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JR-310プチレストアその1 (2023/3/9 4:01:55)
以前、使ったことがあるセパレートタイプのJR-310、TX-310の送受信機をオークションで格安で手に入れることができました。真空管は全部ないということでしたが、手持ちに代替えを含めありますので、本来の真空管とは異なりますが、ひとまず確認用ということで、真空管を全部取り付けました。電源は問題なく入ります。ただ、前のオーナーもレストアを少し行っていた形跡がありましたが、動作はしない状態です。回路図を用意し、少しチェックをしてみることにしました。
バンドで高周波の増幅はある程度しているようで、受信周波数はまだわかりませんが、高周波増幅回路での同調時ノイズが聞こえました。実際のアンテナをつないで、7MHzの交信が聞こえるか見てみました。周波数はかなりずれていましたが、強力な局の信号は聞こえました。同調ノイズは調整してないため、アマチュア無線のバンドは聞こえました。が、調整が必要な状態です。周波数が数十キロヘルツずれています。バンドノイズがする周波数帯としない周波数帯がありました。全バンドの第一局初の発振をオシロスコープで見てみました。生きているのは3.5MHzと7MHzだけでした。他のバンドは局発が発振していません。クリスタルがダメになってるようです。また、7MHzの局発の周波数は12.955MHzですが、交換したらしく、別の周波数(12.88417MHz)のクリスタルがついていました。クリスタルの周波数が違っていたため、差し引き約+70KHzほどのズレは局発のクリスタルが原因とわかりました。ネットでもレストア情報を見るとこの機種はやはり局初のクリスタルがダメになっていたという情報がありました。
測定器OSCで局発の周波数12.955MHzを5Vp-pで発振させバリコンを通してミキサにつないで7MHzの周波数とダイアルが一致してるかも含めて受信動作を確認してみました。もとのクリスタルの真空管での発振レベルはかなり電圧がありましたが測定器OSCからの5Vp-pでも3Vp-pでも受信レベルには変化はなく、問題なく受信できています。低出力レベルのOSC出力でも使えそうです。
素直には、クリスタルを注文するのが順当ですが、全部のクリスタルを注文すると金額が万超えです。なので今回はDDS
ICで局発を代用することを考えることにしました。DDS IC
のSi5351Aクロックジェネレータモジュールを使うことにしました。TS-820のDDSで使用実績がありましたのでこれにしました。DDS
ICを今回は小型のArduinoNANOを使うことにしました。JR-310に組み入れるにも小型で適していると思います。参考にした回路はJA2GQP OM局のホームページの6mAM
VFOをもとに行いました。
OMの仕様ではプッシュボタンを押すごとにバンドがインクリメントアップして周波数が変わる仕様です。また、受信器のSメータもついています。今回は局発用の発振のみなのでSメータ入力は使いません。
私は他のI/O端子を検出して周波数を発振するように仕様変更しています。
ArduinoNANOの使用できるI/Oもバンド数分用意できますので、今回のような各バンド局発用にうってつけです。
WARCバンドはありませんが、拡張する方法を考えればできそうです。
今回はWARCバンド拡張は考えないで、もとと同じJR-310のオリジナル周波数仕様にて作成します。
バンド検出用入力は下記のポートを使いました。
D2:15MHz WWV
D3:50.5MHz(28.5MHz)
D4:50.0MHz(28.0MHz)
D5:29.1MHz
D6:28.5MHz
D7:28.0MHz
D8:21.0MHz
D9:14.0MHz
D10:7.0MHz
D11:3.5MHz
D12:EXT (1.8MHz)
上記のI/O端子はプルアップをスケッチ上で指定していますが、電圧が低かったので外付け抵抗で3.3VにPULLUPしています。
IF周波数のヘテロダインも仕様上ありますが、今回はヘテロダインIF機能は不要なので0MHz
です。また、OMの使用したDDS ICユニットとは異なる秋月電子のDDS IC
Si5351Aを使いました。、基本接続は同じです。端子のハンダ付は必要ですが、ユニットとしては8PのICと同じなのでとても扱いやすいです。今現在新しい仕様に合わせてスケッチを検討し、コーディングしています。JR-310のバンドSWをそのまま使うことで考えています。ほぼ問題ないレベルまで手動動作確認できています。作成時の確認で局発の周波数でも、バンド周波数でもOLED128X32で表示させることで、出力と合わせて実験もスムースに行えています。あとは若干の周波数のズレ補正スケッチを追加して行けば、ジャスト周波数の局発になります。
古くて、大きな筐体はかなりの改造でも組み入れることができるので、十分楽しめます。やはり真空管の受信器はぬくもりがあってとてもいいです。
つづく?
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