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<アマチュア無線機の受賞は10年ぶり>JVCケンウッド、新製品のTH-D75が「2023年度グッドデザイン賞」を受賞 (2023/10/6 12:05:58)
株式会社JVCケンウッドは2023年10月5日、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2023年度グッドデザイン賞」を4商品・シリーズで受賞したことを公式サイトで発表、うち1商品がアマチュア無線用ハンディトランシーバーの新製品「TH-D75」(2024年発売予定)だった。hamlife.jpの調べではアマチュア無線機のグッドデザイン賞は2013年度の「ID-51」(アイコム)と「FTM-400Dシリーズ」「FTDX3000シリーズ」(八重洲無線)の3機種同時受賞以来、実に10年ぶりとなる。
グッドデザイン賞は1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザイン推奨制度。1957年に通商産業省によって創設され、現在は公益財団法人 日本デザイン振興会が主催し、家電や自動車や建設物、各種サービスなどから、毎年約1,000件前後が受賞している。2023年度は5,447件が審査の対象になり、国内外のデザイン関連分野の第一人者で編成された審査委員会が厳正な審査を実施した結果、全1,548件の受賞が決定したという。
グッドデザイン賞公式サイトから、TH-D75の受賞に関連した部分を紹介する。JVCケンウッドのニュースリリースは下記関連リンク参照のこと。
2023グッドデザイン賞
アマチュア無線機 ケンウッド TH-D75
★受賞企業: 株式会社JVCケンウッド・デザイン
★事業主体名: 株式会社JVCケンウッド
★受賞番号: 23G070512
<受賞対象の詳細>
アマチュア無線機市場と共に成長したメーカーとして、根強いファンの期待に応えるハンディ機の開発を行いました。V/U、 D-STAR、APRSでの通信に加え広帯域受信にも対応し、世界的な巣ごもり需要や、昨今の自然災害の増加により拡大傾向にある新たなユーザーに応えるべく、高い操作性や信頼性を表現するデザインを目指しました。
★デザインのポイント:
1.高性能を表現した精緻なデザインと実使用における堅牢感を同時に追求した。
2.ハードな環境でのホールド性を実現し、さらにディスプレイと操作部を保護する信頼感のあるデザイン。
3.操作部やスピーカーグリルの緻密な表現により、アマチュア無線機ユーザーが心を惹かれる要素を追求。
★プロデューサー: 株式会社JVCケンウッド・デザイン 守屋 克浩
★デザイナー: 株式会社JVCケンウッド・デザイン 高橋 紀行
★背景:
2020年、先代機の販売終了により、KENWOODアマチュアファンからのハンディ機復活の熱い思いを受ける中、次世代機TH-D75の開発が行われた。アマチュア無線機の市場は、新型コロナの巣ごもり需要の影響で個人で通信を楽しむユーザーが世界的に増加傾向にある。特にアメリカ合衆国でのユーザーが増大している。また、昨今の自然災害の増加により緊急時に備える意識が高まり防災需要も増えている。そのような背景の中、弊社企業理念の「感動と安心を世界の人々へ」に基づきデザイン開発を行った。
★経緯とその成果:
先代機の操作性と先進的なデザインのDNAを受け継ぎ、新世代のKENWOODアマチュアハンディ機の象徴となるデザインを目指しました。ボディを包み込むプロテクト形状がデザインの特徴で、ディスプレイ、操作エリア、スピーカーグリルを保護しています。サイド面の通話ボタンをはじめ各種ボタンは、押し間違え防止のための造形を施しています。正面の操作部は、防水性能を高めるシートキーを採用。さらに十字キーやキーパッドの仕上げより先進性やギア感を高める表現を施しました。スピーカーグリルは、台形の孔を互い違いに配列することで強度を保ちながら開口率を担保し高音質を実現した。
★仕様:
・外形寸法:121.95×56.0×32.9(突起部含まず)
・重量:340g(アンテナ、クリップ含む)
<審査委員の評価>
★担当の審査委員: 宮沢 哲、小野 健太、清水 久和、太刀川 英輔、Manfred Wang
★評価コメント:
同メーカーは、昔よりアマチュア無線機市場を作り上げた確固たる歴史がある。ユーザー数だけを見たら残念ながら先細り傾向ではあるが、いまだにアマチュア無線ファンは全世界で約300万人、日本においては40万弱のユーザーがいるといわれ、根強いファンの期待に応える形でデザインされた本機はコンパクトかつ堅牢性のあるデザインと従来から大きく変わらない操作性や大きな表示液晶をバランス良く兼ね備える。巣篭もり需要によって新たなユーザー数が微増するなど、少し明るい話も出てきたが、出戻りユーザーや初心者に楽しさをどう伝えていくかなども同社の今後に期待せずにいられない。
hamlife.jpの調べでは、アマチュア無線機のグッドデザイン賞は、2013年度の「ID-51」(アイコム)と「FTM-400Dシリーズ」「FTDX3000シリーズ」(八重洲無線)3機種同時受賞以来、実に10年ぶりとなる。
<参考>過去に「グッドデザイン賞」を受賞したおもなアマチュア無線機器
★アイコム株式会社
1982年:IC-505
1989年:IC-2S、IC-2ST
1990年:IC-R1、IC-3S、IC-3ST、IC-24
1991年:IC-P2T/IC-P3T
1992年:IC-2i/IC-3i
1993年:IC-T21/IC-T31
1995年:IC-775DXII
2000年:IC-910
2003年:IC-208、IC-R5
2004年:IC-7800
2006年:IC-R9500
2007年:IC-7700
2008年:IC-RX7
2009年:IC-7600
2013年:ID-51
★八重洲無線株式会社
1984年:FT-203
1985年:FT-703R
1994年:FT-900
1997年:FT-920、VX-1
1998年:FT-847、FT-100
1999年:VX-5
2013年:FTM-400D
★株式会社バーテックススタンダード
2001年:FT-817
2002年:FT-8900、VX-7、FT-897
2003年:VX-2、FT-857
2005年:FTDX9000D
2006年:FT-2000
2007年:VX-3
2008年:FT-950シリーズ、VX-8
2010年:VX-8G
★日本マランツ株式会社
1982年:C8900、C7900
1983年:C110
1985年:C411、C120
1986年:C311
1987年:C500、HX600T
1988年:C150
1989年:C520、AX700
1992年:C401
1993年:C470/C170
1994年:C415/C115、C5720
1995年:AX400、C501/C601
★松下電器産業株式会社
1973年:RJX-601、RJX-201
★第一電波工業株式会社
1989年:Mシリーズ、スーパーゲイナーシリーズ
1992年:NNRシリーズ
1993年:REVANT TG509/TG506 (TGシリーズ)
1994年:REXANT(レクサント)シリーズ
※hamlife.jp調査。業務無線機、特定小電力無線機などを除く。会社名は受賞当時のもの
こちらの記事も参考に↓(2013年10月1日掲載)
アイコム・ID-51、八重洲無線・FTDX3000、FTM-400Dが「2013年グッドデザイン賞」を受賞
●関連リンク:
・NISSAN×KENWOOD
リユースバッテリー内蔵ポータブル電源の「グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)」を含む計4商品・シリーズが「2023年度グッドデザイン賞」を受賞(JVCケンウッド)
・受賞ギャラリー JVCケンウッド TH-D75(GOOD DESIGN AWARD)
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