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<創業者の井上徳造氏(JA3FA)による試作機?>井上電機製作所(現 アイコム)の第1号機、50MHz帯AMポータブル機「FDAM-1(初期型)」がヤフオクに出品 (2023/6/6 18:00:31)
アイコム株式会社のルーツは、創業者(現・代表取締役会長)である井上徳造氏(JA3FA)が1954(昭和29)年に自宅の庭に小さな建屋を設けて井上電機製作所(I.E.W.)を開業したことにある。そして1964(昭和39)年に同社初のアマチュア無線機として登場したのが、難易度が高かったオールトランジスター化を実現した50Mc帯のAMポータブル機「FDAM-1」だ。「FDAM-1」はごく少数の初期型のほか、改良を重ねた後期型や最終型が存在すると言われている。今回、「幻の初期型の試作機?詳細不明」「先代の社長自作機器とのこと」という説明付きで初期型と思われる「FDAM-1」がヤフオクに出品され大きな話題となっている。
当時の雑誌広告によると、初期型の「FDAM-1」は単1電池9本で出力は0.5W(入力0.8W、効率60%)。送信は水晶発振の1チャンネル仕様。受信はダブルスーパー式で50~54Mcをフルカバーする、当時としては画期的で革新的なオールトランジスタ式のアマチュア無線機だ。完成品の価格は25,000円で、ほかにキットも用意されていたようだ。
CQ ham radio誌1965年5月号に掲載された「FDAM-1」(初期型)の広告
アイコムの大阪ショールームにもFDAM-1が展示されているが、こちらは後期型のようだ
初期型の大きな特徴の1つが、メーター(ラジケータ)が2つ取り付けられ、スイッチ類はスライド式でAFゲイン(音量調節)が側面にあることだ。後期型になるとメーターは上側の1つになり、その下にはメーターの切り替えつまみとAFゲインつまみが配置されるので判別がつく。
ヤフオク出品者の説明は下記のとおり。
年代物貴重品!?
<井上電機>ICOM FDAM-1
幻の初期型の試作機?
井上電機(現ICOM)の初のアマチュア無線機器の試作品のため(55-56年前位の物)製造番号、取説等はじめから無かったようです。
(先代の社長自作機器とのことですが不明)
TX500mW 送信周波数50.3MHz(HC6Uクリスタル発信)
RX 50-54MHzダイヤル式だそうです。
つまみ類は当時の物では無さそうです。
以上、参考情報につき、こちらで真偽は不明ですので、責任は負えません。
当方では全く通電しておりません。また、一切のチェックもしておりませんので、完全詳細未チェック、動作未チェックにつきジャンク扱いで出品いたします。
製造から60年近く経っているとは思えないほど状態は良さそうに見える(ヤフオクの画面から)
単1乾電池×12本を収納できる内部。全体的にきれいに保たれているようだ(ヤフオクの画面から)
このようなアマチュア無線機がヤフオクに出品される機会は珍しい。もしアイコム創業者の井上徳造氏が手作りしたFDAM-1の試作機だとしたら、歴史的な価値を秘めているといっても過言ではないことから、無線家の間で話題になっている。
入札の終了予定日時は2023年6月11日(日)22時までとなっている。果たしていくらで落札されるのだろうか。
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<開発と革新…次の50年へ>アイコムUK、「FDAM-1(1964年)」から「IC-9700(2019年)」までの無線機ヒストリー動画をYouTubeで公開
●関連リンク:
・貴重品!?<井上電機>ICOM FDAM-1
幻の初期型の試作機?詳細不明(ヤフオク)
・FDAM-1取扱説明書(アイコム/PDF形式でダウンロード)
・アイコムのはじまり(アイコム株式会社)