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link QRPな自作の日記 QRPな自作の日記 (2023/12/28 18:35:38)

feed Pocke MDX の試作 (2023/3/29 19:51:20)
IMG_2823.JPG

基板ができてから2か月ほど放置されていましたが、やっとのことでソフトの移植も含め何とかOnAirできるようになったので、備忘録として記録を残します。

Pocke MDXとは? 最近はやりのデジタルモードに機能を絞った、プラグインコイルタイプのダイレクトFSK方式のシンプルマルチバンドQRPトランシーバーです。

デジタルモードは、最近はFT8が非常に人気です。過去に遡れば、ビーコン機能としてのWSPR、FT8の前に人気のあったJT65、最近ではスピードを上げたFT4というのがあります。
それぞれ、国際的に共通したバンド毎のモード対応周波数が使用されています。
FT8の周波数だけ対応していれば、殆どそれしか使わないかとは思いましたが、QRPであるがゆえにWSPRでビーコン発信したり、QRPでもチャンスが多いJT65にもOnAirできるように周波数対応しました。

方式は、今や自作シンプルトランシーバーの主流となったダイレクトFSK方式を採用しています。
これは、その昔、JT65(当時はFT8はなかった:現在FT8でも動作)で自作した方式です。

http://blog.toshnet.com/article/180626207.html

海外での自作機としては、ADXが有名です。 

https://github.com/WB2CBA/ADX

QRP LabからもQDXという素晴らしいキットが販売されています。

https://qrp-labs.com/qdx.html

国内では、7L4WVU OMがWVU604Fという小型のQRP機を頒布されており人気です。

http://becl8873.livedoor.blog/archives/18093663.html

またJE1RAV OMがgithubで、CWにも対応した、基板データを含めて QP7C_TRX2というものを公開されています。

https://github.com/je1rav/QP-7C

更に、JE1RAV OMは、マイコンにRasPi Picoに採用されているRP2040(32bitマイコン)を搭載した小型モジュールXiao RP2040を使用したFT8専用機も公開されております。
これは、FT8トランシーバー機能を5cm四方の小さな基板で実現されており、最大の特徴は、PCとの接続がUSBケーブル1本で、やり取りするオーディオ信号をデジタルで構成されており、それをマイコンのみで実現されていることです。
USBからは、電源も供給されますので、これだけでQRPp機としてOnAirすることもできます。

https://github.com/je1rav/QP-7C_RP2040

当局的には、この方式にとても興味がわき、公開されている基板データを使用して実験機を作ってみました。昨年末のことです。(送信部は手持ち部品の関係で一部変更)

IMG_2827.JPG
当局が試作したQP7C_RP2040

一部変更した送信部はそれなりにうまく動いていたので、その回路をベースにできうるデジタルモード、可能性のあるバンドを含めて保証認定をとり、実際の運用に使ってみました。
運用は7MHzのみですが、国内QSOであれば問題なく可能でした。アンドロイドスマホに乗せたアプリFT8CNでの運用も問題なく行えました。
こうなると、マルチバンド化と他のデジタルモードへ対応したくなり、まずこのソフトでFT4、WSPR、JT65、FT9のモードが可能かをテストしてみました。そして問題がないことが確認できました。
JE1RAV OMは、このソフトをオープンソース化されているので、当局が作るものとして、マルチバンド、マルチモードに対応し、その時の周波数、モードを表示する表示器も搭載したものとしました。
マルチバンド化はリレーなどを使用するとどうしても大きくなってしまうので、コイルモジュールをプラグインで交換できる方式とし、バンドも自動認識できるようにしました。

IMG_2829.JPG    IMG_2831.JPG
バンドモジュール       ガイド付きで楽々プラグイン

IMG_2822.JPG
14MHzバンドモジュールを挿した時

モードの変更は、スイッチで行い、搭載されたバンドモジュールの周波数における各モードを選択し、モードと周波数を表示します。

IMG_2820.JPG    IMG_2819.JPG
JT65を選択           FT4を選択

この内容で試作したのが、Pocke MDXです。
MDXとは、Multiband Digitalmode Xceiver の略です。

基板は、1月に発注し出来上がっていたのですが、ハムシンポの準備・他で今まで放置された状態でしたが、やっとソフトを改造してなんとかQSOできるレベルになりました。
マイコンモジュールは、同じXiao RP2040でもよかったのですが、ピン数が少なすぎるので、同じRP2040を使用して少しだけ大きいけれど出力されているポート数が9ポート多い RP2040 Zeroというものを使用しました。(現状ポートは余っていますが)

IMG_2826.JPG
左:Xiao RP2040  右:RP2040 Zero

現時点の回路図は以下の通りです。

Pocke MDX 20230125.BMP

大元がシンプルな設計なので、表示、プラグインバンドモジュールを追加してもシンプルな回路構成です。

ここまでの状態で、7MHzバンドモジュール でPCに接続、WSJT-XでOnAirしてみました。
USBからの電源供給で約0.2W 7エリアや9エリアとQSOできました。
CQ局を呼んだのですが、0.2WだとQSOはできますが、呼んだらすべて返信があるかというと打率3割くらいでしょうか!
外部12V電源を供給して出力約1W 比較的呼んだ局からは返信があります。打率8割くらい!
QSO終了後、別の局からも何度か呼ばれQSOできました。
PSKRを見る限り、全国に飛んでいるようです。
こうしたシンプルでQRPなリグでも、自作したものでQSOが可能になるというのは非常に楽しいものです。

残念ながら、これで完成ではありません。
まだまだ課題が残っています。
① パワーが最初の想定より低い。(最初の試作はUSBで0.5W、12Vで2.5W 7MHz)
② 他バンドでの実力(これからテスト)
③ 表示器からのノイズ(デコードへの影響はないですが)
※気にしていたDC方式での局発の漏れは、規制値をクリアしてました。

以上、現時点までの試作状況です。

<謝辞>
素晴らしいUSBデジタルオーディオ伝送方式を開発していただき、オープンソースにしていただいた
JE1RAV OM殿に心より御礼申し上げます。
オープニング画面に謝辞を入れました。

IMG_2833.JPG

※ソフトウェアに関しては、現時点未完成のため公開しませんが、ルールに基づき、将来的には、このサイトにて公開、または要望された方に公開してゆくつもりです。









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