 6箇所の爪 で、基板 と固定 されてますので、 ラジオペンチを使って 、優しく、金属側の爪を立てて、金属の枠を外します 。
この爪は、なかなか固くガッチリと食い込んでいます。
枠を取り外す前に
枠の上下左右の位置を記録 させました 。
小生は、枠の 上下位置 が分かるように、 「赤色マジックインキ」 を使って、 マーキング しました。
こうゆうのって・・・ 後で再組み立てするときに、 元の位置や向きに、迷う んですよね
ラジオペンチを優しく握り ながら、金属の枠を歪めない程度に「力」を入れて、 爪を立て 、取り外しました。
枠が外れました
液晶の中央は、影で黒くなっているのではありません。
問題の液晶部分に到達
ここまでたどり着くのに、 分解する力の入れ加減がわからず、 不発爆弾処理をしているように、 慎重に・・・・ スケッチを描きながら・・・・、スケッチでは描ききれない部分を写真撮影しました。
IC-706の取扱説明書は持っていますが、 サービスマニュアル等、一切持っていません。
頼りは、先人たちOMが残したブログ記事だけです
ぶっつけ本番の作業です・・・ ・
画像内の説明 「伝統ゴム」→ 誤字 です
電導ゴム・・・と訂正
細部をデジカメで、何十枚も、向きを変えて撮影 しながら、作業工程の記録を残します。
分解手順を撮影しながら、作業を進めます 。
総撮影数・・・50〜60枚
スケッチを描いているよりも、シャッターを押して、撮影した方が効率が良い。
接写している部分は、液晶と基板の間の信号が通過する 白色ゴム製 の 電導体 の 向きを撮影 しました。
液晶に信号を伝達させる白色の 電導ゴム・・・ これを壊してしまったら、「 即」 、作業終了です
ひつっこい程に、基板 の状態 、 部品の取り付け位置 を撮影しまくりました
更に、 部品がばらばら になっても、再組み立ての時に、分かるように、 マーキング をしっかり と付けました。
液晶の取り外し道具の工作
焼き鳥の竹串 の先端をカッターナイフを使って、マイナスドライバー様に削りました 。
焼き鳥の竹串 は、 絶縁素材 ・基板に 傷を付けにくい ・ 強い力を入れられる ので、 竹串 を利用しました。
その大昔に、FT-401 / FT-101 / TS-520のメンテナンスをした時によく使いました・・・。
竹串の先端を細く・・・・削ります。
液晶パネルを、この自作した 取り外し道具 で・・・液晶を取り外します
竹串を 液晶の下に差し込んで 、少しずつ、 液晶ガラス板を持ち上げます
竹串を液晶ガラス板の各部分に 差し込んで、浮かせます 。
画像では、 一箇所の部位にだけ、差し込んでいるように見えますが・・・ 差し込めそうな あらゆる部分 に、 様子を伺いながら、竹串を差し込んで浮かせ、持ち上げてます 。
竹串ならば、液晶付近の部品を壊す心配が少ないと思います
テコの原理 から、竹串を使って、液晶を持ち上げるのですが、 思っていた以上に、 がっちり圧着されいいます。
力まかせに ガラス板を押上て、 割れて、壊したらお終い・・・
竹串に少しづつ、力を入れいくと、 突然 ・・・
「 パカァーン・・ 」 と、液晶ガラス板が基板から外れました。
液晶ガラス板は、「爪止め」「ネジ止め」などではなく、ただ、白色の電導ゴムの上にのせてあるだけです。
圧着状態で、貼りついた状態。
緊張が一気に解れました・・・・
多分、先人のOMたちも同じ気持ちだったでしょうね
液晶ガラス板に 白色の 電導ゴム が ガッチリと貼り付いて ます。
白色の電導ゴムをガラス板から、取り外します。
白色の電導ゴムの 取り付け位置・方向を、細かくマーキング し、デジカメで何枚も撮影し記録させました。
基板のホコリ付着防止対策
液晶の接点などの部分に ゴミが付着 すると大変なので、基板 全体を サランラップ を巻いて保護しました。
初めての作業ですから、緊張感を持って続けるのは、疲れました。
ここで、一旦、休憩しました
過去の経験から、先を急いでいる時に限って、ほぼ確実に、思い込み、勘違い、焦り等で、失敗してるんです。
この時間で、気分転換に、コンビニへ買い物に出かけました。
劣化した偏光板の除去作業
充分に 気持ち が リフレッシュ できましたので、作業の再開。
液晶のガラス面に 接着 された 「偏光板」を剥がします
液晶ガラス板に貼り合わせた 偏光板 は、 柔らかい素材かと 思っていましたが・・・・ 想定外の硬さで、 がっちりと、貼り合わせているので、 端っこの部分を指の爪で引き起こそうとしても、 剥がすことが出来ませんでした。
そこで、考えた道具
焼き鳥の竹串 を ナイフ状に削り 、 なんとか端っこを引き起こし、 劣化した偏向板の端っこを指で摘んで・・・・ ガラス面に、「ひっかき傷」を付けないように・・・
劣化した「偏光板」を めくりあげるようにして剥がします。
< 貼り付いた セルロイド板 をめくり剥がす感覚に似てます >
作業時間・・・5分ほど、かかりましたが、偏光板を全て、取り外しました。
偏光板を取り外せたのですが、 ガラス板の表面には・・・
ガッチリと 糊 が、 石の様に固く張り付いて ます。
ちぎれた偏光板のカスも残って います
取りはずした偏光板・・・ すっぱい匂い がします。
先人のブログにも表現されていました。
小生も、鼻に近づけると
匂い・・・・うぁ〜ちゃ〜
物凄く強い「お酢」の10 倍
強烈な匂いで、 鼻の奥に強い刺激臭の一撃を喰らいました
先人たちの忠告コメントは、本当でした
偏光板を貼り付けていた 接着剤の残骸 と ちぎれてガラス面に残った偏光板 が ガッチリとガラスの表面 に 石のようにガチガチに残ってます
ガラス面に残った接着剤と偏光板の残骸の除去について
諸先輩たちは、 「 剥離剤等を使って、ガラス面の残骸の除去」 をしたとコメントをされていました が・・・、
私は、 たまたま家にあった 「シール剥がしスプレー」 を使いました。
液晶のガラス面に残った残骸に向けて 、 直接プシューっ と 吹きかけ・・・・
溶剤が糊を柔らかくなるのを待ちましたが、 そんな気配は、全く見られません 。
時間が勿体無いので、液晶を外した時に自作した 焼き鳥の竹串 を使って、ガラス面の残骸をスリスリと擦って除去しましたが・・・・、まったく除去どころか、ガチガチの糊の残骸は、変化なし。
先人たちのブログによると、
みなさんは、 この作業に 「 一番 時間がかかった 」 と 先人OMのブログ・コメント にありましたが、実際に作業をして実感しました。
残骸が、 ガッチリと石のようになってこびり付いている状況 から長時間の戦いになりそうです。
再び、シール剥がしスプレーを直接ブシュ〜
「 まったく残骸が剥がれません」
「固着した接着剤は、溶解の兆候・・・は、まるで無し」
ガラス面に残った糊・・これ、本当に落とせるのかと不安になりながら、
先人OM達のブログの記事を半信半疑で作業を進めました。
まったく 糊がやわらかくならず・・・ 溶解の気配もないので、 カッターナイフ等で、削ぎ落としたくなる気持ちを、グッとおさえながら・・・
更に続けて、シール剥がしスプレーを噴射させながら、ゴシゴシとガラス面に傷が付かないように竹串を擦り続けました。
細かい偏光板の 残骸が液晶面に残っている と、 その部分が偏光効果で変色する 事は、 想像すれば、分かります 。
だから、時間をかけてまで、完璧に削ぎ落とさなければ、意味はない。
短気な性格者向きな作業ではありませんね・・・・
こんな作業を繰り返すこと、なんと・・・2時間半以上も続けました
(途中で、 指が痛くなり ・・・ 作業に飽きちゃいまして 、休み休みでしたが・・・)
そして、ようやく、その時が
シール剥がしスプレーの効果 によって、液晶ガラス板表面の 接着剤が ネバネバと溶け出し てきました・ ・・・
画像に写っている白色のヘラは、シール剥がしスプレーに付属していたものです。
このヘラで擦りながら、スプレーをブシュ〜っと吹き付けながら、作業を続けました。
ネバネバと溶解しはじめた糊の残骸は、ガラス面に広がるばかりで・・・・
これって、本当に落ちるのか・・・これ、本当に、綺麗になるのかと、
次第に、諸先輩たちのブログに対して、不審感をいだきながら
作業をしてました
諸先輩 申し訳ありません
そして、ついに、 画像のように、完璧に残骸を取り除きました。
ピッカピカです
カメラの向きを変えると、液晶の色合いが変化します
劣化した偏光板を完全に除去できましたので、ここで再び休憩
昭和20年代生まれの小生は、気力・体力・集中力が衰えてきた。
次の作業行程です
パーツクリーナー と 無水アルコール を使って、汚れの清掃を行いました。
磨き上げたガラス液晶面の上に、購入した「偏光板」を置いて、 向きを変え、回転させました。
劣化した偏光板の残骸が残っていれば・・・、
その部分が 偏光効果によって 、 黒く 斑点状 に 視認 できるはずです
偏光板の向きを変え、回転させてみましたが、 均等に偏光効果があり、問題はありません
磨き上げた液晶ガラス面は、 完璧にクリア になりました。
この作業・・・途中で飽きてしまったり、指が痛くなったりと大変でした。
この作業を経験された方であれば、皆さん そのように思ったと思います。
これから、この作業を試みる方も、同じ思いをされると思いますよ。
偏光板の切り出し作業の開始
液晶のガラスと同じ大きさにする為に、古い偏光板を粘着テープで固定させてマーキングをしました。
マーキングを終え、カッターナイフで切り出し。
切り出した偏光板を液晶のガラス面に載せました。
諸先輩たちのブログには、 新しい偏光板の接着方法が書かれていません でした 。
私は・・・・・接着剤の種類はと、考えたのですが・・・
金枠で固定 されるから 、このまま 接着せずに組み上げる ことにしました。
偏光板を液晶ガラス面に乗せるだけで、問題はありません。
金枠の爪をしっかりと基板に食い込ませがっちりと固定させました。
この金枠を ガッチリと基板と圧着する様に固定 させます。
電導ゴムの接点が 基盤とガッチリと圧着されないと 、 液晶の表示に不具合 が出ます。
例えば・・・・
① 液晶表示の半分が表示されない
② 液晶表示の表示が均等に表示されない
(部分的に、表示が薄くなる)
③ 表示がまだらになる
等々の不具合が発生します。
これらの症状が出る原因は
① 金枠の固定が「あまい」
② 金枠が均等な力で固定されていない
等の原因で、電導ゴムの接点不良が考えられます。
もう一度、金枠を外して、
① 電導ゴムの位置を確認
② 金枠を均等な力で、爪を折り曲げて、基盤と圧着させます。
私の経験値ですが、参考にして下さい。
偏光板が固定されているかの、振動検査。
この状態で、 「偏光板」がズレないかを 、 基板本体を数回、強く振り回して確認 しましたが、 金属の枠 で、しっかりと 固定されていて、まったくズレることは無い事を確認 しました。
せっかくパネルを分解したのですから、パネルの表面などをプラスチック用コンパウンドを使って、細かい傷の補修作業とゴミ清掃。
清掃を終えたので、再組み立ての開始です。
ここまでの所要時間は、4時間以上
再組み立て完了
指の指紋 が残ったりすると、液晶の見栄えも悪くなるので、念入りに洗浄いたしました。
フロントパネルを本体に取り付けます
ドキドキとしながら 電源 ON
お〜っ
偏光板をリペアしたら 液晶の表示が・・・
鮮明 になり 液晶表示 が 明るくなった
液晶表示 が クッキリ・スッキリ と 明るい
偏光板は、全体的に劣化し、透過率も悪化していたんですね
これは、感激もんです
一点の曇もなく、新品当時に蘇りましたよ
先人の諸先輩たちのブログ ありがとうございました。
劣化したオリジナルの「偏光板」も記念撮影
劣化した液晶リペア代金は 742円 で 完了
リペア前の液晶
リペア後の液晶
液晶表示を比較すると、誰が見ても納得、 客観的に明るくなった ことが、確認できます。
この明るさの違いは、驚くほど 一目瞭然・・・
先人OMのブログにより、無事にリペアが出来たことを報告すると共に、感謝申し上げます。
最後に
小生のブログを参考に 、リペアをされる方など居ないと思いますが・・・、万が一、その様な方がいるのであれば、 自己責任 で行ってください。
1950年代生まれの小生でも、リペアが出来ました が・・・自信のない方は、無理すれば、壊してしまうかもしれませんね。
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小生は、アマチュア無線と付き合って、かれこれ60年・・・マイクを握る時間より、電鍵を打つ時間よりも、レストア・リペアを楽しんでいる時間が、99.9%です。
30年前までは、それでもJARL会員でしたが、 年に数回 、リペアをした リグの調子 が知りたくて、 QSOをする程度・・・・ 。
現在は、年金生活者の経済力からでは、会費の出費も節約してますので、JARL会員ではありません。
劣化した液晶のリペアでした。
DE JA1GGQ / 旧 JA1-10761 TNX OM CU CL
14MHz 18MHz OUTPUT 10W QRVをしてます。
令和4年6月25日
たくさんの" 拍手 "を頂いて ありがとうございいます。
私の作業は、 先人OM達のブログ記事で、無事に交換 できました。
先人OM達のブログ記事が無かったら、交換が出来るとは、思いもつきませんでした。
改めて、先人のブログに感謝いたします。
TNX OM ありがとうございます。
「拍手登録」をされた方々からコメントを頂戴いたしました。
私自身の作業工程を記録するために、 「 備忘録の代わり」 として、画像を多数撮影して、 このブログに残した ものですが、こんないい加減なブログ記事ですが、お役に立てたんでしょうか。
記事の中に、誤字・脱字・誤記等あるので、承知してください
最後に、自己責任で作業を行なってください。
TNX OM TNX DE JA1GGQ JA1-10761 CU
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