無線ブログ集
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スタックケーブルの検討 (2023/6/22 18:02:41)
Pocke ANT24(144MHz 4エレ)とPocke ANT078(430MHz
8エレ)をスタックにしたら性能アップできるかとスタックケーブルの検討をしていました。
途中、ツイッターで検討中とツイートしましたが、だいたい纏まったので備忘録として記録を残します。
同じアンテナをスタックにすると、理論上3dBの利得アップになることは知られています。
しかし、現実的にはスタックするスペースや、スタックのためのケーブルロス、コネクタの変換ロスがあり、この3dBの実現は難しいと思われます。
某アンテナメーカーさんのサイトでは、スタックスペースによる指向性とアップする利得が記載されており、スペースを広げればアップ利得は3dBに近づくが、前方サイドロープが出てくるシミュレーションになっています。
別のサイトでは、利得アップよりも、指向性の半値角が狭まることにより、周辺からの電波、ノイズが減って通信しやすくなると記載されていました。
50年ほど前に144のスタックアンテナを使ったことがあるのですが、性能がどうなのかという評価はしたことがありませんでした。
スタックケーブルも自分で作ったこともありませんでした。
このケーブルはアンテナメーカーから販売されていますが、とても高価です。
一方、ケーブルの作り方は、サイト検索で沢山見つけることができます。
当然のことながら、自分で作ってみることにしました。
今回は、75Ω 1/4λ*短縮率*奇数倍の長さのケーブルを作り、中央で合成して、任意長の50Ωケーブルでリグと接続するようにしました。
メーカー製は、144と430でどちらにも使えるようになっています。周波数的には3倍なのでどちらにも使える長さがあることが、上記計算式からわかります。
以下、結果を示しますが、最初はこれでよいのかわからず、結局メーカー製(ダイアやモンド製SS770R)を購入して比較しました。(本末転倒です)
使用材料(アンテナがBNCなのでコネクタはBNCを使用)
ケーブル:映像系で使用されているBNCコネクタ加工したケーブルを切って使用
合成部:ケース 3Dプリンタで製作
コネクタ BNC
ケーブルとの接続を容易にするため基板を製作し使用
ケーブル長:片側106cm 最初104cmで製作したが、性能測定しながらチューニング
BNCコネクタ部と合成部
合成部内部と製作した基板
144MHzでのVSWR特性です。
グレーの線はシングルでの特性です。
オレンジがPocke ANT24スタックの特性、ブルーがダイヤモンド製ケーブルを使用した時の特性です。
ほぼ同じ結果が得られています。
430MHzでのVSWR特性です。
グレーの線はシングルでの特性です。
オレンジがPocke ANT078スタックの特性、ブルーがダイヤモンド製ケーブルを使用した時の特性です。
なぜかダイヤモンド製は帯域内で特性が悪くなっているところがあります。原因はわかりません。
製作したケーブルは高い方で少しVSWRが上がっていますが、使用には問題ないレベルだと判断しています。
次に、バラつきの測定です。
ケーブルを4本製作し、バラつきを見てみました。
144、430共に4本のバラツキは殆どなく再現性はありそうです。
VSWRの測定は、スタックにしたアンテナにRG-58U 10mケーブルを使用してSWR計SX-400にて測定しました。
次に、指向性パターンです。
Pocke ANT24、078を製作し測定した時と比較し、ベランダのアンテナ配置を変えてしまい、送受信アンテナの間隔も近づいてしまい単純比較できませんが、シングルとスタックの比較は見れる結果となりました。
144MHzの特性です。
左:シングル
真中:スタックスペース0.375λ
右:スタックスペース0.5λ
スタックブームの長さが1mしかなかったのでこの間隔での測定となった
パターン図は、0.5λを基準として正規化した
<結果>スタックの効果あり
・シングルに対して、0.5λ時、2dBの利得アップ
・半値角は、シングル 90度 0.5λ 55度
左:シングル
真中:スタックスペース1λ
右:スタックスペース1.44λ
<結果>利得の効果は見れなかった
・半値角 シングル65度、1λ 35度、1.44λ 20度
・1.44λ時 前方サイドロープが顕著
・ケーブル、コネクタロスか、利得の差見られず
<結論>
ケーブルの製作を含めて、初めての纏まったスタック化の検討でしたが、サイトなどで一般的に言われている結果が得られました。
サイト情報にもありますが、エレメント数が少ないほうが、スタックスペースに対して利得の上昇効果が大きいようで、144MHzは、スタック間隔が0.5λと狭い割にしっかり利得の上昇を確認できました。
430に対して、周波数が低い分、ケーブルロス、コネクタロスが低かったのかもしれません。
430は、利得の上昇は見れませんでしたが、ロス分を考慮しても下がることはなく、半値角が理屈通り狭まったことにより、スタックの効果とされる周辺からの電波、ノイズの影響は下げられるかと思います。
使用したケーブルが3C2V相当のものであり、ダイヤモンド製は7C2Vが使用されており、この辺りのケーブル
ロスの差があるかもしれません。(今回ダイヤモンド製でのパターンは測定しなかった)
重量は、その分重く(合成部も金属製)約470gあり、今回製作したものは約96gで可搬性を考えると悩ましいところではあります。
途中、ツイッターで検討中とツイートしましたが、だいたい纏まったので備忘録として記録を残します。
同じアンテナをスタックにすると、理論上3dBの利得アップになることは知られています。
しかし、現実的にはスタックするスペースや、スタックのためのケーブルロス、コネクタの変換ロスがあり、この3dBの実現は難しいと思われます。
某アンテナメーカーさんのサイトでは、スタックスペースによる指向性とアップする利得が記載されており、スペースを広げればアップ利得は3dBに近づくが、前方サイドロープが出てくるシミュレーションになっています。
別のサイトでは、利得アップよりも、指向性の半値角が狭まることにより、周辺からの電波、ノイズが減って通信しやすくなると記載されていました。
50年ほど前に144のスタックアンテナを使ったことがあるのですが、性能がどうなのかという評価はしたことがありませんでした。
スタックケーブルも自分で作ったこともありませんでした。
このケーブルはアンテナメーカーから販売されていますが、とても高価です。
一方、ケーブルの作り方は、サイト検索で沢山見つけることができます。
当然のことながら、自分で作ってみることにしました。
今回は、75Ω 1/4λ*短縮率*奇数倍の長さのケーブルを作り、中央で合成して、任意長の50Ωケーブルでリグと接続するようにしました。
メーカー製は、144と430でどちらにも使えるようになっています。周波数的には3倍なのでどちらにも使える長さがあることが、上記計算式からわかります。
以下、結果を示しますが、最初はこれでよいのかわからず、結局メーカー製(ダイアやモンド製SS770R)を購入して比較しました。(本末転倒です)
使用材料(アンテナがBNCなのでコネクタはBNCを使用)
ケーブル:映像系で使用されているBNCコネクタ加工したケーブルを切って使用
合成部:ケース 3Dプリンタで製作
コネクタ BNC
ケーブルとの接続を容易にするため基板を製作し使用
ケーブル長:片側106cm 最初104cmで製作したが、性能測定しながらチューニング
BNCコネクタ部と合成部
合成部内部と製作した基板
144MHzでのVSWR特性です。
グレーの線はシングルでの特性です。
オレンジがPocke ANT24スタックの特性、ブルーがダイヤモンド製ケーブルを使用した時の特性です。
ほぼ同じ結果が得られています。
430MHzでのVSWR特性です。
グレーの線はシングルでの特性です。
オレンジがPocke ANT078スタックの特性、ブルーがダイヤモンド製ケーブルを使用した時の特性です。
なぜかダイヤモンド製は帯域内で特性が悪くなっているところがあります。原因はわかりません。
製作したケーブルは高い方で少しVSWRが上がっていますが、使用には問題ないレベルだと判断しています。
次に、バラつきの測定です。
ケーブルを4本製作し、バラつきを見てみました。
144、430共に4本のバラツキは殆どなく再現性はありそうです。
VSWRの測定は、スタックにしたアンテナにRG-58U 10mケーブルを使用してSWR計SX-400にて測定しました。
次に、指向性パターンです。
Pocke ANT24、078を製作し測定した時と比較し、ベランダのアンテナ配置を変えてしまい、送受信アンテナの間隔も近づいてしまい単純比較できませんが、シングルとスタックの比較は見れる結果となりました。
144MHzの特性です。
左:シングル
真中:スタックスペース0.375λ
右:スタックスペース0.5λ
スタックブームの長さが1mしかなかったのでこの間隔での測定となった
パターン図は、0.5λを基準として正規化した
<結果>スタックの効果あり
・シングルに対して、0.5λ時、2dBの利得アップ
・半値角は、シングル 90度 0.5λ 55度
左:シングル
真中:スタックスペース1λ
右:スタックスペース1.44λ
<結果>利得の効果は見れなかった
・半値角 シングル65度、1λ 35度、1.44λ 20度
・1.44λ時 前方サイドロープが顕著
・ケーブル、コネクタロスか、利得の差見られず
<結論>
ケーブルの製作を含めて、初めての纏まったスタック化の検討でしたが、サイトなどで一般的に言われている結果が得られました。
サイト情報にもありますが、エレメント数が少ないほうが、スタックスペースに対して利得の上昇効果が大きいようで、144MHzは、スタック間隔が0.5λと狭い割にしっかり利得の上昇を確認できました。
430に対して、周波数が低い分、ケーブルロス、コネクタロスが低かったのかもしれません。
430は、利得の上昇は見れませんでしたが、ロス分を考慮しても下がることはなく、半値角が理屈通り狭まったことにより、スタックの効果とされる周辺からの電波、ノイズの影響は下げられるかと思います。
使用したケーブルが3C2V相当のものであり、ダイヤモンド製は7C2Vが使用されており、この辺りのケーブル
ロスの差があるかもしれません。(今回ダイヤモンド製でのパターンは測定しなかった)
重量は、その分重く(合成部も金属製)約470gあり、今回製作したものは約96gで可搬性を考えると悩ましいところではあります。
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