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144MHz FT8 1mWでの見通し通信距離を計算で求める (2023/6/15 7:23:19)
高尾山、生駒山からの144MHz FT8 1mW+垂直ロッドアンテナで数回運用し、100kmを超える外房まで飛ぶことが分かりました( 記事を参照 )。
6/13の高尾山からの運用では、AKCメンバーのJA6IRK/1(千葉県印西市:高尾山との距離84km)とメッセージで連絡しながら、144MHzでの交信をトライしました。IRK局は西に障害物のないマンションの最上階でスタック八木使用なので問題なく届くと思っていましたが、結果、1W出力のIRK局の信号を-18dBでデコードできたものの、こちらの信号は届きませんでした。
単純に考えるとこちらも0.5~1Wくらいのパワーが必要と思いますが、こちらのスマホ受信(アプリFT8CN)は受信リポートが全くあてにならずかなり低めにでます。交信できているのに-30などというリポートを相手に平気で送出、実際にどのくらいの出力で届くのかわからないため、計算で求めることにしました。FT8で見通しの条件でどのくらいで電波が飛ぶのかある程度推測できますので、移動の際に参考になると思います。
1.2波モデルで計算してみる
まず、お互いの通信距離と断面図は下のようになります。電波は都心を通りますが見通しであることが分かります。
実際に計算するとどのくらいになるかみてみます。昔は手計算していましたが、今ではネットに沢山のツールがあるので便利です。今回は これの2波モデル を使いました。これくらい距離があると2波モデルは誤差がありますがとりあえずやってみます。
こちらの条件は、周波数144MHz、出力0dBm、アンテナ利得2.14dBi(1/2EFHWロッドアンテナ)、相手のアンテナの条件は推測で20m高 12dBiで入れてみたものが下図になります。
FT8受信能力ですが、一般的な受信機でも-125dBm程度は聞えますのでそこからFT8の限界に近い受信能力を-24dBとすると大体-150dBmくらいでもデコードできるのではと推測されます。グラフ(赤線)からは60km程度となり、これまでの山からの運用実績からみても納得のいく値となっています。
このグラフから、あとどのくらいで84kmになるか推測すると7dB(5倍)くらいあればいけそうです。実際に出力7dBm (5mW)で計算したものは下図のようになり、何とか届くのではないかと思われます。
2.50MHzでの信号リポートから144MHzの必要電力を計算してみる
同じときに50MHzでIRK局と交信できており、こちらの0.2W+カーボン釣竿の信号がIRK局に+6dBで届いていました。そのときのデーターから簡易的に確認(実際にはアンテナや偏波面が異なるので数dBの誤差はある)してみます。
‐送信出力差:23dB(200mWと1mW)
‐50MHzと144MHzの自遊空間損失の違い:10dB
33dBの差がありますので 6 - 33 ₌ -27となり、先ほどのグラフの結果に近いものが得られました。144MHzで7dB出力をアップさせると-20dBくらいでIRK局に届くことが分かりますので次回ビームアンテナなどで再確認してみたいと思います。
3.これまでの信号到達距離における考察
2波モデルでの計算では、相手のアンテナ条件が良くても見通しで60km程度という結果でした。今回のPSKRの結果に半径60kmの円を加えると以下のようになり一致していると思えます。高尾山は西側は山ですので、どうしても東側のみとなりますね
都心もエリア内ですがリポートはありませんでした。これは、ビルなどの影響があるのではと推測しています。
また、前回の移動では、距離100kmの外房まで飛んでいましたが、これは東京湾を超えるルートで、海上伝搬では電界が変動して強く届くことがありますのでその影響だったと考えられます。
6/13の高尾山からの運用では、AKCメンバーのJA6IRK/1(千葉県印西市:高尾山との距離84km)とメッセージで連絡しながら、144MHzでの交信をトライしました。IRK局は西に障害物のないマンションの最上階でスタック八木使用なので問題なく届くと思っていましたが、結果、1W出力のIRK局の信号を-18dBでデコードできたものの、こちらの信号は届きませんでした。
単純に考えるとこちらも0.5~1Wくらいのパワーが必要と思いますが、こちらのスマホ受信(アプリFT8CN)は受信リポートが全くあてにならずかなり低めにでます。交信できているのに-30などというリポートを相手に平気で送出、実際にどのくらいの出力で届くのかわからないため、計算で求めることにしました。FT8で見通しの条件でどのくらいで電波が飛ぶのかある程度推測できますので、移動の際に参考になると思います。
1.2波モデルで計算してみる
まず、お互いの通信距離と断面図は下のようになります。電波は都心を通りますが見通しであることが分かります。
実際に計算するとどのくらいになるかみてみます。昔は手計算していましたが、今ではネットに沢山のツールがあるので便利です。今回は これの2波モデル を使いました。これくらい距離があると2波モデルは誤差がありますがとりあえずやってみます。
こちらの条件は、周波数144MHz、出力0dBm、アンテナ利得2.14dBi(1/2EFHWロッドアンテナ)、相手のアンテナの条件は推測で20m高 12dBiで入れてみたものが下図になります。
FT8受信能力ですが、一般的な受信機でも-125dBm程度は聞えますのでそこからFT8の限界に近い受信能力を-24dBとすると大体-150dBmくらいでもデコードできるのではと推測されます。グラフ(赤線)からは60km程度となり、これまでの山からの運用実績からみても納得のいく値となっています。
このグラフから、あとどのくらいで84kmになるか推測すると7dB(5倍)くらいあればいけそうです。実際に出力7dBm (5mW)で計算したものは下図のようになり、何とか届くのではないかと思われます。
2.50MHzでの信号リポートから144MHzの必要電力を計算してみる
同じときに50MHzでIRK局と交信できており、こちらの0.2W+カーボン釣竿の信号がIRK局に+6dBで届いていました。そのときのデーターから簡易的に確認(実際にはアンテナや偏波面が異なるので数dBの誤差はある)してみます。
‐送信出力差:23dB(200mWと1mW)
‐50MHzと144MHzの自遊空間損失の違い:10dB
33dBの差がありますので 6 - 33 ₌ -27となり、先ほどのグラフの結果に近いものが得られました。144MHzで7dB出力をアップさせると-20dBくらいでIRK局に届くことが分かりますので次回ビームアンテナなどで再確認してみたいと思います。
3.これまでの信号到達距離における考察
2波モデルでの計算では、相手のアンテナ条件が良くても見通しで60km程度という結果でした。今回のPSKRの結果に半径60kmの円を加えると以下のようになり一致していると思えます。高尾山は西側は山ですので、どうしても東側のみとなりますね
都心もエリア内ですがリポートはありませんでした。これは、ビルなどの影響があるのではと推測しています。
また、前回の移動では、距離100kmの外房まで飛んでいましたが、これは東京湾を超えるルートで、海上伝搬では電界が変動して強く届くことがありますのでその影響だったと考えられます。
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